付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「我が竜を見よ外伝~秋葉原竜戦記」 海法紀光

2007-12-04 | その他SF(スコシフシギとかも)
「我が竜を見よ!」

 クライマックスでこのセリフを読んだ途端、思わず涙ぐんじゃいましたよ。とにかくカッコイイ男や女たちが竜に乗って戦う話。
 ゲームのノベライズなんだけれど、原作を知らなくても……というか原作の存在を知らなかったけど、1冊のファンタジーとして楽しんで読みました。ただ、ところどころ、「この設定や人物配置になんか意味があるのかね?」と思うような箇所があったんだけれど(なぜキリコは双子である必然性があったのかとか)、そこはゲームの方をやればわかるのかな……。

 ゲームの方は異世界を舞台にした、暴走した精霊と戦う竜使いの話らしい。オールドゲーマーにはダンジョンの広大さに泣かされた『サンサーラ・ナーガ』を連想させるストーリー。でも小説の方は、突如発生した寒波に凍結したオタクシティ秋葉原を戦場に、常人には視認できない精霊を視ることができる竜使いと遺伝子操作で生み出された竜がペアとなって戦う設定。能力があるということで否応なしに閉鎖都市アキバへ放り込まれた主人公が、一癖も二癖もある先輩竜使いたちにもまれながら、暴れ回る精霊を倒して賞金を手に入れていくのだが……という話。自分はむしろ戦車で戦う『メタルマックス』を連想しちゃいました……。

【竜】【精霊】【アキバ】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「へびつかい座ホットライン」 ジョン・ヴァーリィ

2007-12-04 | 宇宙・スペースオペラ
「あまり人のことを知りすぎるのも、神経にこたえるものなんだ」
 キャセイの言葉。

 地球が異星人によってあっけなく占領され、人類が地球から追い出されて侵入することもままならなくなった時代。あまりに異質であるがゆえに、異星人が人類を排除すべき存在とすら認識しなかったために、人類は8つの太陽系内の惑星や衛星に新たな人類社会を築いていたという八世界シリーズの1冊にして唯一の長編。
 追い出されて無視されっぱなし。しかも手も足も出ないってのは情けない話ですが、500年も経つとそれなりに慣れてしまうようです。すぐ目の前にあっても手の届かない故郷の星ってどんなもんなんでしょうか。

 テクノロジーの発達により、クローンが普及し、外見を変え、性別を変えることがあたりまえになっていても、それゆえに遺伝子の改変は死刑に値する犯罪とされていた。このタブーを犯したばかりに生命工学者リロは死刑に処せられるのだが、地球解放主義者で元大統領のトイードによって寸前で助けられ利用されることになる……。


 性転換とかクローンとか、SF的なアイデアをこれでもかと注ぎ込んで作った異世界をあたりまえのように提示して繰り広げられる八世界の物語は、登場人物が増えたり、性別変わったりとなかなかめまぐるしい。短編集「バービーはなぜ殺される」なんか、被害者も容疑者も通りすがりの第三者もみんな同じ姿形というコロニーが舞台だし。
 ジョン・ヴァーリィはアイデアを素直に楽しむ作家ですね。

【へびつかい座ホットライン】【ジョン・ヴァーリィ】【八世界シリーズ】【クローン】【封鎖された地球】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする