CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】迷子手帳

2024-10-30 20:55:10 | 読書感想文とか読み物レビウー
迷子手帳  著:穂村弘

新聞連載をまとめたエッセー集
まったく知らないで読み始めてしまったのだが、
著者が短歌の人のようで、その割にエッセーの中でそこまで短歌が出てこないのが
不思議といえば不思議だったんだが、逆にいうと短歌の本ではないけど
そのニュアンスや、雰囲気を知ることができる本で
とてもよかったのでありました

日常のあれこれを切り取ったエッセーで、
何か気になった話しとか、誰にでもありそうな、物忘れだとか、
勘違いだとか、早起きできるとかできないとか、そういう感じのことで
自身の考え方というべきか、スタイルを表現してて
結構ずぼらそうな人だけど、それでいて神経質なのかもなと思っていたところに
ぽんと、短歌がでてきて、その説明が情景とか人情描写のそれでもあるけど、
こういう気分の時に、詠みたいそれとして紹介しているから
また、凄く身近な感じがしてよかった
最小限というか、短歌でどうしても色々まとめたという感じでないのが
不思議といえば不思議なんだけど、それでも、凄くいいなと思える内容でありました

これだけ読んでいると、ある短歌にまつわるエッセーみたいな
そういう感じでまとめたものも読みたいなと思えるほどだったわけだけど、
これもまた、この一冊におさめられている、それ以外の言葉が、
その表現を支えているだろうし、なかなか、
やっぱりこの形が正解なのかしらとも思ったりしつつ
文章表現というのは、読み手を育てるという側面もあるべき、
または、そういう使い方、表現方法もあるんだなと思わされたように
感じ入って読んだのでありました

そんなに難しくないというか、本当、そこらにありそうな話しばっかりだけど
いい気持ちで、嫌味なく読めるというのがいいのだわ

【ドラマ】大富豪同心3

2024-10-29 20:55:41 | ドラマ映画テレビ感想
相変わらずに安定した面白さで、
ほのぼのと楽しめた時代劇であります
今回でさすがに一区切りといった感じなのかとも思ったけど、
続編もできそうな、でも、やるとしても仕切り直しみたいな
そんな印象で終わったけども、通して、お約束にまみれていた
実によい時代劇だったと快哉であります

今回は、ちょっと難しめ、というほどでもないが
理想の政治に燃える若い先生というキャラクタを入れつつ
ほのぼの路線の若旦那と、その嫁となれるのかい、なれないのかいといった感じで
美鈴さんが振り回されてという感じで、
毎回しょーもないといえばしょーもないけど、
お約束通りにきっちり片付くし、今回は集大成的に親分さんメイン回もあったりして
ずっと追ってきた身分としては、大変楽しいシリーズだったと思うのでありました

とはいえ、と書いてしまっていいのか、
やっぱり時代劇で殺陣がみたいと思っても、どうしてもパンチが弱いよなと
そのあたりだけ大変気になってしまったんだけども、
主役の中村さんは、殿様の弟役やってるときの立ち回りとかみてると
いい雰囲気だなと思うのだが、他の役者がそうでもないといってしまうとアレだが
本当に殺陣ができる人が減ってるんだなと感じるところが多々あって
ちょっと残念に思ってしまったりなのでありました
でも、そうだからと割り切っているのか、いっそ派手な動きにしようという
剣劇殺陣としてはどうかなと思うような、くるくる回転するとかが
山ほど多用されていて、これはこれでいいのかなと
むしろ、そういう見せ方なら歌舞伎の方がうまいし、
だからこそ、中村さんの動きがはまって見えるのかとか
勝手に感じ入ったりして、もはや、ドラマ見る親分の気持ちなのである
流石若旦那だぁ
ともあれ、名物のようにEDでみんな好き勝手に踊ってるシーンで、
歌舞伎三人衆だけ異様に上手くて、なのにバラバラというのが笑ってしまった
好き放題すぎるわ、楽しそうで何より

