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CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】自分とか、ないから。 教養としての東洋哲学

2025-04-14 21:04:53 | 読書感想文とか読み物レビウー
自分とか、ないから。 教養としての東洋哲学  著:しんめいP

だいぶ軽いノリの哲学入門書
いや入門ですらない個人解釈で東洋哲学をこう感じたから今生きてると
日記めいた本でありました
自己啓発書のさらにライト版みたいな感じであっという間に読めたのでした
あんまり見たことないんだがまとめサイトと呼ばれるのが
こんな感じじゃないかと思ったりしたのだった
特に意味があるとも思えない挿絵がいっぱいで、
かつ、それがフリー素材と生成AIで作っているというあたり
今っぽいのはこういうノリかと思うと同時に
本でこれを読まされるのわと、まさに、描かれていたフェイクに騙されているようにも
思ったりしたのである、本は高尚というかちゃんとしてほしいというフェイクにだ
そこに気づかせるため、わざと画像選んでいるところまで仕組まれてんだったら
大したもんだなとも思うが、それは詭弁とか詐術というやつじゃないかとも感じるのである

さて、扱っていたのは、仏陀、龍樹、老子、荘子、達磨大師、親鸞聖人、空海さんと
仏教をバックボーンにしながら、だんだんと新しくなってきていた
その流れの分岐点にいる人たちでありまして
このざっくりとした説明でも、なんとなくわかったようなそうでもないようなと
気分よく読ませてくれるのでよかったと思うのである

特に龍樹とか知らないと思いつつ読んだのだが、
「空」の提唱者というのは大変な功績だなと感心して読んだのだが
タイトルの通り「自分とか、ないから。」という感じから、仏陀の教えというか悟りが始まり
その解釈をめぐって、あれこれしていた仏教をいったん綺麗にして
次の大乗仏教へといざなうという仕事はすさまじいなとも思ったところ
また、こういう人たちを経て達磨さんとかが中国に渡り、
さらにそこから日本にきてだいぶカスタマイズされてしまったと
まぁそんなあたりで、密教のあたりとかは、確かに空海さんが適任ではあるが
空海さんが開いたわけでもないしなと思うが、
大きく流れていく仏教の根底思想みたいなのが
わかるような気分、いや、「すべてが一つ」の思想というのへの反証をつぶしていく感じが
よくよく理解できて楽しかったのである

まぁ、この仏教の流れが根底にあるが、
そこではない中国独自ともいえる思想の老荘も扱っているわけだけども
こちらも根幹は似ているとしていて、
でも、仏教が破滅的にロックな感じだが、老荘は前向きでよろしいというのも
解釈として面白いなと感じるところ
個人的に老子は好きなので、こういう解釈もいいなと思いつつ
ともかく、こだわらないことでこだわりから脱却できるということやら、
言葉遊びのようで、何かが生じる時には相手が必要で、そして相手もまた自分が必要だから
全部ひとつで、全部繋がっているというのは
気持ちいい感覚だなと思ったのでありました

本人が、なかなかいい加減な人だったようにも読めることしか書いてなかったんだが
これもまた、ダメであろうとした親鸞を目指しているという感じなんだろうかと
読もうと思えば、どうとでも読めるような感じで
楽しく終えたのである

でも、ネットテキストっぽさが残って、これが本(書物)かと思ってしまうのは
私が悟ってないからだろうかとも思うのである

べらぼう  死を呼ぶ手袋

2025-04-13 21:51:35 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「べらぼう」
視聴完了しました
のっけから、瀬川が出てくるという夢が、
なんというか残酷というか、まさに夢といった風情で
いいなーと気に入ってみてしまったんだが、
瀬川はこの後出てこないんだろうか、あるいは、
こういうちょこちょこカットを続けつつ、もう一度大きな再会が待ってるのか
待っててほしいけどなぁなどと思うのである

さて、前回から不穏な様子になっていた源内先生の酷いありさまが
いよいよ極まってきた感じもあるわけだが、
それとは別の話しなのに、ちょっとだけ絡んでいるかのように
毒殺騒ぎなどというとんでもない事件があって楽しい
これを源内探偵小説みたいな風に仕立ててるのもいいなと
まぁ、ミステリとしてはわかりやすすぎるトリックだったわけだが、
あのクセ、やたら見せてくるなと思ったら
ここに落ち着けるためだったのかと合点しつつ
はたして、毒は誰がと思うままに、白眉毛がまさかのと
なかなかの急展開っぷりにわくわくしてしまうのである
大河にありがちな、嫌な奴が死に間際でいいやつっぽくなるというのが
今回もがっつり決まってというか、
もともと白眉毛は融通きかないだけでいいやつっぽかったけどなと思うのだが
今回は露骨にそれで寂しく思ったのである
なんだかんだ、白眉毛のこと好きだったんだな

この流れのまま、田沼もやられてしまいそうだなという感じで
不気味に踊る傀儡がまた、わかりやすいリードになってて
本当、これからがまだまだ楽しみだと思わされるばかりでありました

