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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

危ないお仕事!

2010-06-23 22:17:59 | 読んだ本
北尾トロ 平成18年 新潮文庫
前にとりあげた「怪しいお仕事!」の続編ということになろうか。
普通なかなかそこまではしないようなことを、仕事にして稼いでいる仕事人たちを取材して、具体的な中身を聞きまくったもの。
「万引きバスター」とか、浮気調査の私立探偵、超能力開発セミナー講師、メルマガ・ライター、フーゾク専門不動産屋などなど。

きのうのつながりで、この本を思い出して引っ張り出したのは、最近話題の「野球賭博」について書いてあったかなと思ったからなんだが、それは『怪しいお仕事!』のほうでした。
で、そっちで書いてる「野球賭博師」の章には、どのくらい買うかとか、どういう仕組みかとかが、インタビューに答える形で詳しく出てる。
月曜始まりの日曜〆で、勝っても負けても月曜に決済。自分の口座をふたつ作って、一方を先方に渡しておくから、自分で金のやりとりをしていることになるからバレないとか。
勝つための鉄則としては、パリーグ重視。先発予告があるし、指名打者制だから点が離れやすくて買いやすいとか。
得点と賭けの関係でいうと、ハンデもらってる先攻チームから買うのがいいらしい。9回表の攻撃ができるから得点のチャンスが増える。後攻で勝ってると9回裏の攻撃がないし、サヨナラ勝ちしても1点差勝ちだからウマ味がないとか。
当日のスケジュールは、胴元のハンデ師がハンデを切り、中継っていう各グループのまとめ役が客に伝えるのがナイターなら午後1時、買いの締切が午後5時。
胴元のシステムはいろいろだけど、勝った人間から10%のテラ銭抜くほか、すべての客から年間の買いの1%を受け取るとか(客は不利)。
ハンデが重要で、西武対ロッテで西武から0.8点のハンデとなると、1対0で西武が勝ったら1.0対0.8で、西武に賭けた客は賭け金の2割からテラ銭1割が引かれたぶんが儲け(1万円張ったら、2千円の1割引き1800円の収入)。2点差以上つくと、小数点以下が切り捨てられ、丸々1万円(テラ銭抜きだと9千円)の儲け。ロッテに張ったら、1点差なら2千円負け、2点差以上なら賭け金すべて失う。
などなど。

ちなみに、前にとりあげた麻雀マンガ「3/4よんぶんのさん」では、野球賭博にのめり込んで裏社会の組織とトラブルになった社長が、最後の手段として一発勝負のばくちとして、25億を賭けて麻雀(半荘四回!)を打つというストーリーなんだけど。
そこで出てくる野球賭博について、作中で解説されている内容は以下のとおり。
たとえば、高校野球のA対Bで、Bに5.2のハンデがつけられている。仮にAが5対0で勝っても、5対5.2でBの0.2勝ち。
Bに10万張っていれば、張った金の10万に2万を加算し、5%のテラをとられて11万4千円。(電話連絡だけのカラ張りだから、手に入るのは1万4千円)
ハンデの5.2ってすごいハンデなんだけど、実力差が大きくてAが確実に6点前後の差をつけて勝つはずだから、残りの0.2が勝負の分かれ目と客は読む。
「Bが取っても1点か良くて2点、Aは8点は取るだろうから、最悪でも8対7.2でAの0.8勝ち。10万張って18万、5%テラ取りの手取り7万1千円。うまくいって完封でもすれば、8対5.2の手取り16万6千円。」ってのが予想例。
マンガの登場人物は、こんな話をきいて、これに酒の席の勢いで、Bに30万張る。
大番狂わせで、Bが4対1で金星をあげると、30万張って9.2対1、246万から5%のテラとカラ張りの30万を引いて203万7千円の現金がその日のうちに入った。
で、その200万を、失っても元々なかったカネだからって、惜しげもなくプロ野球に賭けるんだが、当時の巨人大洋戦で江川対欠端で大洋に2.6のハンデがついている。で、大洋(しかし古いね)から張ってみたところ、両投手乱調で…
という話。
ということで、強引に、きのうの江川投手に結びついてしまいました。すいません。
コメント
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