割と大団円的な感じといったらいいか、
まぁ、時代劇だからこそ、こういう感じで終わって
しかも現代の世相も繁栄されていて、三方良しだなと思っていたのだけども
どうやら年末にスペシャル放映の予定があるんだそうで
やたら楽しみになってしまっているんだが
BSだけっぽく、正月あけてからの地上波とかでやってくれないかなと
思ったりするのでありました

【読書】ユニクロ

2024-10-28 21:05:01 | 読書感想文とか読み物レビウー
ユニクロ  著:杉本貴司

タイトルの通り、ユニクロの半生記というか、
始まりから今までを柳井正をはじまりにして、発展に携わった人たちの
栄光と挫折を描いたものでした
世代的に、ユニクロとともに年を食ってきたといった感じなんだが、
ファッションに疎かったので、こんなことがあったり、
そんなこんなだったのかと知らないことも多くて
大変面白かった

ユニクロのなりたちも面白いのだけども、
柳井正という人の経営哲学や、ユニクロが成功した事例、失敗した事例それぞれの紹介が
なかなかに読み応えがあってとてもよかった
ここに書かれていない失敗がもっとたくさんありそうなので
そのあたりも興味深いと思わされたのだが、
特に、野菜販売事業失敗のくだりとか、服を売る以外の部分のことが
結構気になったというか、知りたいなと思ったのだが
服を売るということだけでも、相当に失敗と成功を繰り返していて
大したもんだなと感心しきりであった

学生時代は、わりと、のらりくらりというか、
そんなすごみの在る人ではなかったようだけども、
ユニクロを形作っていく途中で、柳井正という人もまた形作られていくというのが
いささか、物語にすぎると思いつつも、非常に面白くて
成功は結局のところ、ユニクロという概念をちゃんと発揮した時で、
それを上っ面だけで動かしたときが、だいたい失敗という
わかりやすいといえばわかりやすいんだが、
これもまた、観念的な話しだから、もっと現実的というか
理論に落とし込んで理解しないと、商売というものはわからんのだろうなと
読みながら、頭を使ったのでありました

世界戦略も、まだまだ一進一退のようだし、
凄いメジャー企業というイメージかと思っていたけど、
未だに危ない橋を渡るでもないが、結構危なっかしい戦いをアメリカで続けていたり
大変なんだなと、それをまだまだ率いている柳井正の凄さと
そこに見いだされてきた男たちのすごみが感じられたのでありました

少し前に読んだ本で、これからは何社も転社してこそという話しがあったけど、
ユニクロを支えている人たちが、まさにそんな感じで、
自身の仕事というものを理解して、それをしにきている、
していくというのが重要なんだなと思い知らされるのであった
また、その対比のように、かつての苦しい時代を支えてきた人たちが、
立ち去っていく姿というのも、必然であり、悲壮もあるのだけど
そういうものだよなと思わされて、非常によい本だったと思うのである

光る君へ  揺らぎ

2024-10-27 20:43:36 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「光る君へ」
視聴完了しました
帝がおかくれして、あれよあれよという感じで、
このあたり、視線を変えると清少納言のように怒りをあらわにすべきと
そういう感じでもあったんだろう、強引な道長のやり方というのと
早くも乖離が見られる、新帝との距離というのが
じわじわきいているようで、なかなか楽しいのでありました
最後、結構衝撃な感じで終わったんだが、
なにかしらの報いを受けるというのは、これを暗示していたのか
まだまだこれからといった感じなのか、
大変楽しみだわ
そして、その報いは、まひろも受けねばなるまいに
割と娘といい感じになってて、なんだかなと思ってしまったのである
いいことなんだけど、なんか、しっくりこんな

さておいて、いよいよ武士の台頭を匂わせるとまではいわないが、
ああいうのがでてくるという時分になったんだなと、改めて感心するわけだが
実際のところ、武辺の貴族というのがいて、地方政務にあたっているうちに
ああなってしまうという感じなのか、
ちょっと前までは、ああいう役を蔵人の頭なり、検非違使なりがやっていたというのが
武装が変わってきたということなのか、
もうちょっと掘ってほしかったかなと思わなくもないのだが
ああいう役柄としては、出来の良い甥っ子が、
なんとかの役で大活躍するときに見られるのか
このあたりは、ちょっと楽しみにしているところである

次週予告で、また、死ぬ死ぬっぽい雰囲気になってたが
流石に早すぎるだろうと高をくくっているけども
気づいたら、もう10月最終週まで終わってて、
あと都合7回だかそこらくらいしかないと思うと
いつ死んでもおかしくないのかと
結構戦慄するのであった、なんだかんだ、というか、
とても面白くていいドラマだと、最後まで楽しませてもらえそうで
わくわくするのである

【読書】「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?

