付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「おおかみこどもの雨と雪」 監督:細田守

2012-08-10 | その他フィクション
 映画館の上映後に、父親が小学生くらいの子供に向かって「面白かったなあ……面白かった?」とか熱心に訊いていたけれど反応は今ひとつ。
 子育てのない者が観ても面白いかなあというのが1つと、子育てした者が観ると身につまされて悲しくもなるよねというのがもう1つ。もうちょい達観できるようになると、素直に面白いと断言できるようになるのかも。

 若くして“おおかみおとこ”と恋に落ち、雨と雪というふたりの子を授かった人間の女性・花。けれど、“おおかみおとこ”はまだこどもたちが幼いうちに死んでしまい、人と狼の間をいったりきたりする“おおかみこども”の世話に行き詰まった花は、都会を離れて自然の豊かな地で子育てすることを決意するのだが……。

 「子供が親を捨てるまで」の話であり「母親が子離れするまで」の物語。これ以外のエピソードはすべて枝葉。普通のこどもでさえ、父親や実家の助け無しに育てるのは難しいだろうに、それが“おおかみこども”ならなおさら厄介な話。たいへんだとは思うけれど、こういう母親と接触しなければならない保健所や福祉課の人もたいへんだ。
 映像的には水の描写が秀逸。山の家は薄暗かったけれど、真っ黒クロスケは出てこない。

【おおかみこどもの雨と雪】【細田守】【奥寺佐渡子】【貞本義行】【宮崎あおい】【大沢たかお】【大木民夫】【中村正】【菅原文太】【谷村美月】【染谷将太】【林原めぐみ】【山の主】
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「龍ヶ嬢七々々の埋蔵金3」 鳳乃一真

2012-08-10 | 学園小説(不思議や超科学あり)
 南海の孤島の巨大学園で繰り広げられる秘宝争奪戦の第3巻は、ショッピングモール地下の迷宮が舞台。
 この、太古に作られたものばかりが遺跡ではないし、数年前に(場合によっては先日)作られたばかりの建物でも、その存在やトラップを仕掛けた設計者たちの意図が外部に伝わっていなければ同じ事……という視点は面白いですね。トレジャーハントものというと、古代の宇宙文明が遺したものばかり続いていただけに新鮮。

 202号室に突然やってきたのは冒険部の元部長にしてこの部屋の元住人だった戦場。彼は手にしたアイテムの効果だけ七々々から訊くと去っていくのだが、“七々々の埋蔵金”を彼の役に立つか立たないかで切って捨てる態度に八真重護はひっかかるものを感じたのだが……。

 主人公の回りに集まるメンバーがどいつもこいつも利己的で、一癖も二癖もあり、協力するのもそのときの事情次第、裏切ったり敵対するのもそのときの流れで……という、毎回が「雨の午後はヤバイゼ」状態なのもハードボイルドで面白いのだけれど、もう少し重護と天災以外のキャラの役割分担がはっきりすると良いと思いました。

【龍ヶ嬢七々々の埋蔵金】【鳳乃一真】【赤りんご】【ファミ通文庫】【巨大学園】【南海の孤島】【トレジャーハント・ロワイヤル】【黒猫パジャマ】【パズル】
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