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米国でも大切にしたい会社

2016-11-18 22:36:30 | 16期生のブログリレー

16期田代です。

坂本光司先生の「日本でいちばん大切にしたい会社」に出てくるような会社とはちょっと異なりますが、従業員の満足度・幸福感を追求し、その結果、顧客や取引先・関係者が幸せとなる経営を行っている会社が米国にありますのでご紹介します。

 

2009年アマゾンに12億ドルの評価額で買収されたザッポス・ドットコム。

靴や衣料をオンラインで販売しており、2015年の売上は3,000億円へと成長を遂げました。

この会社が特徴的なのは、従業員のひとり一人が顧客に感動を与えるサービスを行うことが徹底されていることです。信じられないくらいの素晴らしいサービスを提供して顧客満足度を高め、既存顧客からのリピート受注が売上高の75%を占めています。

 

たとえば、ECで受注した商品の送料無料や返品時の送料を無料にするだけでなく、コールセンターへの一人の顧客からの電話応対に8時間かけたり、顧客が母へのプレゼントのために買った靴が、母が亡くなり返品となった時に、花束とメッセージを贈ることで顧客を驚かせたりしています。顧客から注文を受けた際に、自社に在庫がなければ、同じようなデザインの他社の商品を探して顧客に紹介します。

こうしたサービスは損得を考えると普通はできないことですが、ザッポスでは販促・広告宣伝費用をかけずに、こうした感動を生むカスタマーサービスに資金を投入し、顧客の感謝と賛辞が販売促進の役割を果たしているのです。

 

しかしどうして全従業員がそのようなサービスを提供することができるのでしょうか。

その理由は、従業員の個性を大切にし、創造性を発揮させること、自由な判断ができる裁量権を与えること、マニュアルがないこと、のようです。

人間はマニュアルで縛られ、自由な裁量権が与えられず、管理された環境では最低限の行動しか行わず、能力をすべて出し切ることができません。一方、ザッポスの経営は内発的動機づけを重視しており、自分で考え行動する裁量を与えられた満足度の高い従業員が全力を出して顧客満足を追求するからこそ、顧客の感動を呼ぶサービスを提供でき、業績の向上につなげているのだと思います。

そしてこの経営方針を成り立たせるために最も大切なことは、ザッポスの企業理念に共感し、体現できる人を採用し、そうでない人に退出してもらっていることでしょう。

 

ザッポスが企業理念として掲げる10個のコアバリュー

1.      サービスを通して「ワオ!」という驚きの体験を届ける

2.      変化を受け入れ、変化を推進する

3.      楽しさとちょっと変なものを創造する

4.      冒険好きで、創造的で、オープン・マインドであれ

5.      成長と学びを追求する

6.      コミュニケーションにより、オープンで誠実な人間関係を築く

7.      ポジティブなチームとファミリー精神を築く

8.      より少ないものからより多くの成果を

9.      情熱と強い意志を持て

10.   謙虚であれ

 

資源の限られた中小企業にとって、従業員のやる気を高める経営が、お金をかけずに業績向上につながる有効な手段であることは間違いありません。大企業も含め、とにかく効率化を求めがちな時代ではありますが、今一度立ち止まって従業員の満足度・幸福感を高めるためにできることは何かよく考えてみようと思います。

 

長文をお読みいただきありがとうございました。

 

コメント (4)
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