2024-10-26 20:55:35 | 読書感想文とか読み物レビウー
「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?  著:今井むつみ

とてもいい本だった
認知科学という見地によって、コミュニケーションのキモの部分が
とてもわかりやすく書かれていて
伝えること、伝わること、その仕組みが理解できた
そんな気分になってしまう、危うい本だ
なんせこの本によって、わかりやすいというのが
認知を歪めている可能性を指摘しているのだから、もう入れ子だとか
わけわからないことはさておき、
本当に、とてもわかりやすい本で、感激したのである

前提であるスキーマの存在とか、
そうだろうなと思うところも多いのだが、
様々なバイアスが、どのように働くか、
どのタイミングでやってくるかも解説されているから
誤解を招く瞬間や、起こる要因というのがわかりやすくてよい
読んでいて、思い当たるところばかりなので、
これもまた、ある種のバイアスがかかった状態かと思いつつも読むのだが
誰かに説明する際のポイントが難しい言葉ではなく説明されていて
本当にもう、とてもよい

相関の誤解や、バックボーンの違いによって理解できないことがある
その認識を持つことの重要さと、
結局のところ、要件定義時の単語のすり合わせに似たことが
コミュニケーションというか、伝えることにとても大切であるのだが
細かくすればよいというわけでもなく、
記憶に負担をかけない程度に抽象化することとか
まぁ、ポイントはいっぱい並んでいるんだが
じゃぁどうしたらいいのかというと、当然のごとく正解はないんだなと思わされて
うなってしまうのである
が、なんか、伝えられる気がしてきたから頑張ろうと、そんな気分になった本であった

誰かを理解する、理解してもらうという
コミュニケーションのそもそもの目的を達成するためのスキルというのは
学んで損なわけがないとも思うのだけど
こういうのをうまいこと理解できたら、外国語習得が楽になったりしないかしらとか
考えたり思ったりするのである

人間の直観がおおよそ正しいというのが、
それまでのコミュニケーションで培ってきたある種の練習が、
なんとなくまずいという形を覚えているという
まさに、将棋のそれと同じということが書かれていて
本書としても、棋士へのインタビューでそのあたりの裏付けをとっていて
まさにまさにと、頷いてしまったわけだけども
その直感を鍛えるために、よく考えるも繰り返していき
より、直観を鋭くしていくことが、理解への近道だというのが
なんとも頼もしいというか、たゆまぬ努力をと思わせる内容で
とてもよかった

【読書】今夜、喫茶マチカネで

2024-10-23 21:05:05 | 読書感想文とか読み物レビウー
今夜、喫茶マチカネで  作:増山実

まもなく長い歴史に幕を下ろす喫茶店で、
月に一度、その街にまつわる話を語り合う会が開かれるようになった
その、様々な語り手による話しを聞くという物語
色々な人が、それぞれの思い出を語っていき、
思いもよらぬ縁や、事実がわかるといった感じが
いかにもありそうで、本当に喫茶マチカネにいるような気分になって
ずいずい読まされて浸った読書になった

語り手が変わりながら、まるで違う短編のような話をする
こういうオムニバスとも異なるジャンルをなんと呼ぶのかわからんが、
こういう手法、仕掛けの小説は、なんだかんだ読まされてしまうなと
今まで読んだのが、どれも当たりだったような覚えがあるところ
今回のこれもまた、基本人情話しなんだが、
その土地、マチカネに関わるあれこれがずいぶんと面白くて
その歴史に触れるような錯覚もあって、
なんとも愛着がわいてくるのがとてもよかった
実際は、こんなにうまく語る人ばっかり集まらないだろうと思ってしまうんだが
それは野暮というもので、そのもってくる物語の面白さが、
恋愛や、思想や、ある種の歴史やといった感じで
様々なジャンルがごたまぜになって、でも、一本筋が通っているというか
ちゃんと、マチカネの話しという囲いがあるといったところが
とてもよいと思うのであった

