かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

古事記の世界

2016年05月26日 | Books


本書は、風土記の世界を読み、その存在を知り、ゲットした名著。
1967年初版で、なんと37刷。
50年近く、読み継がれてきたことになる。

内容を読むと、まず驚くのは、著者の確信度の高さだ。

古事記については、いろいろな読み方があるのだが、著者が読み切った内容を、確信をもって披瀝している。

当時、まだ出雲地域での発掘は進んでいなかったが、東の大和に対する西の出雲、生の大和に対する死の出雲という考え方で、組み立てられた物語と解釈し、その実在性には、あまり触れていない。

古事記の中の逸話については、いろんなアジアやヨーロッパの伝説とのつながりが指摘されるが、あまりそれにとらわれるのは、議論を誤った方に導くとして、古事記内の意味不明な点の解明に重点を置く。
そして、古事記の最初の本格的に解析を行った本居宣長の説にかなり共感を示しつつ、誤りと思われることは断罪する。特に、明治維新後の、政治に絡んだ諸説の変節には手厳しい。
この記し方が、力強く読者の心に響く。

古事記に興味のある方なら、まずは、目を通しておくべき書と感じた。
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風土記の世界

2016年05月25日 | Books


本書は、古事記について多くの書がある三浦さんの新作。

記紀と同時期(はっきりしないが)に作られた、各地方の言い伝えをつづった風土記について著した新書だ。

いろいろ引用はされるが、風土記を中心にした書は少ない。
そういった意味では、目新しい観点からの書になっていて、おもしろかった。

残っている風土記は少ないが、有名なのは、出雲国の風土記。
特に、大国主命の扱い方の違いに注目する。
出雲から見た大国主は、まさにトップ。
古事記に遺されなかった様々な逸話もある。
日本海側でも、新発見が続く中、古代史の大幅な見直しが、求められている

常陸の国の風土記も面白い。
行方は、たまたま縁あり、よく行くのだが、奈良から遠いと思われる常陸の国で、日本武尊が、記紀と違った形で、記されていることも、決して偶然ではないだろう。
日本武尊は、天皇扱いされるが、記紀では、天皇になっていない。

播磨国風土記では、その歌に注目する。

中央の命で作られたはずの風土記だが、どこまで、中央の意思がはいっていたかわからない。
いや、結構、勝手に作ったのではと思わせる部分もあり、地方の時代を標ぼうする現政権には、クローズアップしてもいい書ではないのか。

当時から豊かな地方が存在していて、その後も地方自治は、存在し続けた。

後書きに、本書は、名著古事記の世界に対する書として書き上げたという。
よりバリエーションがある風土記について、新書で、すべて語るのは難しいが、中央の記紀に対し、どのような地方の書が、当時記されたかということを知るだけでも価値のある書だと思う。

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アジア巨大遺跡

2016年05月24日 | TV Program


NHKでの4回シリーズをテーマにした本。
双子を出産した杏さんが、ナビゲーターで、ご覧になった方も多いかもしれない。

兵馬俑、バガン、縄文、アンコールがテーマだが、一番興味あったのは、バガンかもしれない。
これまで、鎖国同様の状態だったため、このような番組に取り上げられることが少なかった。
そういう意味で、目新しさが、あったのではと思う。

宗教の、人生における重要性もたぶん一番かと思う。番組では、その辺のミャンマーの人々の考え方にも踏み込んでいた。
仏教を信じ、功徳を積むことが、人生において大きな意味を占める。

兵馬俑の番組は、たまたま兵馬俑展をやっているので、その展覧会を見た人は、やや既視感あり?

縄文文化の三内丸山遺跡は、一度訪れたい遺跡。今までの縄文文化のイメージを360度ひっくり返したし。

アンコールについては、何度か訪れたし、勉強もしたので、新味は少ないが、仏教とヒンドゥ教の混じり方には、新たな発見もあり、興味がわいた。

巻末に巨大遺跡のリストがついているが、治安の関係から、行きにくいところも含まれていることが残念。
行ける時に行かなければと思った次第。

映像の方は、本当に美しく、永久保存版にふさわしい、充実したプログラムだった。
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「ウルトラQ」の誕生

2016年05月23日 | TV Program


我々の時世代は、小1の時にウルトラQが始まった世代。
小2の時にウルトラマン、小3の時にウルトラセブンと、まさにど真ん中。

本書は、その一番始めのウルトラQが始まった時のどたばたを、関係者の証言を元に再構築した本だ。

その時の歴史を通しで見た人がいない中、また、故人も多い中、現時点では最高レベルの史実を集約した本と言えるのではないか。

とにかく、すべてが初めての中で、番組のコンセプトも、あっちに行ったり、こっちに行ったり。
ボツになった脚本多数だが、未完となった作品の脚本が、本書では再現されている。
怪獣路線にしようという方向感が固まって来たのは、後半で、その時、お蔵入りになったアイデアは、その後の番組で、実現されたものもある。

ウルトラQの名前は、東京オリンピックの体操で使用されたウルトラCから発想を得た話は有名。

著者は、私より、年下だが、本書をまとめられたことに拍手。タイミング的には、もうぎりぎりだったろう。

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ブータン展

2016年05月22日 | India・Sri Lanka・Nepal・Bhutan・Uzbekistan

今日は、ゴルフ。
いい天気だったが、いいところなかった。
困った。



昨日は、星加さんのトークイベントの前に、上野東京の森美術館で、まさに、昨日から始まったブータン展に行った。
ブータンは、あまり馴染みがない国だが、ヒマラヤの麓にある九州ぐらいの小国だ。
国交30周年に合わせた、初のブータンをテーマにした特別展と言ってもいいだろう。

この展覧会に合わせて、国王夫妻も来日している。



一階は、ほとんど撮影可能。
これは、お祭りの時に使うお面。
密教系だ。



展示されている布、着物も美しい。
行った時にも、お土産でまともなものは、織物ぐらいだった。



これも上ったタクツァン寺院。
この素晴らしさは、行った人でないとわからない。



マニ車体験や、民族衣装を着て記念撮影ができるコーナーもある。

ブータンを有名にしたのは、前国王が提唱したGNH (Gross National Happiness) のコンセプトだろう。
けっして豊かな国ではないが、国民のほとんどが、今の暮らしに満足している。
本展では、単にブータンの文化を紹介するのではなく、その精神をわかりやすく紹介している。

友人と会うこと、子供の笑顔を見ること、布を織ること、当たり前のことが、GNHの源になっていることがわかる。
そして、祈り。
ブータンは、世界で唯一、仏教を国教にしている国で、祈ることが、生活の中で、重要な位置を占めている。

まだ始まったばかりだが、満員札止めの若冲展のようなことはないので、安心して訪れられる。



いい天気で、西郷どんも気持ちよさそう。



その足で、表参道のザ・セッションズ・カフェにも行った。
来日50周年の企画が続くが、これは、カフェZipZapとのコラボ企画。



The Beatlesの曲名にちなんだ、メニュー、来日時の、写真展、ザ・セッションズのロンドン公演の放映が、目玉だが、それ抜きでも、ゆったりしたひと時を、過ごすことができる。
それにしても、この辺に洒落た店が、多いのには、いつも驚かされる。
ちなみに、コーヒーは、濃いめの"Yesterday"を、いただいた。
コースター、ドリップコーヒーのお土産付き。
ポールのTシャツ着用のこてこてのファンも来店していた。

ということで、ゆったりした休日の午後を過ごすことが、できた。

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