しかし、今回、大河ドラマというか完全に推理小説のそれだったわけで、
狙ってやってるのはわかっていたけども、
あまりにもそのテンプレ通りに動くのがある意味面白く
そこにきて、探索型に鬼平がいるとか
かっこよすぎだろうと身を乗り出してみようとおもったら
特に活躍の場もなくというのが肩透かしだったけど
まぁ、そういうドラマじゃないしなと思ったりして
じゃぁ、そんな演出するなよとも思うところもあるのだが
はてさて、完全に踊らされたと、そういう話しだなと
すっかりこのドラマの面白さに目を奪われているとわかったのでありましたとさ

とりあえず、つべこべあれこれ書きつつ
ただ、来週が楽しみであるとメモっておく

【読書】謎の香りはパン屋から

2025-04-12 21:05:43 | 読書感想文とか読み物レビウー
謎の香りはパン屋から  作:土屋うさぎ

このミス大賞受賞作と知らず読んだのだけども
ほのぼのと謎解きできる、よい小説でありました

パン屋に務める漫画家志望の女の子が
探偵よろしく、さまざまなことを解決するというか
推理する姿を披露していく物語で、
そんな気づけるものかと思うような謎解きだけども
面白く読めるのでありました

事件要素とは異なる、なんらかの疑問を解くみたいな感じで
隠された秘密とか、不可解な行動とか、そんなものを明らかにするといった感じで、
殺人事件とかに直結するものではない日常劇なのだけど
深刻な悩みなども隠れていたりしながら、無事解決していくので
とても安心して読めるのがよかった
最近、誉め言葉に安心して読めるを使い過ぎだな

キャラクタが漫画みたいな感じなのもよくて、
職人気質だけどパンへの愛情が重すぎる店主や、
ギャルっぽいけどちゃんと仕事をしたりしなかったりする先輩社員とか、
いかにもという、一種舞台装置めいた造詣だけど
全然違和感なくというか、そういう人たちによって運営されているパン屋なんだなと
なんとも納得できてしまう匙加減がよかった
それでいて、そのマニアックな行動が、ギャグとして高度に成立しているのも好きなところである
パンへの愛が哲学的に深まっていくというのが面白かった
好きすぎると哲学になるは、真理だわ

また、主人公も頭脳明晰といっていいような
凄い推理を披露するけど、パン屋の仕事は人並みで、
漫画家志望の方はかけだし、どちらかというと落第気味というのがバランスとれてて
安易にドジっ子が事件を解決というわけでもない、
ある秘密がここにも隠されていて面白かった
なるほどなぁと読み終わってから感心したのである

軽いタッチなので、がっつり真剣にミステリというのとは
だいぶ毛色が違うのではないかと思うけど、
これくらいライトなのは読みやすいし楽しいと思ったりするので
よい小説に巡り合ったように感じたのでありました
しょーもないことながら、トングをかちかちしてしまうのは
絶対するよなーと思うわけだけど、そのシーンが何回か出てきて
ひょっとすると、とんでもない伏線なのではないかと思っていたが
いや、ひょっとしてあの伏線に繋がっていたのか?などと
思ったりするのも大変楽しかったのである

さりげないヒントからの推理というのが
若干強引ではと思うのだが、物語が面白ければそれは気にならず
いい気分で読み終えたのである

巻末に大賞選考のコメントも載っていたのだけど、
他にも尖った作品がある中でバランスがとれていたという講評だったようで
それはそれで、世相というやつなのかしらねと思ったりしたのである
面白ければどれでもよいけど、面白いと思わされる事柄や、ミステリの方式みたいなのも
流行があるのかしらねと思うのであった

【アニメ】火の鳥

2025-04-10 21:05:14 | ドラマ映画テレビ感想
唐突にNHKにて夜に放映されていたアニメ「火の鳥」
手塚治虫の名作をなぜこのタイミングでと
不思議で仕方なかったんだが、なんか記念年とかだったんだろうか
と思いつつ見ていたんだが、
なんか古臭いなと、物語がではなく出来栄えがと思って調べたら
2004年制作だったそうで、合点がいったというか
あんまりアニメ見てなくても、なんとなく古いというのは気づくもんだなと
妙な感想を覚えたのは余談

さて、超名作であるが、実際のところ読んだことなくて
このアニメ化がどの程度どうだったかは、わからないままなのだが
かなり面白く見たのでありました
今見てもというか、当時の世界観と常識、道徳みたいなのがある中で
新しいものを描こうとしていて、それが、今の世界観で見てどうかというのが
非常に面白いところだったんだが、多分、原作を2004年アップデートしているのを
2025年に見ているという複雑怪奇な感じなので、どの程度神髄に触れたかわからないけど
SFとしてもだけど、物語の面白さに感動したのでありました

いくつかの話しが集まってというSF連作という体裁なんだが、
個人的には、一本だけの短編として成立していた
時空を繰り返す鎌倉時代くらいの話しのが面白かったんだが、
これは趣味の話しでもあるかもしれんが、
どろろの世界観と似てて、あのあたりのことが、御大は得意だったんじゃないかと
いや、そもそも当時の人たちは鎌倉室町あたりへの造詣が深かったのかもとか
あれこれ思ったのであるが、これもまた、本編と関係ない感想であるな
繰り返す運命の面白さが、いかにもSF的で、ショートショートっぽさすらもあるのが
とてもよかったと思うのだけど
そこに描かれている輪廻と因果というのが、仏教的素地とあわさって
凄く好きだなと思ったのである
これもまた、夢十夜にあった1000年を待つ話しにも似てて
日本人の感性に訴えるテンプレなのかもしれんと
個人の感動を全体にすりかえてみたりする