個人的には、物語中の物語になってしまうが、
ワニの化石を見つけたという話しの中で、想い人が作った嘘というか
物語としての、「化石となったワニは流されてやってきたワニで、
いつか同じように離れてしまった恋人(ワニ)が流されてくるだろうと
それを待つために石となった」、なんていう夢十夜的な挿話がよくできてていいなと
強く印象に残ったのである

そのほかも競馬やら、阪大との関わりやらと、
マチカネはともかく、大坂のそういう下町に住んだ人なら
なんとなく思い当たりそうな話しの作りが嫌味なく見事で
気持ちよく読めたのでありました
まぁ、最後の章で、マチカネの謎も解かれるというか
ちょっとしたSFになってしまうのだけども、このあたり、
大阪に住んでるとぱっとわかったんだろうなと思うと、知らなかったのが少々悔しいと思うのであった

【読書】嫌な仕事のうまい断り方

2024-10-21 21:04:35 | ドラマ映画テレビ感想
嫌な仕事のうまい断り方  著:山本大平

タイトル通りの本ではあるのだが、
「うまい断り方」については、最初に本質をついているでもないが、
「ちゃんと理由を説明しましょう」で終わってしまっていて、
大半は、「嫌な仕事とは?」といったところに割かれていて、
いわゆる仕事啓発系の本でありました

そもそも仕事は断っていいという話と、
断る事への不安の中身の説明から、
その中身の意味がない時代がきましたよと、
まぁそんなお話になっていまして、結局その会社で長く務めるということが
意味を持たないといった感じであり、
転職というよりも、転社といった生き方が今後主流になって、
7,8社くらい渡り歩いた人の方が
最終的に価値が高くなる世の中になろうという話であった

自分もだいぶ年齢を重ねてきて
正直微妙なお年ごろなので、この論がわかるといったらいいか、
若い人はそういう傾向が如実に強いし
でも、自分たちより上の世代は明らかにそうではない方だよなと
そのどっちつかずをやってる世代というか、
その流れが大勢になってない世代の人間としては、
ああ、そういう考え方で辞めていくのかということを考えさせられるのであった
それを慰留するということに意味がないともいえるし、
やっぱり、書かれているような、個人を使いつぶすことが前提にあるような
そういう組織が、いわゆる文化という名前に変わっている部分も
否定はできないかもしれないなどと考えさせられるのである

とはいえ、自分もこのまま安泰というわけでもないわけなので
そうなると、どこでもやっていけるためのスキルや経験を
ちゃんと積んでおかないといけないと
もはや手遅れの感もあるわけだが、強いられるような内容で
これからの若い人が、ずっとそうなっていくとすれば、
旧来型の働き方、人員構成によって、
働かされ続けることになるんだろうなと
暗澹とした気持ちを抱えていくわけだが、それもまた、
色々と考えを放棄した結果なのか
あれこれ思うばかりであったとさ

嫌なものは嫌、できないものはできない、
そうやってちゃんと意思表示することが大切ですよという話でもあるが、
嫌だと思っているものも、やってみると価値があるかもという
これまでの価値観もちゃんと説明しつつ
その見極めは自分でやらないとねというお話であったと思うのだが
なかなか、書かれているようにすらっとはいかないもんだよなと
思うのである

光る君へ  君を置きて

2024-10-20 20:51:31 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「光る君へ」
視聴完了しました
大きく歴史が動いて、そのはざまにある感情が
八つ裂きになるといっていいのか、ドラスティックなそれが見られて
大変満足でありました
痛みがあらゆるところからやってくる
そんな感じだけど、意にも介さないという風にも見える道長の
堂々とした部分と、弱いとも思える部分
両方が見られて、大変満足でありました
そして、娘の気持ちがまったくわかっていないというか
わかっているふりだけだったという現実も突き付けられたようにも見えるが
ああいうこと、よくあるよなと思ってみたのであった
よかれと思ったのにというのが、
気づくこともなく、自身の願望とすり替わっているんだな
他人事のドラマだとよくわかるが、自分だとわからんやつだな
そう思うと、かつて父親がわかってやっていたのとは
道長のそれは内容が違うのかもしれんな

