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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

ストップ!!ひばりくん!コンプリート・エディション(3)

2010-03-02 14:42:59 | 江口寿史
江口寿史 小学館 2010年3月3日
ここのところ、“ひばりくん コンプリートエディション”での検索が多いようなので、リクエストにお応えしてってことで

1巻が去年の7月20日発行、2巻が10月19日発行ですが、私はどうしようかと迷ってたので、11月に2冊あわせて第2刷を買いました。で、「これは第3巻出たら買わなきゃな」と思ってたのはいいんですが。
その3巻は、去年の秋から、出版予定が延び延びになってたらしいんだけど、油断してたら2月の下旬に出たというので、あわてて書店探して昨日買ってきました。

第3巻は、冒頭いきなり「彼女(!?)はおれのものの巻」が、大幅に書きなおされているので、思わずジャンプコミックスの3巻(1983年)を持ってきて、読み比べちゃいました。
もとは「モテモテトリオ登場!!の巻」が(わずかw)4ページ、「モテモテアタックの巻」が12ページのものを、一話14ページに構成しなおしています。
その結果、江口得意の、いわゆるアドリブギャグの部分が無くなっちゃうのは、どうなんだろう、仕方ないといえばそうだし、あれはあれで面白いのに、とは思いましたが。

話題の最終回については、集英社コミックスの第4巻(1984年)では、「パニック・イン・寿スタジオ!!の巻」が、「メイキング オブ ひばりくんの巻」として、巻末最後の話になっているんだけど、『江口寿史の 犬の日記、くさいはなし、その他の短編』(1999年)に、「ストップ!!ひばりくん!最終回」として「硬派激二郎!!の巻 前編」が収められました。
これには、最終コマに「つ づ く」って書いてあるんだけど、この続きが今回、新たに5ページ描き足されてます。
あとがきに、連載当時にネームまで書いていた、完全版を出すにあたって最後を尻切れトンボのままにしたくなかったので、資料棚の奥から引っぱり出してきた、と語られています。当時とは27年前、江口は27歳だったそうです。
うん、今回よく描いてくれました、まあ、満足。

ほかには、ジャンプコミックスには載っていない、「鉄砲玉さんいらっしゃいの巻 前編・後編」と「だれが王子で王女様!?の巻」が収録されました。

巻末の「初出一覧」をみると、ジャンプ連載時は、1983年1月24日号のあと、ずっと間が空いて、5月30日号・6月6日号の2週に掲載、そのあとはまた9月5日号まで間が空いてる って、そうだったんだな、あのころ
それから、ボーナストラックとして、ボツ原稿21ページが入ってんだけど、これはこれで面白いっす。
あと、江口のトビラ絵は、きれいなんで、完全版とかでそろうと、これも嬉しいっす。

先ちゃんは、あとがきで、>この作品が未完である事実は変わらない。ただ今回の復刊の作業をしていてずっと思っていたことは、「ストップ!!ひばりくん!」という漫画はこれでおしまい、ということでいいんじゃないかと。 と語ってます。
なんだかセツナイなぁ、と、これを読んで静かに私は感動(?)しました。
“パイレーツ”の最終巻にも、>連載を始める時、ぼくは自分なりに終わりの時期をきめてました。3年間連載して、単行本を10巻だせたら終わりにしようと思っていたのです。世の中、すべて終わりがあるし、それでこそ、次の始まりがあるのですから。 という言葉があります。
連載の最後のほうは苦しそうで、そんなカッコいいものぢゃなくて、言い訳では?と疑えなくもないですが
または、続けられないときに、“自分は飽きっぽい”みたいなことを言ったりするみたいですけど、それはそれで先ちゃんのいいところです。
なーんか、いつまでたっても、同じ作品、昔のヒット作の続編だかを描き続けるひともいるなかで(それは編集者っていうか、商業主義がわるいんだろうな)、「これはこれで終わり!」って潔いとこが、江口寿史の魅力だと私は思ってます。(“パイレーツ”の続編とかを、たまにちょこちょこ描いてお茶を濁すとか、やろうと思えばできるんだろうけど、しないもんね。これからも、しなくていいよ。)

というわけで、“ひばりくん”については、とりあえず、ひとまずの完結をみて、よかった、よかった。
…しかし。
まだ“エリカ”とか“パパリンコ”とか、「あれは、どうした?」ってものは、いっぱいあるんだけどね
個人的に、続きをどうにかしてほしいのは、「エイジ」です。(←なんだ、やっぱ描いてほしいんじゃん?俺。)
(まあ「エイジ」とかは未完だからね。いちど完結したものを、○○編とか言ってダラダラやってほしくないだけで。)
コメント
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