本作といっていいと思うのだが、このアニメでは命とは何か
それを描く物語であったとしていて、
輪廻を見せつつも、繋がっていくもの、その絆それこそが命だという
象徴的な終わりを設けていて、なるほどと思ったんだが
多分原作は似ているが、きっと違うことを御大は思いついていたのかもなと
思ったりしつつも楽しく見終えたのでありました
仏教的なものが根底にあるというところが
現代社会には、むしろ宗教的に見えてしまうような気すらして不思議だったというか
自分がこの世界で古びてきているということかとも
気づかされたような気がするのであった

物語を借りるなら、命の流れから
やがて零れ落ちていく雫になりつつあるということかもしれんと
思ったりするのは壮大すぎる

【読書】書店員は見た!本屋さんで起こる小さなドラマ

2025-04-09 21:00:54 | 読書感想文とか読み物レビウー
書店員は見た!本屋さんで起こる小さなドラマ  著:森田めぐみ

タイトルの通りなんだけども、
実にほのぼのとした、書店で起きた様々なちょっとした出来事を集めていて
気持ちよく読めるエッセーだった
本屋さんだからこそといえるのかわからんが、
昨今流行といっても差し支えない「あの本を探している」という、
うろ覚えヒントで、探し当てるそれこれがいっぱい出てきて
これはこれで楽しいのだけど、
書店員として、こういう感じの本と言われて、ぱっとそれを紹介できてしまうというのが
なかなか凄い能力だよなと、改めて書店員の姿というのに感心する内容でもありました

読んでいて、人に本を贈るというシーンの多さに驚いたのだけど
案外誰かに本を贈ろうと思う人がいるもんだなと感心したものの
そういう特殊な例だからより面白いのかもとも思ったりするところ
だけど、確かに面白いと思った本を誰かにというのは
気が利いているし、メッセージ性も込めやすいからいいもんだなと思ったのである

本を探すというシーンも、人それぞれにあるようで
また、薦められて読むというのがまた、読書家として一つ進んでいる人のようにも感じたのである
自分が完全に自分意見のみで本を探してしまうので、
誰かによいと言われてというのにあんまり惹かれたことがないからか
そのきっかけで軽々と本を買ってしまうという人の
その軽やかさというのに憧れのようなものも覚えたのであった
納得するまで買わないという、吝嗇なので仕方ないけど
こういう本との出会い方をすると、より読書生活が楽しくなるのかもとも思うのである

あとは、さりげないといっていいのか、
前に出会ったことのある人と、書店で再会しているけど声をかけることはないというのが
何本かあって、そのいずれもが、言わぬが花という言葉をまさに絵にかいたようで
なんというか、こういうできすぎたようなことが、世の中あるんだよなと
しみじみ読んだのである
以前に旅先の飛行機で出会って本をあげた人が、自分の書店に本を買いに来るとか
そんな偶然あるかしらねというのが素敵である
多分、本当にこういうことは頻繁にあるんだろうとすら思えてしまうのであった

ほのぼのして、そこに本の紹介も載せてといった感じで
気持ちよく読めたのである
とはいえ、あまりにも毒がなさ過ぎて物足りないといっては失礼なのだけども
よい話しと、悲しいけど頑張ろうみたいな話しばっかりなので
なんともしょんぼりしてしまったのである
もっとがつんと笑う話しみたいなので、アクセントが欲しかったかもしれん
嫌な客の話しもちょっとだけ読んでみたかっただろうか、
いや、多分それよりは面白い客の方がいいなぁ

しかし、よく読んでいるということだよなと
リクエストにあれこれと答える書店員という職業のすごみを十分味わったんだが
そういう人がいっぱいいたりするし、
また、こういう特技の人は行く先々で、本屋さんに雇われて書店員となっていくんだなと
一種の特殊技能だと思うばかりなのでありました
いい世界だ、好きだわ
「名を名乗れ」が「君の名は」と気づく能力が欲しい

【ドラマ】おむすび

2025-04-08 21:12:42 | ドラマ映画テレビ感想
NHK朝の連続テレビ小説「おむすび」
ちゃんと全部見てました
朝ドラで現代劇は、やっぱり難しいなーと思いつつも
ただただ、このおかげで年末の紅白でB’z見られたからOKとか
酷いことを書いてしまうわけだけども
ドラマとしては、なかなか苦戦していたものでありました

栄養士になってというお話で
まぁ、可もなく不可もなくというか、大きなイベントがあるけど
そこのドラマが、事実の重苦しさの再現がヘビーすぎるのに
話がすっきりしないみたいな感じで、惜しいのかもったいないのか、
ちぐはぐだと感じたところが多くて大変でありました
震災を2つ扱い、コロナも扱いといったところが
あの頃の生々しさみたいなのを十分に伝えていたわけだけど
それをどうしたというのが弱いように感じて、
なんというか、しょんぼりしながら見てしまったのである
朝ドラは、見ていてハレバレとしたいものだなと
改めて思ったのであった

