先般佐賀地裁は高裁の開門判決命令に開門を実施しない國に対し1日49万円
の間接強制の制裁金支払いを命ずる判決を出した。
是に対して長崎地裁は潮受け堤防排水門も開門禁止を命じた長崎地裁の仮処分
決定に反し、國が開門したら干拓農民に、1日当たり49万円を支払い様に命ずる
間接強制を決定しました。
これで國は開門しても、開門しなくても制裁金は払わなければならない事態となった。
そもそもこの諫早干拓訴訟そのものが初めからおかしかった。
戦後食料不足を理由に日本では八郎潟干拓・児島湾干拓・有明海干拓が計画された。
その内有明海干拓のみが地元反対が強く工事されなかった
それでも計画した公共事業は最後までやり抜くのが官僚の特性。
何回も計画を錬り直し提案したが廃案。
処が諫早水害が起きて有明海沿岸部で大きな被害者がでました。
其処で干拓規模を縮小し防災に主点を措いた干拓案が通り工事が再開された。
工事中環境問題や漁業者からの反対で何回も工事は中止された。
しかし工事は完了しあの有名なギロチンと言われる大規模な潮受け堤防締め切りの
イベントが行われました。
これで世間の注目を浴び反対運動が盛り上がった。
長崎県は待望の干拓地を手に入れ干拓農民による農業が始まりました。
処が丁度その頃天候不順が続き、漁業に大きな被害が出ました。
其処で漁業者が漁業被害は全て諫早干拓のせいとした訴訟を佐賀地裁に起こした。
佐賀地裁は明らかに諫早干拓が原因と判断し試験的に開門して調査する様に命じた。
しかしやっと農業が軌道に乗りかかった時開門されれば農産物は潰滅する反対した。
控訴審の福岡高裁も佐賀地裁判決を支持した。
其処で長崎地裁は干拓農民の意を受けて開門禁止の仮処分を出した。
この諫干開門命令は因果関係を明らかにするためとなって居るが、是は建前で幾ら
國から補償金をせしめる為の手段と言っても過言ではない。
確かに諫早開拓が有明海に影響を与えた事は確かですが、其れが全てと言う論理は
いささか飛躍し過ぎる。
諫早干拓を上回る干拓を熊本も福岡も佐賀も勿論長崎も行って居ます。
又漁業被害は異常気象やのり業者の過密化も問題がある様だ。
貝も農薬被害等考えられない事はない。
其れを全て諫早干拓のせいにして補償金をせしめようとは無茶過ぎないか?
それに折悪しく福岡高裁の判決が出た時公共事業に反対を表明して居る民主党
政権でそれに菅総理の時です。
国民のためと國の控訴を諦め判決が確定しました。
國が率先して勧めた干拓を、今度は國が反対すると言う妙な事態になった。
なんの足しににもならない部分開門は害あって益無しと言われて居ます。
お互い意地になって争って居ますね。
今回は國は開門してもしなくても1日あたり49万円の制裁金を支払う事になりそう
ですが、この結果は福岡高裁の上告審でどう出るか?
それに対して國が上告し最後まで戦うか?
事態は益々混迷して来ましたね。