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19年危機!? IT技術者不足の理由とは

2018-03-10 23:29:10 | 17期生のブログリレー

17期生の井上です。

先日、新聞で「IT人材不足「19年危機」 新卒争奪戦が過熱 」という記事を読みました。
IT企業のみならず、ユニクロなどの非IT企業も、ITスキルを持つ学生の採用に力を入れているといった内容でした。

また、約580億円分の仮想通貨NEMが外部からの不正アクセスで流出したというニュースもありました。
原因の一つである、「ネットから隔離した環境で情報を保管していなかった」理由について、
「技術的な難しさと、それを行なうことができる人材が不足している」ことを挙げていました。

たしかに最近、IT技術への高まる需要に対し、IT技術者の人数が不足していることを身近に感じます。

私自身もIT関連の営業活動をしている中で、得意先からの依頼に応えられないことが増えてきました。
売上が欲しいため、社内外のIT技術者の確保に奔走しますが、
そもそも人材を確保できない、または技術がマッチしない、といったことが多く、
その結果、せっかくの依頼を辞退することが増えている状況です。

なぜIT技術者が不足しているのでしょうか。


経済産業省が2016年に発表した、国内IT人材の動向と将来推計に関する調査によると、
IT人材(IT企業と、ユーザー企業の情報システム部門に所属する人材の合計)は
2016年時点で91.9万人であり、17.1万人が不足していると推計されています。

人口減少に伴い、退職者が就職者を上回ることで19年から先は減少に転じる一方、
IT需要の拡大が見込まれるため、人材ギャップは悪化。
IT市場が高率で成長した場合、30年にはIT人材数が85.7万人なのに対し、
不足数は78.9万人に上ると予測されています。

特に、市場拡大が見込まれるセキュリティ分野の人材は、現時点で28.1万人に対し、13.2万人が不足、
また、人工知能などの先端分野は、9.7万人に対し、1.5万人が不足するなど
今後市場が成長するにつれて人材不足も深刻化すると指摘しています。


IT技術者不足の理由についてをもう少し整理すると、以下の5つがあげられます。

1.IT市場そのものの成長
ソーシャル、スマホゲームなどITを活用する事業分野が拡大している背景があります。
またIoTと呼ばれる家電、衣服、時計などの製品でも、IT技術と切り離せないものになってきました。
その結果、IT技術者を求める業界・会社・市場が大きく増えています。

 ※最近需要が増加傾向の技術分野
 ・IoT(Internet of Things)
 ・ビッグデータ解析
 ・AI(人工知能)
 ・クラウドコンピューティング
 ・VR(仮想現実)・AR(拡張現実)

2.既存のIT技術者の高齢化・定年

基幹システムを構築していた技術者が高齢化し、定年退職しています。
特に汎用機エンジニアの要員不足は顕著なようです。
若手はWebやゲームなどの制作に携わるエンジニアを目指す傾向にあり
基幹系システムエンジニアの職に就いている人材が減少している傾向にあります。

3.IT技術職の魅力の低下
IT技術職に対し、辛い・厳しいというネガティブなイメージが強く、
俗にいう3Kという印象が、IT技術職にはある様です。
「3K」の定義は様々ですが、「きつい」「厳しい」「帰れない」の3つのKだそうです。
確かにIT技術者は、納期短縮やコスト削減される中で、期日までに製品を仕上げなければいけませんし、
システムに障害が発生すれば、帰れないこともあります。

4.IT技術者の年収の低さ
経済産業省の調査では、平均年収が500万円との記載がありましたが、最近は増加傾向にあるようです。
しかしそれでも、日本のエンジニアの給料は、海外、特にアメリカのシリコンバレー等と比べ少ないようです。
激務の割に給料が安いと、エンジニア目指す人が減少していた背景があると思います。

5.IT技術の変化の速さ
昨今、IT業界では技術の変化・進化が激しく、技術を一つ習得したと思えば、
その技術が廃れていくという状況があります。
そのスピードはどんどん早まっており、人材のスキル習熟がそれに追いつけずに、
企業の需要と合致したスキル・技術者が不足してしまうという事が起こっているようです。


では、IT人材不足の解消を図るにはどうしたら良いのでしょうか。
最近では、以下の取り組みがあるようです。

1.エンジニアの待遇改善、
最近の大手インターネット企業・メガベンチャーと呼ばれるような会社では
新卒からエンジニアに1,000万近い給与・年収を提示する会社も増えてきました。
また、働き方改革などにより、残業の制限や、テレワークによる在宅での勤務など
多様な働き方ができるようになってきております。