そこで、ギャルの話しだろうと思うのだけど
思ったほど、ギャル度が高くなかったというか、
なんか、そのギャル像は本当なのか?とギャル知らないおっさんが不審に思うくらい
なんとも違いそうに見えてしまったのも気になったところ
「あげー」とか本当にいうんだろうかと思いつつも
仲里依紗に連呼されたら、なんか、いい感じな気がしてきたと
ほだされたりもしたわけで、楽しみもしたけど
形而上ギャルだったような感じがぬぐえなかったのである

惜しいというか、もう、どうせなら見たかったというのに、
マツケンのマツケンサンバと、
お母さんのヤンキー時代があったんだが、
一つ目はいろいろ無理にしても、二つ目がヨン様のお母さんとの対決で見られるかと思ったら
全然大したことなくてがっかりしてしまったのである
なんで名古屋出身設定だったのかがそもそもわからなかったんだが、
千葉出身のヤンキーという、翔んで埼玉の感じを凄い期待してしまったけど
ヨン様のお母さんが茨城設定だからややこしいということだったんだろうか
凄い惜しいと思ってしまった、もっと完全なヤンキー演技できただろうに、見たかった…

とはいえ、マツケンはいいおじいちゃん役で、
ふざけているようで、頑固でいいおじいちゃんというのが完璧になされていて
凄い驚いたというか、こういう演技も上手いんだなと感激したのと、
ずっと出てて、嫌な感じのお父さんかと見せかけて、
最終的にはすごく愛されるお父さん像になっていた北村有起哉が
本当にいい演技していたと、しみじみかみしめるように楽しませてもらったのである
悟り拓いたあたりのしょーもないギャグが、実によかった
ああいうのをさらっとやってしまえるところがすごくいい
嫌な父親のようでもあり、勘当息子のようでもあり、弱い一人の男になったりと
ドラマ内で、様々な変化を全部ひとりの人物としてやりきっていたのが
演技の上手さだよなとこちらもまた感激したのでありました

見所というか、丁寧に描かれていた「ナベさん」とのあれこれは、
ナベさんのキャラの作りとかが、結構大変なそれだったけど
最終的にはいい人になってというのか、戻ってというのか
ああいう変化は好きだなぁと思いつつ見ていたのであるが
色々見所もあったけど、全体としてはちょっとばらばらしていたドラマであったのが
残念でありました

【読書】私の実家が売れません!

2025-04-07 20:51:24 | 読書感想文とか読み物レビウー
私の実家が売れません!  著:高殿円
こういう本も書いてたのかと驚いたけども、
手広く商売もされているんだそうで、小説家でありながら
マルチクリエイターなんだなと感心してしまった
本著は、タイトルの通り、自分の実家が超絶売りにくい物件で、
それを始末するのにどれほど苦労したかという
ルポのような内容になっていて、なかなか興味深かった

親世代の兄弟間のいざこざも交えながらというのが
最も過酷なポイントだったようなので、
そういう親族というステークホルダーとの闘いやら、
そもそも物件自体が建て直しを許されない、道路に面していない物件であったりとか
まぁ、この道路に面していない問題も、県だか、市だかに騙されたように
もともと接していた道路を書き替えられたりしているという
とてつもなくややこしいそれだったそうで、
さらには、古すぎるから図面とかも存在しないし
調べるほどに面倒が山ほどでてくるという代物

さらに、そこにほぼ不法占拠めいて済みこんでいた親族が
唐突にぽっくり死んだので浮上したという問題なのだが、
その親族の山のようなゴミたちの処分がこれまた大変で、
悪戦苦闘した結果、ジモティーとかで売りに出したら
色々な業者めいたものがやってきたりとかして、面白そうでもあるのだが
なんとも怖い、いや、今ってこんな感じなんだなと思い知る内容でありました
なんだかんだ、こういう時に儲ける人というのはいるようだし
また、結局のところ、いい買い手が見つかるのだが
誰もかれも金持ちそうで、そういう人といかにつながるかが課題なんだなと
改めて思ったのである
なんだかんだ、結局お金を持ってる人が、こういうものを楽しめるということなんだろう

最終的には不思議な縁によってという感じにおさまるんだが、
そういう難しい土地だからか、案外税金は安かったとか
メリットでもないけど、そういう面を考えると倉庫として売り出して
とてもお買い得になってる可能性がとか、考えだしたら様々な可能性に出会うというのもまた
面白いものだなと感心したのである

とはいえ、こういう難あり物件は、本で読んでるから楽しいだけで
実際自分の資産のひとつにあったと思ったら
嫌すぎるなと改めて思うのである
それにしても、これを片付けようと人働きした
その行動力は凄いなと思うと同時に、これを飯のタネにと本にまで仕上げてしまえるのもまた
著者の強さだと感じ入ったのでありました

