かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

HANIWA展&ハニワと土偶の近代展&ビートルズ:10のエレメンツ 90年代

2024年10月18日 | The Beatles


今日は、天気いまいちながら、文化活動3連発。
まずは、開幕したばかりのハニワ展。
挂甲の武人 国宝指定50周年を記念した展覧会だったが、すばらしかった。
有名な埴輪総出展で、中には、シアトルから里帰りした埴輪もある。

歴史的な価値もさることながら、その造形が、素朴で、かわいらしく、若い見学者も多い。
グッズに、すみっこぐらしとのコラボ商品なども。



最初に迎えてくれるのが、これ。
熊谷市の古墳から出土したもの。
北関東から出土した埴輪も目立った。



数よりも、質とバリュエーションにこだわった展示。
これは、住居の埴輪だが、子持家型埴輪と呼ばれ、唯一のでデザイン。
しかも中央の住居は、竪穴式とのこと。



目玉の一つである挂甲の武人。
今回、シアトルにあるものも含めて、5体勢ぞろい。
再建部分も多く、1体から2体の埴輪が再建されたのではないかと疑われるケースもあるとのことだが。
映画大魔神のモデルになった埴輪でもある。



5体並んだ展示室は、壮観だ。



一部色が残っている埴輪があり、再現すると、こんな感じになるそうだ。



実際、彩色された埴輪も。
杯を捧げている。
当時の風俗がわかる貴重なもの。



明治天皇の御陵に収められた埴輪の模型。
明治天皇をお守りしている。

すばらしい展示だったので、古代に興味のある方は、是非訪れてみて欲しい。



そして、国立近代美術館で開催されているハニワと土偶の近代展へ。
埴輪・土偶が、近代の社会、芸術にどう影響を与えたかを、様々な分野、方向から総合的に展示したもので、極めてユニークなものだった。
そもそも、この国立近代美術館の地からも、土器が発掘されていたところから展示は始まる。
考古か好古か。
元は、芸術とは考えられておらず、考古学の対象だったが、明治維新により、神を中心にした政治に復古する中で、土偶・埴輪は、神代の時代のもので、戦争利用されるに至った。
これは全然知らなくてびっくり。

戦後、美術として取り上げられるようになり、そこから、イサム・ノグチ、岡本太郎などの芸術家が、土偶・埴輪の影響を受けた作品を発表するようになる。
太陽の塔などもその好例だ。

アニメにもよく取り上げられ、NHKで放送されたはに丸もヒットキャラクター。



身近なところでは、大魔神。
円谷プロの傑作シリーズだ。



影響を受けたこけしも。
埴輪が発掘された群馬県の工人が作った。

この展覧会は、好みが分かれると思うが、私は、ひじょうに興味深かった。



そして、夜は、ビートルズ:10のエレメンツ。
今回は、”1990年代。『アンソロジー・シリーズ』~3人で集まってみました!”というお題。
ますます面白みが増して来た。
というのも、このような切り口で、解散後ずいぶん経ったビートルズを掘り下げる機会などほとんどなかったから。

まずは、ニック・ドレイクさんの私の試練という曲から。
これを、1990年代初頭、ポールはコンサートで取り上げたという。
これは、ジョンが政治的な歌で、平和運動を推進したが、その役割をポールが引き継いだという見方もできるという。
肩の上にジョンが乗っかってきた感じ。
そして、これがアンソロジープロジェクトの伏線になったのではないかという。

一方、ジョージは、クラプトンとの日本公演。
これは、クラプトンがジョージをステージ活動に復帰させるためお膳立てをしたと考えられているが、結局ワールドツアーにはつながらず、日本公演単発になった。
ジョージが、クラプトンのバンドにあまり気を配らず、クラプトンとの関係が悪化したのが、原因ではなかったかという。
ライブアルバムでも、クラプトンの曲は、全曲カットされている。

リンゴは、TIME TAKES TIMEで、復活。
ポールは、最小限のオーバーダブで、Off The Ground を発表。

YOKOは、広島への原爆投下50周年に、広島の空は、青いよを発表。
と言っても、式典のプログラムについていたCDのみに収録されていて、ほとんど知られていない。
セミナー会場で流されたが、YOKOらしい、音楽としては、難解?な歌だ。
お経か朗読か呻きか?
一方で、Risingでは、Good Bye My Love など、親しみやすい歌も発表している。

そして、アンソロジー・プロジェクト。
驚きを持って迎えられたが、1980年代から、ニール・アスピノールとジョージが、計画を温めていたものだという。
ポールとYOKOの仲が雪解けに向かい、実現することになった。
CD、テレビ番組(後にDVDで完全版が発表になる)、本がセット。
ビートルズ側の視点で、ビートルズの歴史を残そうというプロジェクト。