政治劇としては、粛々と進められただけではあるが、
その推進力は、まさに政治というそれなんだと思うと
大変面白いなと思うのだけど、
その強引さが醍醐味とも思えて、
なんというか、ずぶどろのものだなと、それを求めているとも
見ていて感じるばかりであった

さておき、まひろ側は
いよいよ娘の方で何かしらといった感じで、
それは、冒頭にあった、不義のどうしたとつながるのか
ここから、道長が盤石と思った世で、七転八倒するというか、
まひろ、道長ともに、その贖いを求められる展開になるのかと
これもまた、わくわくなのでありました
藤原の次女が、大変まずい感じで、非常に楽しみである

来週くらいで、いよいよ、清少納言も終わりなのかわからんが
啖呵きるシーンがありそうで、楽しみに待つのであった

【ドラマ】事件は、その周りで起きている シリーズ2

2024-10-17 21:05:46 | ドラマ映画テレビ感想
ドラマ枠なわけだけど15分で4話だけで
まあ1時間物と思えばという感じでもあるけど、
そもそも内容コントだしなぁと
あれこれ思うのだが、演者が楽しそうだし、凄く好きなので
どうだっていいやと、楽しみに見終えたのである
前シーズンの再放送と含めてもわずか2週間分なので残念きわまりなかったけど
相変わらずしょーもないことで、揉めたり嘆いたりして、
別にあるあるというわけでもなければ、
物凄く切れのある笑いとかいうでもない、
まったりと面白いと、そんな時間を味わう15分ドラマでありました(長い)

これと、特撮ガガガのおかげで、
小芝風花のイメージが、この演技がコメディで固定されてしまったのが
悪影響といえば悪影響なんだけども、無茶苦茶面白いとかいうでもなく、
さらっと可愛らしく、コミカルを演じられているなと感心しきり、
対照的というでもないが、むしろがっつり面白い演技なのが、倉科カナの方で、
この対比とも異なるジャンルの違う笑うポテンシャルが秘められていて
どっちも上手いし、面白いなとしみじみ見てしまうのであった

そして、やっぱりうまいのが北村有起哉で、
この頼りない課長感が、実にすばらしく、本当いい役者さんだなと
コメディやるときの雰囲気が、松重豊さんと方向性が似てるなと
こういう感じが好きという、感覚だけの話しなんだが、
笑わせにきてるけどわざとらしくなく、そこはかとなく面白い、
しゃらっと情けないこと言うセリフの力の込め方と表情が
まぁ、なんというか面白い、なんでかわからんが声出して笑ってしまう感じで
ともかく好きで好きで仕方ないと
そんなことを味わうばかりでありました

笠松将ももっと他のドラマで見たいと思うのだが
この作品においては、置いてくる感じで、これもまた好きなわけだけども
とりあえずこのメンバーが、なんだかんだしょーもないことで
すったもんだしている、ただそういう景色を眺めるだけのコントで
頭使わず、なんとなし笑えるという番組で
ともかく好きだわと書いておくのであった

随分べた褒めしてしまったようにも思うが、前作の感想どう書いていたか
もう一度自分で確かめておこうと、前作の感想文を覚えてないまま
今の感覚でこれを書いておく

【読書】地面師たち ファイナル・ベッツ

2024-10-16 21:05:10 | 読書感想文とか読み物レビウー
地面師たち ファイナル・ベッツ  作:新庄耕

なんか、ドラマが流行ってるそうだが、見ることがかなわないので
とりあえず小説を読もうと最新作を読んだのでありました

ある地面師が、新たなチームを作って、
次の詐欺を始めるというお話だったのだけども
個人的にはちょっと消化不良というか、気になるところが
置き去りになってしまったように感じて、もやっとしたんだが
全体的には、結構はらはらして、大変楽しめたのでありました