べらぼう  蔦重瀬川夫婦道中

2025-04-06 20:54:22 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「べらぼう」
視聴完了しました
先に感想いっておくと、とりあえずよかったと思ったのである
最後、もしかして瀬川が非業の死を遂げるとか
そういう話しになっちまうんじゃねぇかとひやひやしてたんだが
まぁ、一緒に幸せになんて都合のいいことはないだろうと思っていたので
最悪の事態を回避したという意味では
よかったんじゃねぇかと、なまっちょろいことを思いながら見ていたのである

とりあえず一緒に連れていかれて、
すぐに買収にかかってしまう蔦重の手管の鮮やかさに
あいつ、その内本当につかまるんじゃねぇかと心配になるほどだったんだが
堂に入った忘八加減が見事なところだったが、
その後、死ぬほど親父様に殴られて、まだまだ半可通かと思ったりもして
ある種の安心を得るわけだが
だんだんとというか、ものすごく駿河屋のおやじが甘くなってて
これはこれで、タガが緩んでんじゃねぇのかと
心配になったりするのである(なんのだよ)
蔦重が、根っから明るいけど、そのまま本当に幸せになっちまったら
もう物語が終わってしまうから、ダメだろうとか
なんというか、ひどいことを求めてしまうな

検校は、ちょっと錯乱気味だったというだけで、
実際のところ男っぷりが見事すぎるだろうという感じで
かっこいいなと思ったままで仕舞となって、
その後のただの女になったというか、花魁という鎧のない瀬川の
ある種の頼りのなさみたいなのも見えたりしながら
蔦重とやいや、楽しそうに喋っているあの姿が
瀬川にとっての幸せであって、
そして、あれを抱えていれば、こののち生きていけるとしたのが
これもまた、花魁というよりも、瀬川の女としての矜持が見えて
いいなと思ったのである

まあ、それはそれとしつつ、徳川の方では策謀がばっちり決まって
田沼様の抜け目のなさが見えるという展開になるし、
町衆と吉原の間で問題が静かに分断の方向へとなっていて、
こっちはこっちで大変そうだなと
次の問題を少しずつ見せてきていたわけだけど
一番ヤバそうな、エレキテル詐欺の話しが、さらっとだけど
だいぶヤバイなという感じで紹介された挙句、源内先生がちょっと錯乱気味でというのが
また大変面白そうな次回に繋がっていて
ここらで、先生も退場になって、色々序盤の人物が整理されるという
物語的な大きな展開かしらと思ったりしているのである
考えてみると4月一発目だから、むしろ新展開一発目といってもおかしくない時分であるけど
大きなものは、瀬川の輿入れと祭り騒ぎのそれだったかなと思うのだけど
源内先生の件が大きなことになるのか
次週がまたまた楽しみである、ちょっとずつ片付いてちょっとずつ新しいのが出てきてと
続きが気になる作りがよいな

【読書】わたしの知る花

2025-04-05 21:02:59 | 読書感想文とか読み物レビウー
わたしの知る花  作:町田そのこ

世代をまたいだ、男女の友情と愛情との間を描いた物語だった
なんとなく、登場人物たちの関係性は、
多分こうだろうなとわかるのだが、それが明かされつつ、
さりとて、大切なというか、ここの和解的なものが見たかったのにと
思うままに、古い世代が退場していくのがショックだったのだけど
それにつられて、ぐいぐい読まされてしまった

価値観のあれこれという問題も取り扱っているように見えて、
それは、別に世代とかではなく、そういう人たちが
いつの時代もいて、そして、こじれるような、
なんだか問題になるようなことは
人間社会では当たり前にあることよなというお話でもあり、
厳しくもあるが、最後はと思えるようないい物語だった

愛情と友情、これに親愛みたいなものが入り混じって、
どれがそれなのかわからないというのは
世代でも、年齢でもなく、誰にもわからないものかもなと
やや登場人物たちが、みんなちょっとこじれすぎているようにも思うけど
誰にでもありそうな、恋愛を含めた悩みを描いていて
とても身近な物語だったように思うのである
個人的には、ここで描かれた人たちではない、
その真ん中くらいの世代なので、どちらの言い分もまた、
なるほどなと思ってしまうところが、とてもよいというか
この時代に、それなりの年齢で生きているからこそ
今、それよりも上と、それよりも下という世代のいざこざとまではいわないが
悩みというのが、はっきりと見えるようでもあって
時代とあわさった、よい物語だったと思ったのでありました

誰かに何かを贈る、
誰かと言葉を交わす、
利用され、それを知って生きるのと
また、後からそこに気づくのと
色々な人が、その時々に生きていて、そういえばと思う瞬間が次々出てきて
結局、全部がわかりあってしまうようなことはないのだけど、
いつか伝わるかと思えばなんて、切なくもよい話しを読めたと
思ったりして、満足だったのでありました
ミステリやSFではない、現代劇で、久しぶりにどっぷり楽しんだ
後から繋がりに色々気づいて、なるほどと遅効性の感動を味わった

