付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「COOLDOWN」 伊達将範

2009-06-23 | ホラー・伝奇・妖怪小説
 白昼、オフィスビルから200人を超える社員が消失し、翌日そのうち1名が佐世保の沖合で血を抜かれた死体となって発見された。怪奇な事件に翻弄される警察だったが、それもまた前座にすぎなかった。
 死体が発見されたまさにその日。ある高校を国籍不明の武装集団が制圧し、校長を射殺すると全校生徒を軟禁。不可解な選別作業を開始した。だが、たった1人、全校集会をサボったばかりに難を逃れた少年がいたのだ……。

 なぜ日本には吸血鬼伝説がないのかとか面白いネタをちりばめながら、重武装したテロリスト集団相手に徒手空拳の生身の学生がその場しのぎの武器で戦いを挑みます。敵役のテロリストを吸血鬼にしたダイ・ハードのような話。
 それまでゲームのノベライズできていた作者のオリジナル第一作になるのかな。荒削りだけれど面白いし、続編のネタになりそうな伏線もちりばめられているので、続いても面白かったかも。このあと、『リムーブカース』で恋愛っぽい要素のある学園物+ミリタリーアクション+オカルト路線を確立して『ダディフェイス』に至る、と。ライトノベルの舞台となる場所が、異世界から現代の学校へと主流が移っていくちょうど過渡期だったようです。
 2005年の『DADDYFACE~メドゥーサ』を最後に新刊が出ていないのが残念。そろそろ新刊を読みたいところです。

【COOLDOWN】【伊達将範】【緒方剛志】【SAT】【吸血鬼】【吊り橋効果】【北朝鮮経由】
コメント (2)
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