今作のある意味主人公といえるであろう
元Jリーガーのギャンブル狂いの男というのが面白くて、
この男が地面師のチームに入って、その仕事に手を染めていくと
まぁそういう話ではあるのだが、
その知能犯的なそれを割とそつなくこなしつつも、
生来のギャンブラー気質がよくない方向に発揮されそうになったり、
なんというか、この危うさというのが、見ていて大変楽しいのでありました

そのぎりぎりをなんとかくぐりぬけて、
それがまた、彼をギャンブルに駆り立てるみたいなことが
なんとなく、読んでいて手に取るようにわかるのも楽しくて
ラストシーンとか、いかにもそういう舞台だなという
ちょっと、さすがにそれはどうかと思うみたいなオチになるんだけど
それはそれとして、一貫してるなと思わされるキャラクタで見事だったと感心したのであった

金を稼ぐという方法や手段としての地面師だと思ったが、
登場人物の大半が、金というよりも、そのスリルを楽しむためにやっているような
大変不純な危険さをもっているのが魅力的で、
おいかける警察方面も、地道な捜査で追い詰めていくという
実によい仕事をしているけど、それをあざ笑うでもなく、
追いかけられているのを知って、なんとか逃げながら、でも、
獲物からは離れないという、とっとと逃げればいいのにそれはしないという危うさが
また、なんだかんだ楽しくさせられるのでありました

オチというか、まぁだいたいこんなところに落ち着きそうだなと
そういう感じで実際落ち着いた物語ではあったんだが、
不審死が多すぎるのと、あの人その後どうなったのというのが
何人か投げっぱなしになってるのがものすごく気になってしまい
たぶん今後補完されることもないだろうし、そのオチだけ知りたいなと思ったりしたんだが
まぁ、とりあえず、楽しんで読み終えたので、よい小説だったと
メモっておきたい

【映画】鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 真生版

2024-10-15 20:57:54 | ドラマ映画テレビ感想
随分評判が良かったからか、補完されて再上映となったものらしく
初見だったのでそのすごさはわからないけど
なかなかに楽しんでみたのでありました
仕事終わりに見たからか、子供はいないんだけど
なんか、やたら女性が多かったんだが、そういう人気がある作品だったんだろうか

内容としては、鬼太郎誕生にまつわる、
目玉のおやじがちゃんとひと型してた頃のお話で、
テイストとしてはオカルトミステリで、
なんというか、横溝正史のそれを見てるかのような
古い村の因習とかも絡みつつ、戦争帰りの悲惨さもありつつと
おどろおどろしく面白い映画だったのである

冒頭で、鬼太郎と猫娘が出てきたんだが、
猫娘がものすごいスマートで脚の長いお姉さんになってるのに
驚きすぎたんだけども、最新の鬼太郎はそれなのか、
そこにつながるといった構成になっていて、序盤で廃村みたいなところで、
かつ、廃病院に侵入するみたいなおぞましいというか、
昭和オカルトにありそうな恐ろしさを楽しめたと思ったら
それこそが、謎につながるものだったという感じで面白かったのである

主人公の一人が、南方の戦争帰りで、
そのフラッシュバックが何回も起きたり、そして、
殺人事件が起きるというあたり、それが祟りだといわれもするのだが、
鬼太郎世界だから、祟りも当たり前と思いつつの、その実はという感じで
結構凝ったミステリになってるのが面白かった
まぁ、最終的にはやっぱり妖怪の仕業になってしまうわけだが
そりゃそうだと思いつつも、ひねりがきいてて面白かったのである

物語としては、悲しさもありながらも
よくできていて、子供向けではないなというシリアスさが
非常に心地よく見られたわけだけども
いかにもな横溝正史っぽさといったらいいか、
見終わってから、自分は当然のようにその当時の人たち、世間を知らないのだけど、
横溝正史の物語として見たことがあるそれと似ているなんていう、
グロテスクな見方しかできてないのかと気づいて、
なんというか、本筋と関係ないところで慄いてしまったのである