【ドラマ】どうせ死ぬなら、パリで死のう。

2025-04-03 21:00:37 | ドラマ映画テレビ感想
NHKの特集ドラマでありました
こういうよくわからない短編を唐突にやってくれるのが
NHKのいいところであり、ここで働く映像関係の人が
報われていますようにと祈ってしまうところである
正直、内容のどれほどを理解できたかわからんが、
邦画っぽいという形容しか自分は持ち合わせていないんだけども、
パリの話しだけど、一切パリで撮る必要がない感じといい
ずっとペシミストの話ししているところといい
ただただ、世をはかなんでいるという事実だけが映像化されているのが
ある意味心地よくて、面白く見たのでありました

ながら見をしてしまったので
ちゃんと意図をくみ取っていないと思うのだけども、
非常勤として大学で教鞭をとりつつ、その姿が敬愛するシオランと
共通のものなのか、そのあたりは知識が足らないのでわからんけど
多分、そんなにはかなみながらも生きていくという姿が
なんというか、滑稽ながら生きているという感触なんだろうかしら
なんて、文系のポストがないという嘆きとともに
思い知る内容になってて、個人的にはすごく好きなテンションのドラマでありました

キャラクタもほとんど出てこないので
演劇っぽい感じでもあるのだけど、子役がうまいのもあいまって
セリフが完全にセリフっぽい、それこそ哲学っぽいのに
自然に見えてしまったというのが凄いところだと感心してしまうのである
絶望という共通点による友達とか
いかにも現代風で、若いころにかかる麻疹の一つだよなと
おっさんなりに思いながら見るのだが、
こういう世界観に、一種の安心を覚えるのも間違いないことで
凄く心地よく見終えたのでありました

なんか残ったかというと、特に何もないのがまたいい、
ペシミストは儚みながら、老衰で死んだという事実が
実によい終わり方にしてくれていて
プールに流されていくという行為の象徴性とか
なんか、色々思うところがありそうで、多分なにもない
そういう緩やかに物語が編まれた感じが、すごくよかったと
安心しながら見たのでありました

【読書】夜、すべての血は黒い

2025-04-02 21:07:39 | 読書感想文とか読み物レビウー
夜、すべての血は黒い  作:ダヴィド・ディオップ

フランスの戦争に参加した黒人兵士の悲劇

読んでいるだけだと、どの戦争なのかわからなかったのだが、
解説によれば、第一次大戦がモチーフになっているそうで、
その時のフランス軍にあったとされる、セネガル人部隊がそれにあたり
実際にこんな悲劇があったのだろうと思わされる、
主人公の独り言だけで終わるといっても過言ではない
戦争のもたらす悲惨をこれでもかと味わう内容になっていたと思う

そこにあった差別というものを描いたというよりは、
もっと已然、セネガル人兵士のことに関する無知が引き起こしているものとも考えられ、
戦争によって、彼らと白人たちが濃厚に触れ合うようになり、
それが戦場という狂気のため、一種喜劇的な光景となって
そこに言葉が通じないことによる不気味さと、不寛容と、非共感というものが
暴力という形でしか交わらないというお話になってて
読むほどに悲惨すぎると慄くのでありました

言葉が通じない中で兵隊として生きて、
その役目をまっとうしようとするわけだが、
そこにまるで意味のない役割が、呪術とか、偏見とか、そんなものに囚われた末に与えられ
そこを演じるか、理解するか、様々なことを考えて、
また、考えないままに死んだ友や、敵を見て、
どんどん気を違えてしまうような感じになる
ただただ、その過程を見せる独白が続くといった感じで
やがて、病院送りとなった主人公が自身の過去をみるようになり、
その果てにといった感じで、
独り言が結構支離滅裂とまではいわないが、
戦場での悲劇、友人を失った衝撃、その時の自分への嫌悪と恩赦
ないまぜになるあらゆる思考が、とめどない言葉になって連なり
独特の慣用句だという「神に誓って」という枕詞とともに
同じことを、または、同じようなことを繰り返していくというスタイルが
不気味というよりも、悲惨さを際立たせていて
読んでいて、ぐいぐいひきずりこまれるようだったのでした

起きたことの凄まじさが、戦争の姿を描いているともいえるが、
そこにおいて、人間一人が抱えきれるかどうかという
命の重みと生きる誇りみたいなのに押しつぶされそうになっているところが
読み応えといったら軽々しいけども、主人公の描写されない苦悩を
なによりも物語っているようで、重く読み進めたのでありました
終わりは一種の救いといっていいのか、
いや、でも、現実としては看護師さんは殺されたとみるべきかとも思うし、
精神世界でのみ救われて、現実ではすでに死んでいたといっても過言ではない
そういう惨いお話だったと読んだのだが、悪く読み過ぎだろうか

【ドラマ】坂の上の雲

2025-04-01 20:59:01 | ドラマ映画テレビ感想
二回目といってしまって相違ないと思うのだが、
連続ドラマとして再編集されたシリーズでした
やっぱりよくできたドラマだったなと感心して見入ってしまったんだが
なんか、記憶と違うシーンというか、いくつかシーンがなくなっていたように思うのだが
まぁ、そのあたりが再編集ということなんでありましょう
もしかすると、前回なかったシーンもあったのかもしれん

