付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「海軍肉じゃが物語」 高森直史

2007-12-02 | 食・料理
 肉じゃがを中心に、海軍における食の変遷をあちこち飛びながら語ったもの。
 面白いけど、1冊の本として読むとちょっとくどいかもしれません。
 用語の扱いとか、同じことを何回も繰り返すのは雑誌や新聞の連載コラムとして読む時は重宝だけれど、まとめて読むときにはうざったい。「それについては後で」と話があちこち脱線しかけて、ネタを振るだけ振ってお預け。それが本論に入った時も、少しかじってまた別の話題へと……なんか構成がおかしい。ゴッホから「男たちの大和」まで話がいろいろ飛ぶので、講演で話を聞くと絶対面白いし、パラパラつまみ読みするにはいいけれどなあ……。
 ……編集者が何か言ってやりなさいよ……。
 ときどきつまみ読みするには面白い本ですね。

【海軍肉じゃが物語】【高森直史】【海軍】【肉じゃが】
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「ヨコハマ買い出し紀行」 芦奈野ひとし

2007-12-02 | 破滅SF・侵略・新世界
 『ヨコハマ買い出し紀行』も連載開始から12年で完結……。しかし良い意味でも悪い意味でも、いつ終わっても良かったような最終回ですねえ。とくに大事件が起こるわけでなく、ただ昨日の続きの今日が来て、今日の続きの明日になるのですね。

「地上はますます静かになっている。また、いくつかの街の灯が消えてしまった」

 のんびり喫茶店の店番をしているアンドロイドのアルファさんを主人公にした、彼女の周囲で流れる日常生活のスケッチ集。静かな滅び? 人類の黄昏? 人々は今も会社へ通い、喫茶店に顔を出し、海で遊びます。そんなありきたりの毎日がすごく貴重に思えてしまうのは、その周囲に見え隠れする世界から人の姿が消えつつあるから。
 沿岸部の都市は既に水没して長く、道は次第に荒れ果てて行き交う人もまばらになり、住宅街からは家並みが消え、ただ草が覆い繁るばかり。


 「のちに夕凪の時代と呼ばれる」そうだから、もしかしたらこの先も人類は存続するのかもしれないけれど、衛星軌道から人類を見下ろす目も決して賑やかな世界には見えず、それだからこそ優しい人と人のふれあう姿が貴重なのですね。

【海面上昇】【人類の黄昏】【アンドロイド】【喫茶店】
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