「子供とて、自分の身を守る権利はあるはずだ。たとえ他人を殺し、他人のものを奪ったとしても。神さまはお許しくださるだろう」
魔を狩る神父、猪狩遼馬の言葉。でもそんな世界は悲しいですね。
ニューヨークの一角、うらぶれた倉庫と無人のアパート群のはざまにひっそりと建つ教会を襲撃した男たちは死んだ。貿易会社の社長を襲撃した後に同士討ちをしたとだけ報じられて。
しかしそれは新たな戦いの端緒に過ぎなかった。
14世紀にテンプル騎士団が壊滅して以来、密かに悪魔バフォメット復活の機会をうかがっていた騎士団の末裔。それが魔杯教団だった。舞台を東京に移し、バフォメットの騎士と戦うのは隻眼の神父とその娘!
悪魔と身体の一部を交換することで特殊能力を得た騎士たちと、傭兵上がりの神父とガンマニアの少女が激突する、エロ・グロ・バイオレンスが適当に入り混じったオカルト・アクション。菊池秀行や夢枕獏が台頭し始めた頃のソノラマ文庫もこんな感じの作品が多かったですね。ただ、まだちょっと荒削り。5歳だか7歳だかの歳にはもう銃をぶっ放していたという、白蛇を使い魔にする少女、猪狩咲夜ももうちょっと魅力的に活躍させられたと思うな。チンピラ少年と互いにちょっと気になる間柄……になるにしても、今ひとつ唐突。そんなにフィーリングが合うとか、気になることあったっけ?
決して多くはないけれど、いろいろキャラの視点が移動した分だけ密度が薄くなった感じ。でも少ない描写で最大限の印象を与えるケレン味が加わると、この視点切り替えの多様はテンポの良さになるはず……などといっても、これが2002年の作品。今の作品がどんな風になっているか、読むのが楽しみですね。
【頭蓋骨のホーリーグレイル】【杉原智則】【聖堂騎士団】【頭蓋骨】【ホーリーグレイル】【受胎】
魔を狩る神父、猪狩遼馬の言葉。でもそんな世界は悲しいですね。
ニューヨークの一角、うらぶれた倉庫と無人のアパート群のはざまにひっそりと建つ教会を襲撃した男たちは死んだ。貿易会社の社長を襲撃した後に同士討ちをしたとだけ報じられて。
しかしそれは新たな戦いの端緒に過ぎなかった。
14世紀にテンプル騎士団が壊滅して以来、密かに悪魔バフォメット復活の機会をうかがっていた騎士団の末裔。それが魔杯教団だった。舞台を東京に移し、バフォメットの騎士と戦うのは隻眼の神父とその娘!
悪魔と身体の一部を交換することで特殊能力を得た騎士たちと、傭兵上がりの神父とガンマニアの少女が激突する、エロ・グロ・バイオレンスが適当に入り混じったオカルト・アクション。菊池秀行や夢枕獏が台頭し始めた頃のソノラマ文庫もこんな感じの作品が多かったですね。ただ、まだちょっと荒削り。5歳だか7歳だかの歳にはもう銃をぶっ放していたという、白蛇を使い魔にする少女、猪狩咲夜ももうちょっと魅力的に活躍させられたと思うな。チンピラ少年と互いにちょっと気になる間柄……になるにしても、今ひとつ唐突。そんなにフィーリングが合うとか、気になることあったっけ?
決して多くはないけれど、いろいろキャラの視点が移動した分だけ密度が薄くなった感じ。でも少ない描写で最大限の印象を与えるケレン味が加わると、この視点切り替えの多様はテンポの良さになるはず……などといっても、これが2002年の作品。今の作品がどんな風になっているか、読むのが楽しみですね。
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