2.発注側のシステム構築に対する理解
発注する側がシステムを理解しておらず、
厳しい納期や予算による発注、度重なる仕様の変更などにより、
エンジニアの3Kの状況に拍車をかけていました。
しかし、最近では、システムを発注する側も、ある程度システム構築についての知識が高まっており
無理な発注は行わないとする会社が増えているようです。

3.エンジニアの育成
IT業界の人材不足は、政府や産業界も危機感を抱いている状況です。
エンジニアの育成を行うため、大学での先端IT技術に関する教育カリキュラム実施のみならず、
早期からプログラミングを学ぶ機会を作るという取り組みにより、
2020年には小学校にプログラミング教育が導入されます。

最近では、Google、Facebook、Amazon、Apple、マイクロソフトなど
アメリカの大手IT企業が日本でも人気企業となってきたこともあり、
小さな子どもを持つ親が、自分の子供に上記企業に入ってもらいたいと夢を託し、
子供向けプログラミング教室に通わせる家庭が増えてきているようです。

4.外国人や女性・シニアIT人材の活用
中国やベトナムの開発会社や子会社に開発をアウトソーシングするオフショア開発などは以前よりありました。
一方、最近では不特定多数の人に業務を委託するクラウドソーシングなどの進展により、
海外のIT人材のみならず、女性やシニアIT人材の活用にも注目が集まっているようです。

 

大企業と比べ、中小企業のIT人材不足は今後も深刻化していくと思われます。
上記対策も有効かとは思いますが、私と同様、IT資格やスキルを持つ診断士の方々と共に
中小企業のIT活用支援などを行うことで、社会課題に貢献できればと思いました。

 

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娘の就活

2018-03-09 09:00:00 | 17期生のブログリレー

今月の1日より、来年就職予定者の就活説明会が解禁されています。

経団連に加盟する企業の会社説明会などの採用活動が1日に解禁となり、2019年卒業予定の大学生の就職活動が本格的に始まる。今年は大学3年生の夏からインターンシップ(就業体験)に参加するなど学生の動き出しが早まっている。より早く学生との接点を持つ企業が多い(31日、日経新聞朝刊より)。

我が家にも大学3年生の娘がいて、さぞや就職活動に飛び回っているだろう、と思いきや、ノンビリしたものです。あまり就活に身を入れているようには見受けられません。たまには親らしいことをしてみるか、と久々に親子ミーティングを開催しました(父娘で話すのは何年ぶりか・・・)。娘の主張は「やりたい仕事があるが、ニッチな領域なので、取り扱う企業も限られている」「あまり昇進とか給与とかに拘らず、自分のやり方を貫きたい」「自分に合う職場環境なら、ずっと働いていたい」などというものでした。ルノアールのココア並の甘さだな、と思いながら、「中小企業とか、創業したての企業に入って、会社を一緒に作るのはどうだ」と尋ねたところ「大企業以外は考えていない」との返事。何故大企業なのかについては、業務の多様性があり、自分がやりたい部署に行ける可能性がある、一方、中小企業は「まず、知らないし~~」、給料は関係ないと言いながら「給料安いし~~」とのことでした。「でも、日本企業の企業数の99.7%は中小企業なんだよ。従業員数でも7割。むしろ中小企業に勤めることが普通です。」答えは「ふ~ん。」未だにブランドとかステイタスとかあるのでしょうか?

報道によれば2019年度採用は「売り手市場」、しかもオリンピック需要だけではなく、少子化が根本の原因であり、今後も売り手市場は続く予想、その中で学生の大企業を目指す傾向は強まり、中小企業においては必要な新入社員数の確保は困難な状態が続くと考えられています。娘との会話は、「売り手市場」の現実を目の当たりにしたことになります。

中小企業が「知らないし~」を解消するには「知る人ぞ知る」存在になること、「給料安いし~」対策には、「適正利益の確保」「独自商品の開発・販売」になるのでしょうか?娘との会話ではそれに加えて「社員を大切にしているか」が採用の鍵になるような気がしました。自分が大切にされていると感じられれば、気持ちよく働けます。また、会社の規模と「社員を大切にしているか」は関係のないことです。「働くこと」に対する自分の価値観をどこに置くかにもよりますが、「自分が会社に必要だと思われていること」は重要な要素です。これらを実践できる会社が採用も伸ばして行くと考えました。