戦争帰りという人種がいなくなって、
本当の意味での、水木さんなる男の気持ちや行動が理解できなくなっているというか、
そこにあるはずのリアリティを感じることができなくなっているのに衝撃を受け、
それなのによくできているかのように錯覚してしまっている、
ある種偽歴史のようなものを想定して、そこへの肉薄を見ているみたいなのが
物語としてよくできていたし、面白かったという感想を抱いたその根幹にある
何かが間違っていそうだと思わされたりしたわけだけども
妖怪たちのいう、人間は変わらない、不思議な生き物だというそれに
なっているんだろうかとか、
何書いてんだかわからなくなったんだが、映画はとても面白かったし
よい感動があったので、見てよかったとメモっておくのである

【読書】谷から来た女

2024-10-14 21:05:46 | 読書感想文とか読み物レビウー
谷から来た女  作:桜木紫乃

アイヌを扱った現代小説
アイヌにルーツを持つ少女が、
伝統素材をリメイクしたオリジナルのアート作品で注目を集めつつある、
その周辺や過去の話しが連作短編になっていて、
一言では言い表せない強いメッセージ性のある物語になってて、とてもよかった

ありていな言葉にしてしまうと、
アイヌという出自においての被差別という問題を扱っているんだが、
そういう「問題」とした取り上げ方が、そもそも、シサム(アイヌの言葉での本土人)の言い分や、
その地位からの言葉でしかないということを喝破しつつ、
作られた被差別みたいなのではない、出自と関係なくあるものを信じる
そういう強さを描いていた
まぁ、この強さという言葉もまた、どこか立場が違う人間の言葉でしかないと
随分ばっさりやられてしまうけども、
確かにそうだよなと、いわゆる被差別というものを語るときは、
当事者以外は全員が他人事で、それぞれの思惑のこもった
事実と異なることをうたうものだなと気づかされるのでありました

まぁ、そんな難しい話しを書いているというよりは、
ただの現代恋愛小説みたいな雰囲気で、実際そういう色恋があり、
惚れた晴れた、逃げた追ったみたいな話しが続くのだけど
その背景というか、気づくと、上述したような問題が
静かに近づいてくるといった感じで、押しつけがましくなく、しっかりと問題をとらえていて
凄い小説だと舌を巻いたのでありました

問題はあるが、その根幹がどこにあるか、
何がそうなのかを見極めて語ることの難しさ、
他人ごとを自身のように騙ることの愚かさというか
気づかぬ刃があると気づく物語であった
凄くよい小説だ

光る君へ  とだえぬ絆

2024-10-13 22:18:11 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「光る君へ」
視聴完了していました
かなり尺を割いての弟話で、大変よかった、
大きな物語として、弟の存在はイベントをどうこうするのではなく、
ただただ、姉を支えた、心のどこかに余裕をもたせていた弟であったと
そう思わされて、なんというか、実によい姉弟物語だったなと
人情話として受け入れていたのである
しかし、従五位の下とは、出世したもんだよなと改めて思うばかり
立派に貴族となってたのかと感慨深いというか、
また、それを待っていた「いと」の心持と、あれこれは
大変よかったと思うのである

その弟の死因というか、死があまりに唐突であったし
苦悶のそれであったのが、
同じく死んだ伊周との対比として、むしろあちらの方が安らかに死んでいるなんて
なかなか悲しいものだと思わされたわけだけども、
まひろの一家と、道長周りというものの対比で
逆転ではあるが、まひろ側が悲惨であるというのは
何かの因縁を描いていたのか、わからんが、切なく感じたのである

さておき、結局道長は賢子のことは知らぬままといった感じだが
これはひょっとするとミスリードで、とうの昔に知っていたとか
そんなことになったりしないかしらと思うけども
それだと、あまりにも興味がなさすぎるかと
物語の落としどころというか、面白さというのの匙加減が難しいなと感じるのである
とはいえ、父上の実に素の受け答えというか、
あれに伴う一連の不審が大変よろしく、嘘のつけないというか、
もう、なんかあったら、すぐわかる人なんだなと
それをまた、まひろが、しっかりと言いつけておきますなんて言うあたりも含めて
あり得ない感じの会話なんだろうけど、大変面白いなと感じ入ったのである
このドラマの、こういうところが凄く好きだ
細やかな嘘というか、面白さがよいわ

