かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

渋沢栄一

2021年10月01日 | Books

今日は、朝から雨。
台風だから、しゃーない。



本書は、本屋に並んでいるのは知っていたのだが、澁澤関連本が星の数ほどあって、スルーしていた。
ところが、著者が知り合いのゼミの先輩が著者ということをお聞きしたので、読んでみたら、すばらしい本だった。

まさに、澁澤栄一の業績の全てを、いいバランスで、新書にまとめてある。
後書きによると、本書は、著者の博士論文を新書版に要約したものという。
要約した割には、かなりのボリュームで、万遍なく偉業に触れた上で、ポイントを見事についており、澁澤栄一の偉業が具体的にどういう意味があったのか、読者に伝わるように書かれている。

偉業だけではなく、その間違い、また間違いではなかったにしても、成就できなかったことについても、客観的に評価しており、単なる事実の羅列本とも一線を画している。

特に、澁澤亡きあと、日本は、第二次世界大戦に突き進んでしまうのだが、その気配が漂う中、政治との距離を置いた澁澤の限界にも触れられる。
正しいことをしていても、また良き理解者が大勢いても、為政者が意に介さずということであれば、世の中間違った方向に進んでいってしまう。

首相が代わるが、まともな判断に基づいた政治を期待したい。
もちろん、企業にも、まともな判断が必要だが、企業の場合、まともな判断に基づかなかった場合、結果にでるからわかりやすい。
今の日本の政治の場合、間違えても、代替が効かないから、今の人達に頑張ってもらうしかない。
アメリカのような、二党が競い合う体制になれば、緊張感も高まると思うのだが。

澁澤を知りたい人に、1冊と聞かれたら、本書を勧めるかもしれない。

コメント
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