私もこの時期は、日本にいて、プロジェクトを追っかけることができた。
ビデオは、アメリカに出張した時に買った。
本は、シンガポール赴任後に出たので、シンガポールで買った。

カーニバル・オヴ・ライトというが収録されなかったのは、ジョージが却下したからではないかとのこと。
本曲は、レイブ・パーティで、流すために作られた曲で、実際流されたこともあったという。
ビートルズ時代の音源で唯一の未発表曲を言えるかもしれないとのこと。
Noe And Then も同様に、ジョージに却下されたと考えられるが、さらにリミックスされ、やっと昨年リリースされた。

ポールのフレミング・パイが発表になったのもこの時期だが、アンソロジーの発表で、リリースが遅らされたのは、Let It BeとMcCartneyとの関係を彷彿とさせる。
ジョージが主導したプロジェクトで、ポールが追随した。

イエローサブマリンのリミックス版が発表されたのもこの時期だが、Let It Be Naked、Beatles 1のようなリマスター版、Love のような作り直し盤など様々な企画が始まるのもこの時期だが、アップル社の市場調査的な目的もあったのではないか。
実際以降、同じようなプロジェクトが、他のアーティストでも試みられるようになった。

ということで、私が、再びビートルズを聞くようになった90年代の動きを見事に俯瞰してくれた。

次回は、いよいよ21世紀。
ますます楽しみ。
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セッションマン

2024年10月15日 | The Beatles


今日は、日中ミニ引っ越しも含め雑務。
夜は映画。
東京では、もっと早く封切りされていたセッションマン。
横浜では、この週末が封切り。
伊勢佐木町のこのモニュメントは、気付かなかった。
従来あったものの、再現とのこと。



このモニュメントは前からあったが、看板は、新しい?



久し振りのジャック・アンド・ベティ。
昔ながらの映画館の匂いがプンプン。



そして見たのは、セッションマン。
ニッキーホプキンズの名前は、知っていたが、その生涯、業績はあまり知らなかった。
本映画は、それらを、関係者の証言を中心に掘り起こしていく。
ストーンズを中心とした証言、当時の映像などを通して、ニッキーの凄さが浮き彫りになっている。



彼が貢献したアルバムの展示。
60年代から70年代の、ロックアルバムを中心とした貢献は、すばらしい。
やはり、ロックというと、ギター+リズムセクションで、キーボードが入る余地が少なかったが、ニッキーが、クラシックがベースだったものの、様々なジャンルの音楽に溶け込み、人気キーボード奏者となった。
その呼ばれ方は、只者ではなく、唯一無二という感じだったようだ。
ビートルズ、解散後の4人、ストーンズはもちろんだが、意外なミュージシャンも多く出演する。
当事者が直接登場するのが貴重。

若い頃からクローン病で苦しんで、早逝したが、もっと長生きできればと思わずには、いられない。
個性的なメロディを、天才的に生み出した。
60年代から70年代のロックに興味のある方は、必見?
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ビートルズをデザインする

2024年10月09日 | The Beatles


今日は、冷たい雨。
日中雑務で、夜は、南青山MANDALAでのトークイベント。



藤本さんが主催で、以前紹介させていただいたビートルズをデザインするの著者の松田行正さんと、音楽プロデューサーの森川欣信さんがゲスト。
なかなか充実のトークイベントだった。
ジョンの84歳の誕生日に合わせた企画?



お二人とも武道館に行っているそうで、松田さんは、ライオン歯磨きルートで、2枚、森川さんは、200枚往復葉書を出し、4枚当たったという。
ただ、森川さんは、まだ中学生で、チケットは1枚しか買わなかったという。
今から考えるともったいない話。
一番上のほうの席だったが、よく聞こえたそうだ。
チャボもいっしょのステージを見ていたことは、後から知った。
公演後すぐ帰ってテレビを見たが、演奏は、ゆるいと感じたそう。
エドサリバンショーも放送されていたそうで、それもゆるいと感じたとのこと。

一方、松田さんは、あまり覚えていないそうだが、ハードな曲中心に聞いていたので、イエスタデイなど、イマイチと感じていたという。
ちなみに、浜松から、新幹線に乗ったのは初めてで、銀座で、丸首のワイシャツを土産に買ったとのこと。
最初にコンサートに行ったのは、ビーチボーイズが、浜松に来た時で、客が全く入らず、後ろの方の席だったが、かぶりつきで見れたとのこと。

その他、当時の空気とか、どのようにビートルズを知ったかなど、当事者ならではの話がたくさん聞けた。
客もたくさん入っていたが、武道館に行った人は、1人だけで、希少価値?

