付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「レジンキャストミルク8」 藤原祐

2009-06-30 | 超能力・超人・サイボーグ
 夜の学校を戦場に、虚軸である晶たちと実軸であるという樹たちとの最後の戦いが始まった。だが、その争いの中に紛れ込む者たちがいた……。

 大団円といえば大団円なのかしらん。たとえるなら、デス・スターを破壊したもののオビ=ワン・ケノービを失い、皇帝もシスの暗黒卿も健在なまま辺境惑星でつかの間の勝利に酔いしれる共和国軍。でもまあ、あれはあれで良いか……と『れじみる。Junk』を再読して納得。みんな幸せそうだもの。
 やっと読み終えました。
 買いそろえてから読み切るまでが長かったけれど、面白かったです。個性的で良いキャラばかりだったし、馴染むと別れるのが辛いな。
 ただ、主人公は設定ほど口先で相手を丸め込めるキャラに見えなかったのが残念。『悪魔のミカタ』の堂島コウくらいしたたかでも良かったのに、最終的には口先と計略ではなく、仲間との連携の方に重心が偏ってしまったのが惜しい。もう少しトントンでも良かったというか、【無限回廊】まではともかく最後の樹たちは口先と計略で退けるという展開が見たかった。結果は同じでも、過程の見せ方の話だけれど。

【レジンキャストミルク8】【藤原祐】【椋本夏夜】
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「怪しいアジアの歩き方」 クーロン黒沢・ポッチン下条

2009-06-30 | 冒険小説・旅行記・秘境探検
 『地球の歩き方』といえば、口コミレベルまでの詳細な情報を詰め込んだ海外旅行ガイドブックの老舗。
 『あやしい地球の歩き方』といえば、海外オタク事情や海外でマニアックなアイテムを購入したりイベントに参加した体験談をまとめた同人誌。
 で、この『怪しいアジアの歩き方』は、アジア各国で遭遇した怪しげな人々と危険な事件の数々について赤裸々に綴った体験談集。『地球の歩き方』はガイドブックの定番だし、そのタイトルをひねった『あやしい地球の歩き方』については、著者の1人であるクーロン黒沢が『香港電脳オタクマーケット』にて無許可で紹介していたそうだから、このタイトルもそのあたりを意識しているんでしょうね。
 内容的には、人の善意や好意を頭から否定するようなボッタクリの宿や飲食店や屋台や税関や警官や両替窓口や犯罪者やパックパッカーらについてのエピソードや、大麻やコカインや売春その他の国によっては犯罪だったりどこの国でも犯罪だけれどもんな普通にやっているよ……という、真っ当に添乗員付きの団体旅行に参加していたら絶対にお目にかからない/かかっちゃいけない事件の数々。
 口絵のカラー写真に写っていた「マレーシアの綾波」みたいな制服姿は面白いと思いました。

【怪しいアジアの歩き方】【クーロン黒沢】【ポッチン下条】【タイ】【カンボジア】【バングラディシュ】【ネパール】【ベトナム】【マレーシア】【シンガポール】【香港】
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