かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

誤解だらけの日本美術

2015年09月26日 | Books
昨日の、Jeff Beckのライブは最高だった。
今日、昨年のライブを収めたBDと、CDを視聴したが、まさにその世界を、至近距離で、全力投球してくれた。

今日は、一転ゴルフだったが、集中力欠如で、惨憺たる結果。
明日もあるので、困った。



本書は、本屋で見つけた。
ぱらぱらめくって即ゲット。

著者の小林氏は、会社の仕事で、様々なデジタル複製をされていて、それが本業になった方という。
新薬師寺の婆娑羅の極彩色の再現には、びっくりしたが、本書は、それが、例外ではなく、日本の他の国宝にも適用できることを、説明した本だ。

風神雷神図屏風、キトラ古墳、銀閣寺、阿修羅像をテーマにして、持論を展開されるが、自ら、製作者側の目で、デジタル修復に取り組まれただけあって、説得力大。
国宝のデジタル再現を任されたほどの腕の持ち主だ。

本書を呼んで、国宝群のデジタル化がいかにアナログであるかを思い知ったが、とにかくその結果には脱帽するし、その証拠は、普段我々が見ることのできない小さな部分にある。

小林氏はその職業柄、著名な国宝の、デジタルによる復元に取り組んだ訳だが、その過程で、今の日本国民が持つ、わびさびの世界とはまったくことなる考え方が主流であったことを、図らずも発見してしまったのだ。

キトラ古墳の話しは、前にも少し聞いたことがあったが、その他3つの話しは、初耳で、かつ、非常に興味深い。
銀閣寺を黒の漆塗りにしたら、みなどう思うか?
でもそれは、不都合な真実だったらしい。
阿修羅も、ど派手なサーフパンツを履いていたし、前の日本の手は、合掌していなかった。

古美術の保存は、難しいが、本書を読むと、それをやるためには、デジタルと、アナログの協働を勧めることが、最短コースである気がする。

国宝ファンに、幅広くお勧めできる。

コメント
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