ハラルト・シュテンプケ 日高敏隆・羽田節子訳 1999年 平凡社ライブラリー版
副題は、「新しく発見された哺乳類の構造と生活」。
架空の動物に関わる研究本つながり。
「鼻行目」は、1941年に発見された南海のハイアイアイ群島に棲息する、哺乳類の一種。
脊椎動物すべてを通じて、これまでまったく知られていなかったような体の構造原理、行動様式、生態の型をしている。
いろんな種類がいるけど、特徴的なのをあげると、逆立ちしたようなカッコで、鼻で体を支えて、そのまま鼻で歩いたりするので、その名前がある。
表紙の絵は、学名Orchidiopsis rapax、和名はアンケル・ヴァニラ・ランモドキ。硬鼻類ランモドキ科ランモドキ属の一種。
森に生息し、ふつう尾でじっと立っており、遠くから見ると、大きな花に似ている。大きな耳、中央の皮膚冠、平たい鼻が「花弁」として頭のまわりをとり囲み、鮮やかな彩りを見せている一方、胴体は地味な緑色で一見目立たない。鼻の表面の誘引性分泌物はヴァニラのような匂いがし、おとりの働きをする。鼻の上にとまったり、近くをひらひら飛んでいる昆虫を、長くて細い腕の先について捕獲手で一瞬のうちに捕まえて食べる。
このような動物の詳細な観察記録が挿絵とともにまとめられている本だが、当のハイアイアイ群島は、1957年に某国の核実験の影響で海面下に没してしまい、鼻行類は標本もひとつも残っていないのが、残念。
副題は、「新しく発見された哺乳類の構造と生活」。
架空の動物に関わる研究本つながり。
「鼻行目」は、1941年に発見された南海のハイアイアイ群島に棲息する、哺乳類の一種。
脊椎動物すべてを通じて、これまでまったく知られていなかったような体の構造原理、行動様式、生態の型をしている。
いろんな種類がいるけど、特徴的なのをあげると、逆立ちしたようなカッコで、鼻で体を支えて、そのまま鼻で歩いたりするので、その名前がある。
表紙の絵は、学名Orchidiopsis rapax、和名はアンケル・ヴァニラ・ランモドキ。硬鼻類ランモドキ科ランモドキ属の一種。
森に生息し、ふつう尾でじっと立っており、遠くから見ると、大きな花に似ている。大きな耳、中央の皮膚冠、平たい鼻が「花弁」として頭のまわりをとり囲み、鮮やかな彩りを見せている一方、胴体は地味な緑色で一見目立たない。鼻の表面の誘引性分泌物はヴァニラのような匂いがし、おとりの働きをする。鼻の上にとまったり、近くをひらひら飛んでいる昆虫を、長くて細い腕の先について捕獲手で一瞬のうちに捕まえて食べる。
このような動物の詳細な観察記録が挿絵とともにまとめられている本だが、当のハイアイアイ群島は、1957年に某国の核実験の影響で海面下に没してしまい、鼻行類は標本もひとつも残っていないのが、残念。