付け焼き刃の覚え書き

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「老人と宇宙」 ジョン・スコルジー

2007-12-01 | ミリタリーSF・未来戦記
 地球人は宇宙から閉め出されていた。
 唯一の宇宙への道である軌道エレベーターはコロニー防衛軍CDFの管理下にあり、地球人が宇宙へ出るためには地球国籍を捨て、書類上の死人としてCDFに入隊し、二度と地球へは帰れないまま最低2年最大10年の軍務を勤め上げる必要があった。そして志願資格が与えられる年齢は75歳。
 しかしそれでもCDFに志願しようとする者は後を絶たなかった。
 その秘密は、入隊後に志願者に与えられるという「軍務に耐えられる若い肉体」にあった。もとは同じ地球人でありながら、宇宙植民者たちは地球では数世代では追いつけないほどの技術を手に入れていたのだ。
 最愛の妻と死に別れたジョン・ペリーはCDFに入隊し、そこで同じような老人たちと出会い、オイボレ団を結成。そして新たな肉体を得て軍務に付くことになる。生存率25%という異星人たちとの戦いの場へと送り出されるのだ。


「いついかなるときも、心はオイボレ団とともに。見てろよ、宇宙」

 ……ということで、『老人と宇宙』はバリバリのミリタリーSFです。
 訓練施設に入るまでで1/3。実戦部隊に配備されるまでで半分。あとは種々雑多な敵との戦いが描かれていくことになります。
 うん。確かに主人公は75歳の老人でなければいけませんね。みんなが若返った肉体に浮かれ騒ぐ辺りは映画『コクーン』をもっと赤裸々に描いた感じ。それから異星人や反乱者たちとの戦いやら、幽霊部隊との遭遇とか、仲間との別れとか、なかなかテンポ良く進んで面白いですね。帯には21世紀版『宇宙の戦士』とか書いてありますけど、パワードスーツは出てきません☆
 ツッコミどころはあるけどね、面白かったよ。続きが読みたくなるくらい。

【老人と宇宙】【ジョン・スコルジー】【異星人】【戦争】【若返り】【幽霊】
コメント
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