最後に、我が娘に一言。「就職浪人は勘弁してくれ!」

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早く着手する

2018-03-07 21:08:11 | マスターコース説明会・見学会のご案内

皆さんこんにちは。講師の富岡です。

 

今日は特に17期生へのお願いです。

 

4月28日の第10回模擬プレゼンテーションの案内を

さきほどメーリングリストで流しました。

添付した案内文はすぐに目を通してください。

 

私がお願いしたいことは「早く着手する」ということ。

本番まで1か月以上あるわけですが、今から考え始めていただきたい

ということです。1日5分でもかまいません。

 

べつにこのことに限らないのですが、仕事は早く着手するほど良い結果が出る

と思っています。あれこれ良いアイデアが出てくるし、余裕を持って

確認や修正も出来ます。

 

皆さんのプレゼン、楽しみにしています。

 

富岡 淳

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デザインシンキングとロジカルシンキング

2018-03-07 10:00:00 | 17期生のブログリレー

17期 錦織です。先日参加してきたデザインシンキングのワークショップセミナーでの体験を踏まえ、ロジカルシンキングと比べながら、所感を述べたいと思います。

まず、参加したセミナーの主な、デザインシンキングの要件は、以下の3つでした。

①問題解決思考、②プロトタイピング(思考の可視化)③イノベーティブ

というもので、その要件を踏まえ、その思考力を鍛えるというものでした。

前半の3セッション(各15分)はプログラムされたテーマと切り口での思考トレーニング。後半3セッション(各15分)は、はランダムに選ばれるフリーテーマに対しての思考トレーニングをしていくもので、当日は、そのセッションにおいて、解決まではもとめず、とにかくアイデアを出しまくり、KJ法にて、整理していくということまでをやり、思考力をトレーニングする、というあまり普段参加しないタイプのセミナーでした。

前半は、マイナンバーとプライバシーについて、普及後に起こる問題、というものに対して、環境分析、解決策、波及する問題点、リーダーとなりうる企業などについて、複数名で共創していくというものでした。

これらを踏まえ、従来コンサルに必須なロジカルシンキングと比べてみたいと思います。

①問題解決思考

これは、デザインシンキングも、ロジカルシンキングも、同じ思考なのではないかと思います。ただし、個人的な解釈としては、違いがありまして、デザインシンキングは、結構本格的なものだと、エスノグラフィ的に被験者の日常を追跡し、行動、思考を記録して分解していきます。その中で、被験者が別段問題と思っていないことについても、細かく要素分解し、KJ法などで整理し、実感していなかった問題として仮説立てるというものがあります。
一方、私の解釈では、ロジカルシンキングには、そういった検証をもちいて、問題を整理、仮説化する、というまでの問題解決というのはしないのかな、と思っています。どちらかといえば、データ上見えてくる問題点を論理立てて行くというイメージでしょうか。

②プロトタイピング

ここは、ロジカルシンキングを実践する方、次第になるかと思いますが、ロジカルシンキングには、プロトタイピングする思想はないのではないかと思っています。あくまでも、論理的に成立し、データなどにより裏付けされれば、可視化したものを、プロジェクト中に、用意するなどはあまりないのではないかと思います。
一部業界などには、プロトタイプがそもそもないと、製品化できないということもあるかと思います。

一方、デザインシンキングは、とにかくプロトタイプを作ります。セミナーは、あくまでもアイデアを、他メンバーに理解してもらうための、ふせんのメモと説明を簡易的に「可視化」としましたが、本来、模型でも、ラフで書かれた操作画面の紙でも、何か素材を組み合わせた疑似的なものでも、とにかく、作って、それを使って、さらに検証する、ということをします。ここは、論理、データによる裏付けする点と、大きな違いではないかと思います。


③イノベーティブ
ロジカルシンキングでは、あまり飛躍的な発想は、論理性などから、しにくく、ロジカルに物事整理していくと、なかなかイノベーティブな物事は生まれにくいのではないでしょうか。また、複数名でブレインストーミングして、もととなるアイデアを出していくことはしますが、それも、あらためて論理的に整理していくと思います。開発でいえば、ウオーターフォール型です。

