これは、不思議な像だ。マトゥラーの2世紀頃の像という。マトゥラーと言えば、ガンダーラとともに、仏像の発生地と考えられているが、その時期とほぼ合致する。
しかし、宗教的な意味はなく、酔っ払った遊女を、回りの者が助けようとしている図だろう。官能的な遊女は言うまでもなく、回りの人々との組み合わせも面白い。
このような芸術性の高い職人がいた中で、仏像が生まれたのだろう。
しかし、何故このような像が造られたかは、不明。芸術のための芸術が当時からあったのか?
ガンダーラのヘレニズムの影響を受けた仏像とは違ったタイプの仏像が、ほぼ同時期にマトゥラーで生まれたのは興味深い。
これは、観音様か。腕が4本あるようだ。
これは、仏像を彫り込んだ、柱。カンボジアでもこの手のものが発掘されたと記憶する。千仏石柱と呼ばれていたかな?
これは、リグ・ヴェーダの神。日本では、閻魔(ヤマ)大王になるが、イメージがかなり違う。ただ、この姿勢は、仏像にも見られる姿勢で、ヒンドゥ教の神々の像と仏像が混然としている状況がうかがわれる。
これは、シヴァ神とその妻ウマー(パールヴァティ)だろう。ナンディ(牛)姿も見える。何かを踏みつけているが、日本の仏像に見る天邪鬼に当たるものだろう。
これは、ジャイナ教の祖師の一人であるネミナータと思われる。仏教と極めて似ている宗教なのだが、もっと戒律は、厳しい。