付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「シンフォニック・スター・トレック」 シンシナティ・ポップス・オーケストラ

2009-06-12 | 宇宙探検・宇宙開発・土木
 昔から映画やテレビドラマの音楽が好きでレコードやCDを購入していたのだけれど、昔はとにかくちゃちな再演奏版が多くて泣きました。
 番組で実際に使った「オリジナル・サウンドトラック」とはいわない、映画に使った音源ではないけれど演奏がもともとのオリジナルと同じな「オリジナルサウンドスコア」でなくてもいい。けれど、使っている楽器の数を簡単に勘定できるようなしょぼい編成で×××シンフォニック・オーケストラとか適当な名前を付けて誤魔化すな!ってなもんです。まあ、今ではたいていの作品はサントラが簡単に入手できる時代なので、よほどしょぼいものでもパチもんとして愉しめるようになりましたが、当時は悲しかった……。
 そんな中、このカンゼル指揮のシンシナティ・ポップス・オーケストラによる映画音楽集は、オリジナルのサントラでもないのにかかわらず本物並みにカッコイイ演奏で、作品によってはオリジナルより迫力があってお買い得でした。

 これはその「スター・トレック」編。
 最初のテレビ版TOGから「スタートレック・ヴォイジャー」までのテレビ作品や映画版のメインテーマやエンドタイトルを収録したもので、レナード・ニモイのオープニング・ナレーションで始まり、ボーグ人の囁きで終わる1枚。ザトウクジラの歌が入っているのもポイント。
 東海豪雨で流された車で聴いていたので、水が引いて回収したときにはジャケットはボロボロ。ディスクは車の隅々まで染み込んだ田んぼの泥で黄土色一色! 傷つけないように泥を洗い落とすのにどれだけ苦労したことか……。

【シンフォニック・スター・トレック】【エリック・カンゼル】【シンシナティ・ポップス・オーケストラ】【ワープ8】【ハゲタカ号】【転送機】【トリブル】
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「ホルモー六景」 万城目学

2009-06-12 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
 『鴨川ホルモー』の続編ではなく、外伝集。

 プロローグで安倍がきしめんを食べていて、高村の実家から錦松梅が送られてきて……という話から、あれ? 安倍も高村も名古屋出身だっけ?と思ったのは、名古屋駅前のデパートで錦松梅を大量購入したことがあったから。でも、調べてみたら錦松梅は東京が本社でした。
 錦松梅というのは鰹節やきくらげとか松の実などいろいろ入った高級ふりかけ。といっても、100g500円くらいでむちゃくちゃ高くもないのだけれど、有田焼の容器入りを売っていて、それが有田焼のランクで3000円でも3万円にもなってしまうというもの。食べて美味しく、容器がそれ単体でも使えて立派ということで、結婚式の引き出物に重宝しました。

 さて、今回は『鴨川ホルモー』のメインキャラから名前も出てこなかったような脇役の人たちまでが主役となって裏話や前日譚や枝編を展開する恋愛短編集。
 京都産業大学玄武組の主力となって暴れ回る二人静こと定子と彰子の『鴨川(小)ホルモー』はモテない女の友情話、楠木さんてどんな人?という『ローマ風の休日』、ラブレターをめぐるトラブルの顛末を描いた『もっちゃん』、芦屋満のふたまたが原因となった『同志社大学黄竜陣』の経緯、ホルモーでは敵同士だったOB2人が東京の合コンで再会する『丸の内サミット』、そして立命館白虎隊の会長が主人公となる『長持の恋』の6編。

 『鴨川ホルモー』で伏線っぽくちりばめていた小ネタを回収しつつ、別角度で物語世界を広げていくような1冊でした。『長持の恋』はジャック・フィニィの「愛の手紙」を彷彿とさせる良い話でしたが、いちばん好きなのは『ローマ風の休日』。何を考えているかよく判らなかった楠木さんがきちんと物事を考えていて、しかも女の子だというのがちゃんと伝わってくる話でした。

【ホルモー六景】【万城目学】【織田信長】【首塚】【数学】【狐のは】
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