本シリーズの最終巻。
なかなかこのサイズで西洋絵画の歴史を網羅するのは、困難だが、そのほんのど真ん中を、本シリーズは説明してくれたような気がする。
日本では、印象派の人気が高いと思うが、それは、偶然ではなく、見る機会が多かったという事情が大きかったように、本シリーズを見ると思う。
バロック、ロココを経て、西洋絵画は、多様性を持つ。本流がどこかもわからない。
音楽界で、ビートルズが出てきた頃と似ているかもしれない。
画家側からの進歩と、技術の進歩が、この傾向に輪をかけた。
本書で取り上げられている作品・作者には、よく知っている人が多いが、それ以前の絵に比べ見る機会が多いことと、日本画(浮世絵)からの影響が感じられることが多いと思う。
特に北斎がすごいか。
先日初めて見たゲルニカや、シカゴ駐在時代に何度も見た、グランド・ジャット島の日曜日の午後など、嬉しい絵もたくさん掲載。
モンドリアンの絵も強烈。
絵の世界をまず知りたいという人は、本3巻からスタートするのもいいかもしれない。