全体の感想は以前に書いたと信じて、
特に何をと書くつもりもないのだけど
今回改めて見て、強烈に印象的だったシーンとして
旅順戦をあげておこうと思う次第、
やはり、あの突撃の凄まじさが本当に見事だった
再編集で回の尺が短くなっていたからより際立ったとも思えるのだが
いつまでも、終わるとも知れぬ突撃と銃撃と戦死の数々、淡々ですらない、
ただただ暴力を映像という形にして、投げつけてきたような
凄まじい暴力装置の様が再現というか、演出されていて、本当にもう
息をのむとはこのことだなと思うばかりでありました

また、話しとしても旅順戦のあたりが本当に面白くて
乃木の苦悩もいいが、第三軍参報の体たらくともいえるし、必至ともいえる感じが
年齢を重ねたせいか、なんともぐっと堪えるものもあって
物凄くよいものを見たなと重く受け止めたのでありました
あの状態でというのは、あるいは、敵方もそうだったのではないかと
そこは描かれていなかったけども、戦場でよく言われそうな
こちらがキツい時は相手もキツいんだというそれのようでもあるけど、
あの有様はあまりにも酷い、そして、弾薬も人員も足らないという絶望状況が
本当にもう、最高によかった、辛すぎる

そこから比べると日本海海戦はちょっとした予定調和めいた内容で、
どちらも結末を知っていたにも関わらず
陸戦の方があまりにもドラマチックで、そして、
象徴的である「そこから旅順港が見えるか!」があるというのがまた、
凄くよかったシーンだと思えてならないのでありました
物語としての、一つの到達点という印象的なセリフと情景があるというのが
旅順戦のよかったというか、ドラマとして最高潮の部分でないかと思うのである

戦争シーンは相変わらずすさまじいものでありましたが、
改めてみると、女たちのありようというのも、当時の時勢を交えながら
今だと出てこないパターンの女像でもあるなと思ったりして、
最終回の淳さんの背中にすがるスエさんの姿というのが
物凄く時代ドラマという感じがして、いいシーンだなと目を見張ったのである
色っぽさというのもあるのだけど、そこに漂う悲壮というのが
本当、浮き上がってくるように見えるような印象で、素晴らしいと思えてならんのでありました

また、前にも思ったと信じているのだが、
やっぱり、りんさんが可哀そうすぎて、本当に淳さんどうかしてんじゃないかと
思うほどにりんさんの不憫が際立っていたと思うばかりである
この頃の菅野美穂という女優の良さも存分に出ていたわけで
素晴らしかったと思うばかり

そして、改めて見て、やっぱり、好古兄の周りというのが本当にいいなと
武人として、男として惚れるところの多いキャラクタであり、
その嫁さんがまた、松たか子であり、お姫様でありというのが
もう本当にいい造詣だとほれぼれとしたのでありました
単純明快であっただろうかと、後年の姿を見て思わなくもないが
まぁ、それはそれとして、その序盤からの存在感がすごくよかったのと、
子役が染谷翔太だったことを今更ながらに知ってというか、
見て気づいて衝撃だったのでありました
あんなちょっとしか出てなかったし、全然阿部寛と似てないのに
でもあの好青年がという感じだけは見事であったと
まぁ、出ている俳優さんがみんな若いなということも含めて
とても楽しく見終えたのでありました

やはり、名作であった

【読書】別れを告げない

2025-03-31 20:49:48 | 読書感想文とか読み物レビウー
別れを告げない  作:ハン・ガン

ノーベル賞作家の作品ということで読みました
作者について、まったく知識がなかったので、こういったテーマで書いている人だと
解説で分かって、深く感心したのであります
人間の歴史の暗い部分をしっかりと照らす、明るみにだすということを
小説という方法で行っている、一種の活動家なのだなと納得したのでありました

扱っているのが、済州島4.3事件という、韓国の歴史的な事件で、
この事件を知らしめるという意味でも素晴らしい仕事あなと思ったのだが、
描かれる小説としての切なさ、悲しさというものと、
「別れを告げない」という宣告ともとれる気概というものが感じられて
強く印象に残ったのでありました
これもまた、解説に頼ってしまったけど「別れを告げない」とは、
この事件について終わったなどと言わないという意味合いもあるとのことで、
事件を闇に葬らないという意味とすれば、
その意義と、強い感情ともいうべきものは理解できると感じたのである

いわゆる白色テロというもので、その被害者の物語であるわけだが、
親友の母親が認知症を患って、世界の沿革が曖昧になってきていた時に、
その痛烈な過去である事件の瞬間に苛まれ、夢におびえという状態になるのを目の当たりにした親友が、
その遺志を継いでいく決意をするといった感じでもあり、
また、その親友を見て、その生き方に寄せられたように、
弱っていた主人公もまた、その事件、あるいは過去と向き合おうとすると
そんな物語だったわけだが、このあたり、結構幻影の中の話しのようになっているので、
何が本当で、どういう会話があって、どうであったか、
でも、多分それはどうでもよくて、核となる事件の記憶とそこに眠らされている感情を
強く揺さぶり、今一度炎をとでもいうような感じで、
イメージは雪と冷たく暗い夜なんだが、その中に眠っている
はっきりと黒いものとでもいうべき過去があってというのが
幻想描写とともに紡がれているのが印象的だった
言葉選びもうまくて、豪雪というか、雪嵐の描写で、「絵本をめくっていくような」と、
その雪荒ぶ森の様子が、次々と変わっているけど、いずれも同じという印象を
こうも見事に比喩できるものだなと感心して読んだのでありました

