京都を突然の地震が襲い、その際に口を開いた大迷宮から怪物があふれ出してから2年。当初は自衛隊による掃討が試みられていたが、現在では応募者から選抜された民間人による迷宮探索が続けられていた……。
京都の町で「ウィザードリィ」
(脚注)をする話。もともとはweb小説で、それに加筆した群像劇なんだそうです。
私の好きな小説で『
ヴァンガード』という、東京の町で「ウィザードリィ」をする話もあるのだけれど、あちらが銃器OKな設定に対して、こちらは現代日本でありながら剣と魔法オンリイ。理由は火薬や電子機器が機能しないから……ではなく、「現代日本だから」。
銃刀法云々が理由というなら剣だってダメじゃない?とか、現に自衛官のチームは銃を使って崩壊を食い止めているじゃないか(相手に効果がある)とか、お話的に「なぜ剣が良くて銃がダメか」説得できていないのが残念。それから冒険者たちの収入が少なすぎるのも気になるところ。最低限の衣食住は保証されているものの、経費は自分持ちで健康保険の適用外、冒険者の死亡率14%って、金銭的なうまみがありません。
群像劇としては面白いので、完結の4巻までは読んでみたいと思います。
(脚注)迷宮に潜って怪物を倒して経験値や金銭を稼いだり高性能の装備を手に入れていく、コンピュータRPGの古典的代表作。
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