付け焼き刃の覚え書き

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「ゲート(4)総撃編」 柳内たくみ

2012-08-27 | 異世界結合・ゲート・ゾーン
「貴方に考えるなんてことが、本気で許されると思ってらっしゃるんですか?」
 伊丹はもはや選んだり逃げたりできる立場ではないのだと、黒川二曹の言葉。周囲は口を揃えて言う。「リア充、溺死しろ」と。ロウリィ教の教義は「愛する者は手元に置く。決して手放すな、決して逃がすな」らしいし。
 でもダメな男オタク連の影で目立たないけれど、黒川二曹も隠れオタクだよね? あちこちでしっかりマンガネタについていっているもの。変に知識だけ耳から入って毛嫌いしているだけかもしれないけど。

 伊丹たちは日本の物理学者や天文学者たちを引きつれ、クナップヌイの山岳地帯へと向かった。冥府の神ハーディに示唆された、世界に起きている異変をその目にするためである。
 そこは黒い霧に覆われ、すべてが死に絶えた終末の地と化していた。早く「門」を閉じなければ、世界と世界の間の歪みがこのような形で広がっていくというのだが……。

 真っ先に連想したのはリフトウォー・サーガの『偉大なる者』。そういえば、あれも2つの世界にゲートを開き、開き続けることで世界に災厄が訪れるだろうけれど、人は「門」のもたらす利益が目の前にあれば、危険を知らされていても「もう少しくらい」と先延ばししてしまい、自ら閉じることができない……という話でした。

「異なった価値観を持つ者には、どれだけ情報を発信しても届かない」
 ジャーナリスト・古村崎の言葉。

 でも、さすがに全体の構成は読みづらいまま。ネットで連載のように細切れで読んでいるときは良いと思うけれど、もう少し考えて欲しかった気がします。
 そして、いよいよ次巻で完結。
 レレイが1巻にて銀貨1000枚で購入した交易情報が果たして伏線として消化されるのか……別にそれだけではないけれど、ずうっと気になっていた話なので注目しています。

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