many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

ブッダの方舟

2010-03-13 22:07:48 | 中沢新一
中沢新一・夢枕獏・宮崎信也 1989年 河出書房新社
ブッダつながり、ぢゃなくて、中沢新一つながりか。
中沢新一と夢枕獏の対談。以下の4章から成ります。テーマは仏教。
「人これを邪教と言う」1986年箱根
「山の空間、山の時間」1987年高野山
「神仏うらマンダラ」1987年丹生川畔
「超高層の宮沢賢治」1988年新宿
宮崎信也というのは、自称・中沢新一の押しかけ弟子であって、現職の住職。

ひさしぶりに本棚からこれを出したら、すごい面白いのを改めて発見した。
いつのころ読んだのか覚えてなかったんだけど、1989年といえば相当むかし。あー、このころ読んだものの影響っていまだにあるなぁと思う。(最近読んだものの方が心にも脳にも残らず消えていく)
“ドライヴィング・バトル・トーク”と帯にあるように、話はスピーディーにあちこち飛ぶんだけど、仏教の考え方についてギラリと光るものがときどき跳び出してきます。
仏教の実践とはどういうものかが普通にでてきてるし、輪廻とはどういうもので“具体的に”どうなるかとか、「色即是空」ってのはどういう意味かとか、語られています。(ちなみに、色即是空=ルーパムシュニャター(サンスクリット語)の日本語直訳は「現象しているものの本質は無限を孕んでいる」くらいではないかと。)
チベットでは「埋蔵教」という手があって、自分が新たな真理を発見したと思ったら、それを経典の形にして土に埋めて自分で掘り出す、それで自分の考え正当化しちゃうとか。
かたやキリスト教では「ビリーヴ=信じる」ってことが中心で成り立ってんだけど、そんな宗教は世界中でもなくて、それに比べたら仏教って科学だなぁって感じであって、世界を説明するのに物理とかの科学の言葉もあるけど、仏教の言葉でもできんぢゃないかとか。
そんなことが、いまだに私の頭の中には残ってるんで、この本の影響は大きかったと再発見してます。

表紙の絵は岡野玲子。「ファンシイダンス」もまだ連載途中だったころか。
中沢新一が、>岡野玲子さんの『ファンシーダンス』こそ究極のギムナジウムもの。坊主づくしの漫画。今までのどんな本よりも仏教界の内幕がでてるよ。これ読まずして仏教を語るなかれ、だよ。 と絶賛(?)しています。
コメント
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