この日を待ちわびていた。ようやく咲いてくれた。嬉しいの一語に尽きる。
ご覧のように真紅の小さな花である。朝顔の五分の一位であろう。それでも存在感がある。この空間だけは真夏を呈しているかのようだ。其々に異なる色を露にして見るものに愛おしさを芽生えさせ、またどこかで見ているであろう父を思い出さずにはいられない。
花はといえば私の部屋に背を向けて、そう光に向かって咲いているのだ。たった一粒の種から子の様な感動が得られるとは思いもしなかったことである。生命のすばらしさをも感じさせてくれた父の朝顔である。
そう言えば最近は朝顔だらけである。街道を歩いていない。しかしながら明日は日田往還である。楽しみである。