森川さんが初めて買ったアルバムは、フォーセールで、そのジャケット写真を見て、本当に髪が長いと知ったという。
それほど情報は、不足していた。
ハードデイズナイトを見に行ったら、カップリングご、踊れサーフィンという映画で、呆れつつ、ハードデイズナイトは、2回見たという。
確かに、昔は、何回でも見れたっけ。
 


後半は、ビートルズのアルバム、アルバムジャケットの話で、かなりマニアック。
例えば、HELP!の手旗信号をそのままジャケットにするとこんな感じで、様にならない。
アビーロードも、他の写真を使うとグダグダだ。
ロバートフリーマンが、リボルバーから、降りたのは、ジョンが、フリーマンの奥さんに手を出したからと言われているが、その代わりに、ジョンはクラウスに声をかけて、素晴らしいジャケットになった。
ジャズアルバムのジャケットは、当時から素晴らしいデザインのものが多かったが、ポップミュージックのアルバムジャケットは、メインシンガーの顔写真を単純に使ったものがほとんどで、芸術性を高めたのが、ビートルズ。
他のアーティストが追随してきたら、ホワイトアルバムで、煙に巻いたり。

フォントも手づくり感満載で、逆に味があった?

NOW & THENジャケットについては、みな否定的。
有名ポップアーティストに頼んでしまうと、いくらポールといえども、NOと言えなかったのでは説。
その代わり、ジョージの時計を入れた?
松田さんの本でも、2刷以降は、インサートが付いたとのことだが、そのために買い直しまでは。



森本さんも、いろんなプロジェクトに巻き込まれていて、これは、犬の鳴き声で作った抱きしめたい(噛みつきたい)。
パロディジャケットの話の中で、出て来た。
クォリーメンの来日時に、CDを作ろうと持ちかけたところ、リパプールでならという事で、わざわざ行って作った話なども、びっくりだ。
クォリーメンは、ビートルズデビュー後、本当に4人とは会ってないそうだ。
藤本さんのビートルズ関連ニュースとしては、ラバーソウルリマスター盤、ポール来年来日説など。
リンゴがちょっと心配だが、また忙しい一年になりそうだ。
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One Hand Clapping & Gordon Goodwin's BIG PHAT BAND

2024年10月04日 | The Beatles


今日は、午前中雑務をこなした後、午後は、音楽ダブルヘッダー。
まずは、先日、ATMOSで見た、Paul McCartney & Wings のOne Hand Clapping の一般公開版。
今回は、ATMOSではないのだが、違いは、わからなかった。
元々、単なるステレオだから、ATMOSにしても、あまり違いは、出せなかったということだろう。
グッズも、既発本と、ワッペン、靴下ぐらいで、手を出さず。

Tower Recordで、Paul の再発CDを買うと、ミニポスターをくれるというので、1枚付き合い買いした。
映画の方は、もちろん全く一緒なのだが、改めて見るとよくはできている。
スタジオライブ、オーケストラを入れたライブ、ピアノ弾き語り、ギター弾き語りと、バランスよく編集されていて、当時のメンバーのインタビューの声が邪魔にならない程度に配されている。
特別料金で、かなり高いが。



夜は、初めてのGordon Goodwin's BIG PHAT BAND。
PHATというと太ったという意味になるが、調べたら、スラングで、イカしたという意味になるそうだ。
まさに、イカしたバンドだった。



編成は、今までのJazz BIg Bandだが、編曲が明るくて、まさに西海岸を思わせる。
ほとんどが、Goodwinさんの曲だが、ガーシュインや、デビッド・フォスターの曲を編曲した曲も。



席は、ど真ん中の最前列。
申し訳ない?
ドラムの真正面で、バンマス?のサックス奏者の斜め前。
GoodwinさんのMCや、ボーカリスト登場の時は、真正面の至近距離。
初期の曲から未発表曲まで、バンドの歴史を振り返るような、セットリスト。
各メンバーのソロパートもたくさんあり。
こんな素晴らしい演奏が、日本で間近に見れるとは。
アンコールは、The Jazz Policeで締めた。
最高だった。