事件が、実際どのようなもので、
どうなっていたのか、それはわからないのだけども
その存念とでもいうような、形なき思念を書き下そうとした小説だったのじゃないかと
読み終えたのでありました

べらぼう  お江戸揺るがす座頭金

2025-03-30 21:08:52 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「べらぼう」
視聴完了しました
愛憎渦巻くといった感じでもあるが、
大きくは政治の話しであったというのが、組み立てがうまいなと
感心してしまったと、偉そうな感想を抱いたわけだけども
流れるようにラブリンが「なんかようか、ここのかとうか」と言うのが
凄いツボにはまってしまった、最近、この手のしょーもない駄洒落でもないが、
言葉遊びを普段使いしそうになって危ないから困る(ミーハー)

しゃらっと、離反していた吉原組も戻ってきてと
やっぱり、あの忘八一派以外もみんな忘八なんだなと
改めて思い知ったわけだけども、
まぁ、そこはそれとして、無事なのか、なんかあるのか
新さんは無事逃げおおせているようで、
ただ、あの含みがある感じからすると、蔦重が知っててどこかに匿ってるのか
なんなのか、わからんけど楽しみである
なんだかんだ、もう一回出てくるのか、
あるいは、この鳥山検校事件の後始末に出番があるか
楽しみすぎる

さておいて、眉毛爺の活躍がまばゆすぎて
なんか、見たことあるとか、現実とクロスリンクしそうなくらい
見事な老害っぷりで、本当にもう、どうなんってんだと思うばかり
あの言いざまが悪者という概念そのものといってもいいくらい、
小悪党の言い回しなんだが、実際に相当悪いという
悪質極まりないそれなのが、実によいなと感心するのでありました
いい、実にいい、
そして、それを受けて、平身低頭しながら、じたばたする田沼がまたとてもいい
まぁ、そのあおりを食った形で、大変なことになったわけだが、
何気に、ヤバイ人とつながりを作っていくんだなと思うのだが
田沼の失脚が一つのターニングポイントというか、
盛り上がりのひとつになろうかと
このあたりの伏線を見極めておきたいところである
怖い怖い

最終的にはマブがということにもなりそうだったけど、
こう言っちゃなんだが、蔦重は主人公だからこそといっても差し支えないくらい
なんとなし運がいいという感じではあるが
次週がはたして、どうなってしまうか

思いつつも、ここに鬼平がかかわるかと思うと
まだ西の丸にいるようだし、難しいのかなと思うけど
一時は惚れてた縁で、瀬川だけでもなんとかしてやってくんねぇかなと
思ったりするのであるが、それだとあまりに筋がお粗末だから
そんなことないのかと、しょんぼりするのであった

【アニメ】チ。-地球の運動について-

2025-03-27 21:05:06 | ドラマ映画テレビ感想
NHKで見ておりました
原作は一巻しか読んだことなかったので、
序盤の衝撃展開に凄いなと思っていたわけだけど、
アニメで見るとまた味わいが違うというか、
より衝撃的になって、凄く引き込まれたのでありました

どんどん主人公が変わっていくし、
そして、そのどれもがみんな死んでいくというのが
斬新すぎるだろうと思うのだが、
その末で、はたしてどういう物語の終わりを迎えるかとドキドキして見たわけだが
なるほどそういう感じかと、最後に史実につながるという
壮大なSFを見たような気分でもあり、大変楽しかったのでありました
はたしてあれは、イマジナリーであったかというところだけど、
どの記録にも残らないという物語が、あったかもしれないし、
なかったかもしれないにしても、そういう繋がるものがある
集団の知性といったらいいのか、想いだけでなく、知性、知識というものもまた
紡がれていく、繋がっていくというメッセージは
結構新鮮だなと感動したのでありました
積み重ねが、知識として結実するその様をドラマチックに見せたという感じだが
想いの強さと信念というものが、その根底にあって
善悪を超えていくというのも面白かった
何が正しいとか、そういう物語ではないという、結論のないものを描き切ったのが
いい感じだなと感動したのである

全体を通してみたとき、第二部といっていいのか、
オクジー、バデーニ、そしてヨレンタさんという3人のところが
個人的には一番面白くて、その最後の切なさというか
知に殉じたかのような最期がこの物語のもっともよかった
当初から、ずっと、地動説についての話しだと思っていたけど
回を追うにつれ、地ではなく、知であるという感じになってきて
この一種の誘導みたいなのも見事で、物語全体がどう転がっていくかわからない面白さが
じわじわ昇ってくるようでありました
地動説が完成するのかしないのかが主眼だと思ってたら、
そうではないというか、それを描きながら、そこではない、
知識が深まっていく過程を人間ドラマで見せるのが
こちらこそが主眼であったのが見事だった、まんまとやられたわ

表現する面白さの違いというか、
こういう描き方も成立するといっていいのか、
ある種の叙述トリックだよなと感心して、それでいてとても面白いアニメというか
物語を堪能できたと、感動したのでありました