一方、デザインシンキングは、問題解決の際のKJ法を、解決策を検討する際にも用いていきます。また、プロトタイピングで見えてきた情報も、もちろん生かします。さらに共創することも、自分の持っていない情報・アイデアが、メンバーから出てきて、その連携が飛躍した発想へとつながります。ブレストと同じかもしれませんが、どちらかというと、共創→プロトタイプ→共創→プロトタイプ・・・とまわしていく点で、アジャイル型となります。

と、3つの点で、ロジカルシンキングと、デザインシンキングを比較してみましたが、別にどちらが優れているとかではなく、どちらも使えばよいのだと思います。診断士はどちらかというと、ロジカルシンキングで、可視化しやすい問題や課題をしっかり整理、順序立てて、物事の解決をしていくようなイメージなのですが、今後は、日常可視化されないような問題点も、人が発想しないような観点から見出し、それをプロトタイプと共創をしていくようなことをやりつつ、イノベーションを起こせるようになれればよいと感じました。継続的にやるのは、かなり時間、労力、お金も必要と思いますが。。。

今後もデザインシンキングは、しっかり取り入れていきたいと思います。

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最近話題の!?コンテンツマーケティング

2018-03-06 10:00:00 | 17期生のブログリレー

こんにちは。稼プロ!17期の瀧澤です。

「最近、SEOとか聞かなくなったよね」

先日、某出版社グループで働くWebディレクターの方と、しみじみそんな話になりました。
もちろん、SEO自体は今でも存在している重要な概念です。
ですが、Webの世界において、SEOや広告をメインにしたWebマーケティングの全盛期は過ぎ、今はコンテンツを重視したメディアづくり、いわゆるコンテンツマーケティングの時代が来たと感じています。
とても地味に、でも確かな手ごたえで。

コンテンツとは、日本語にすると「情報の中身」です。
ニュースやコラムなどの文章、画像や動画、イベントなんかもコンテンツの1つですね。
そして、コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって価値があり、有益で説得力が高いコンテンツを提供することで、関係性を強化し、購買を促進する手法を指します。
マーケティング用語でいうリードナーチャリング(Lead Nurturing:見込み客の育成、啓蒙)とすごく親和性が高いです。
購買の意思決定期間が長い、BtoB業界ともマッチします。

さて、本職はWebプランナー&ディレクターである瀧澤。
コンテンツマーケティングには日々関心を高く持っていますが、本日はコンテンツが充実しているWebサイトのうち、診断士にも馴染みの深そうな2社の取り組みをご紹介します。

▼サイボウズ式  サイボウズ株式会社(主な商材:グループウェア)
ワークスタイル、組織開発、人間関係など身近な話題を独自企画で展開。
オウンドメディアの代表格との呼び声も高く、学生の認知向上で採用にも好影響。
https://cybozushiki.cybozu.co.jp/

▼経営ハッカー  freee株式会社(主な商材:クラウド会計ソフト)
社長の個人ブログからスタートし、月間100万PV超え。
起業家を対象に、経営に役立つストック型コンテンツを毎日更新。
https://keiei.freee.co.jp/

「グループウェア」ではなく、「チームワーク」にフォーカスしたサイボウズ。
「経理」の効率化ではなく、「経営」の効率化を謡うfreee。
隣接した領域にテーマを広げながら、良質なコンテンツを提供しユーザーを確保する。
この2社の戦略ってとーっても似てるんですよね。

ただ、コンテンツマーケティングがごく最近の考え方かと言われると、そうでもない気がしています。
たとえば、住宅展示場でモデルハウスを作って公開すること、来ていただいたお客様一人ひとりに相談窓口など手厚いサポートを提供すること、それらも立派なコンテンツマーケティングです。
コンテンツマーケティング、と単語として明確化、キーワード化されただけで、実は昔からずっとずっとあった手法なのです。

個人的には、とてもいい時代を迎えたと思っています。
誰でも気軽に情報がアップできる反面、紙媒体などに比べて情報の質が低いと感じていたWebの世界。
中身を重視する流れは大いに歓迎です。
見込み客を育てたり、関係性を強化する必要があるので、根気やセンスは要りますが、そこは腕の見せ所。
意外と?地味にコツコツやるタイプの私には、合っていると思います。
副業の講師業と合わせて、コンテンツマーケティングもずっと関わっていきたい仕事の1つ。
全然違うようで、共通点がいっぱいあると思っていますが、それはまた別の機会にでも。

コメント (1)
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