付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「寿司屋のかみさんと総理大臣 内緒の話」 佐川芳枝

2007-12-17 | 食・料理
 寿司屋にとってはあたりまえの盛り合わせ方や値段の付け方の謎について、夫には「そんなこと面白くもない」と言われつつ、本を書いてみたら思いのほか売れてしまった女将さん。その彼女の元に届いた読書カードに、ちょっと気になる1枚があった。緊張感を強いられる激務の間の気分転換に読んだらしい。

 『職業・内閣総理大臣』

 それが町の小さな寿司屋・名登利寿司と内閣総理大臣・橋本龍太郎とのおつきあいの始まりだった……。

 橋本元総理の読者カードが届いた日から亡くなったその後のことまでを、「橋本さん」を中心とした常連客たちとのエピソードを中心に書きつづった1冊。単なる交友録とか有名人との自慢話などではなく、楽しげな日々を四季折々の寿司ネタの紹介と共に描き出している、読んでいて思わず寿司を食べに行きたくなる本です。確かに、こんな女将さんのメールをアフリカで受け取った日にゃ、寿司を食べたくて悶絶もするでしょうよ。
 しかし、タイトルが『寿司屋のかみさんと総理大臣 内緒の話』というように、お客さんとの内緒の話を活字にしちゃっていいの!?と思わないでもありませんが、自分のことを話題にされるのが好きな人だったらしいから問題ないんでしょうね。
 しかし現役総理時代に来店したときのSPの念入りさだけでも一読の価値有りかな。

【寿司屋のかみさんと総理大臣 内緒の話】【佐川芳枝】【寿司】【内閣総理大臣】【SP】
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「幻翼の栄光」 内田弘樹

2007-12-17 | 架空戦記・仮想戦史
 架空戦記『幻翼の栄光』を読了。面白かった。

 ぼくはメカマニアではなく、史実考証家でもない。好きなメカといえば鬼面戦車とハウルの動く城と言いかねない人間だ。なので、実際登場する機体の数々が書かれているような活躍ができるのかとか、それを登場させたいという思い入れとかはあまり分からない。
 でも面白く読めた。
 前田少佐の存在も最大のIFとして素直に受け入れた。普通だったらあり得ないかもしれないが、「普通」しかダメなら架空戦記なんか読めない。この程度、戦艦大和のタイムスリップとか、長嶋巨人軍が関ヶ原に戦車で乗り付けたり、孔明の霊が降りてきたりすることに比べれば、「そういうケースももしかしたらあり得たかもしれない」という範疇。比較の例が悪すぎるかもしれないけど、極端な例を出したということでご勘弁を。別に「皇帝ニコライ二世の息子アレクセイが血友病でなかったら」と同じ程度の話です。世の中、第三者の目からは信じがたい人事の例は幾らでもあります。
 ただ問題は、その主人公に読者が思い入れしにくいということ。冷徹非情なキャラが「中心部」にいるのはいいけれど、「中心点」だとちょっと辛い。
 やはり主人公は読者がついていきたくなるキャラであって欲しいです。

【夜戦ジェット戦闘機】【東京大空襲】【烈風】【秋水】【震電】【橘花】
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