メンバーは以下。

Gordon Goodwin(leader,p,sax)
ゴードン・グッドウィン(リーダー、ピアノ、サックス)
Vangie Gunn(vo)
ヴァンジー・ガン(ヴォーカル)
Andy Waddell(g)
アンディ・ワデル(ギター)
Kevin Axt(b)
ケヴィン・アクスト(ベース)
Ray Brinker(ds)
レイ・ブリンカー(ドラムス)
Joey De Leon(per)
ジョーイ・デ・レオン(パーカッション)
Eric Marienthal(sax)
エリック・マリエンサル(サックス)
Aníbal Seminario(sax)
アニバル・セミナリオ(サックス)
Brian Scanlon(sax)
ブライアン・スキャンロン(サックス)
Alex Hahn(sax)
アレックス・ハーン(サックス)
Timothy McKay(sax)
ティモシー・マッケイ(サックス)
Wayne Bergeron(tp)
ウェイン・バージェロン(トランペット)
Dan Fornero(tp)
ダン・フォルネロ(トランペット)
Aaron Janik(tp)
アーロン・ヤニク(トランペット)
Ryan DeWeese(tp)
ライアン・ディウィーズ(トランペット)
Andy Martin(tb)
アンディ・マーティン(トロンボーン)
Ryan Dragon(tb)
ライアン・ドラゴン(トロンボーン)
Dave Ryan(tb)
デイヴ・ライアン(トロンボーン)
Ben Devitt(tb)
ベン・デヴィット(トロンボーン)
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One Hand Clapping

2024年09月26日 | The Beatles


今日は、昼は庭仕事で、夜は、久しぶりに映画を見に日比谷。
映画の聖地?



One Hand Clapping。
CDは、出ていたが、映画は、今日が、世界公開日。
ここでは、今日は、1回の上映なので、sold out。
恐るべし。



初めての、Dolby Atmos。
元々、1974年の音なので、効果は、限られたが、四方八方から音が、聞こえて来る。
この設備を持っている会場も限られるだろう。
私が、高校に入った頃で、一番聞いていた時期になるが、こんなプロジェクトが進行していたなど、知る由もない。
10月から、通常公開されるが、普通の音響になる。



Band Oe The Runで大成功を納めたポールが次作を製作すると同時に、Wings のツアーを計画している時期。
メンバー交代のハプニングは、続いたが(ドラマーは、次作製作途中で、交代、ギタリストの1人は、数年後、ドラッグで亡くなる)、Wings が、ピークに向かっていた時期と言える。
撮影は、4日間に渡って行われ、Wingsの旧曲から、新曲、未発表曲、オールディーズなど、歌いまくる。
バンド編成もあるし、一人での、ギター弾き語り、ピアノ弾き語り、オーケストラを入れての演奏など、やりたい放題。
最初と最後に、今のポールが出てくるが、本当に楽しかったと回想している。
ビートルズ解散後、試行錯誤を続けてきたポールが、方向感を定めることができた時期。
ビートルズ時代のように、回りに気を使う必要もないし、リンダともうまく行ってるし、大元気。

アビーロードスタジオでの撮影だが、コンセプトは、Let It Beに似ている。
ただし、カメラワークは、ちょっと変。
故意にシュールにしているものと思われる。
最後は、スタジオを出て、アビーロードスタジオの裏庭での、ギター弾き語りだが、オールディーズが中心。
今まで、数えきれないほど演奏してきたことが、わかる。

メンバーの語りが、途中インサートされ、ポールは、小さい頃は、キャバレーで歌うことをイメージしていたと、語る。
ところが、ロックに出会い、全く違う方向に向かうことになった。
ただ、キャバレー向きの曲も楽しそうに、ピアノの弾き語りで聞かせてくれる。

とにかくみな若い。
不幸にして、ギタリスト2人と、リンダは、この世にいない。
ドラッグの影響も無視できない。
そして、ポールの声が、まだビートルズ時代と変わらないほど若い!

ビートルズファンは、必見の映画だろう。



終了後、藤本さんと、和田唱さんの対談。
放映中は、近くで一緒にご覧になっていた。
和田さんは、この映画の海賊版をとっくに見ていたそうで(取り上げるシーンがかなり異なるらしい)その演奏をコピーしていたという。
高校時代のオリーブという雑誌では、ウィングス時代のポールが一番好きと答えていたそうだ。
90年代半ばのオアシス全盛のころだから、本当に好きだったのだろう。

この時間に、後に大ヒットになる曲の多くもすでに作られたいたということで、ビートルズ以降のポールの全盛期の映像と言っても過言ではないだろう。

素晴らしいイベントだった。



帰りは、地下のベトナム料理屋で。
久しぶりに333を飲んだが、高い以外は、ベトナムと一緒。
あたり前だが。
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