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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

ブッダの夢

2010-03-12 19:09:18 | 中沢新一
河合隼雄・中沢新一 1998年 朝日新聞社
河合隼雄のつづき、内容は副題そのまま「河合隼雄と中沢新一の対話」
稀代の心理療法師であって“おはなし上手”の河合隼雄と、実践するブッディストであって私の好きな物書きの中沢新一の取り合わせなんで、当然のように興味あって手にとりました。
「仏教と癒し」
「宗教と科学は対立しない」
「箱庭療法の宗教性」
「アメリカ・インディアン神話の潜在力」
「善悪をこえる倫理」
「汎神論風夢理論のこね方」
という6回の対談が収められています。
なかでも書き下ろし、ぢゃなくて、語り下ろしの「箱庭療法の宗教性」には、実際の「箱庭」(抑鬱症のクライアント(患者って言わないのね)の作ったもの)がカラー写真で載っていて、河合隼雄の解説があって、見たときは衝撃的でした。
すごいです、砂の入った(1m四方くらいかな)箱庭と、人形とか家の模型とかのオモチャのような材料がいくつもあって、それで何かを作ってくというものなんですが、それは凄いものです。
私自身は、こういうのをみて、はからずも他人の心のなかをうかがい見てしまうようなことは、好きではないです。中沢新一が「虹の理論」で書いてたような、自分の過去の記憶を全部目の前に流れ出るように映し出すなんていうのは、非常に興味あるし、やってみたいですけど。
あとがきで改めて語られていますが、箱庭療法の根本は、それを置く人の創造的活動によって自ら治っていくところにある、そうです。
コメント
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