結局、道長も人の親で、あれこれとなっている姿の面白さもあるし、
それがまた、物語と現実をごっちゃにしているという
結構現代でもよく見るそれになってしまっているのもまた
いとをかしといった具合で、冷めてみているまひろの姿もよいし
関係性が輻輳しているように見えて
とても好きだなと思うばかりであった

ともかく、今回はあまりに悲しい別れというのが大きなものを〆たけども
静かに、道長体制の地ならしが始まったという予感もあり
帝もさっさと片付きそうな感じが
不穏でまた、大変楽しそうであるなと思うのであった

【読書】クスノキの女神

2024-10-12 20:55:33 | 読書感想文とか読み物レビウー
クスノキの女神  作:東野圭吾

想いを預けることのできる、不思議なクスノキがある神社を舞台に
いくつかの想いをつなげる物語になっていた
ラストシーンが切なすぎて、思わず泣いてしまったわけだが
一定以上年を食うとこれはきくなと
しみじみ、いつか来るかもしれない未来として
それを読んだのでありました
ただ、この本のテーマというか、ある種の主張に沿うなら
そういうことはおいといて、今、現在というのを大切にしようと思う

そんなわけで、ストーリーとしては2つ、3つくらいが
同時進行しているといった感じではあるんだが
登場人物がそれぞれ、何かしらそれはどうかしらと思わせる行動をとったり
ある意味人間くさいけども、自分が偏狭なのか、
特に主人公のそういう部分が、気になるというか
赦せないとまではいわないが、よくないなと思うところが多いのだけど
それこそが人間だというキャラクタ作りなんだろうか
ともかく、物語を進めるために、盗み聞きみたいなことをいくつかやるので
どうもよくないという気持ちで読んだのである

ある事件が起きるのだけど、その犯人もかばった人物も
なんか、それぞれよくないところもあってという感じで、
一見美談みたいな感じにも見えなくもないといった感覚になるが
どう考えても、よくない、これまた、赦されないのではないかと
思ったりしてしまうのだが、それについては
一応の決着を見るので、まぁいいかと、なんかやっぱり心がささくれるような
そんな気分になってしまったのである

と、まぁ、そんな事件や人物たちをのらりくらり読んでいたわけだが
最終的には、神社のオーナーというでもないが、
主人公が頼りしきりの叔母の状況が変わってくることによって
その姿と、そのありようが、なんというか感動的すぎる
いや、ただただ生きているというそれなわけだが
主張にあったような、今をというものとものすごくリンクして
また、そこに至るまでに一人の少年のこともあったりして
「想い」というものについて深く考えさせられる
凄くいいフィナーレを迎えたなと思わされたのでありました

最終的には、よかったなという印象で終わってしまうので
ちょろい読者だと思ってしまうところでもあるけど
ミステリという部分ではなく、人間の生き方という部分について
はっきりと別れて描かれていて、
そして、生き方の方が、とても印象に残る小説だったと思うのである

【ドラマ】虎に翼

2024-10-10 21:15:13 | ドラマ映画テレビ感想
NHK朝の連続テレビ小説「虎に翼」
視聴完了していました
主演の伊藤 沙莉が上手すぎるなと思っていたけども、
今回は今までのとだいぶ違って、いつも通りの部分もあるけど
ちゃんと丁寧に主演をやってて凄いと改めて感心したのである

率直な感想を書いてしまうと
個人的には、新潟行ったくらいまでが大変楽しかったというイメージで
そのあとは、ちょっと難しくなりすぎたというか、
寅子の話しではなく、法律とそれを取り巻く世間の話しになってしまったので
いまいち面白くないとか思ってしまったところ
朝ドラに何を求めるのかということでもないはずだが、
見ていて、唐突に思想的な内容へのあれこれを議論する物語になってしまったのが
なんというかとてつもなく残念に感じてしまったのである
大切ではあったろうと思うのだが、もうちょっと整理して、
あれもこれもやるんじゃない方が、寅子の法律のドラマという感じになって
収まり良かったんじゃないかしらとか思うのである

と、まぁそんな感想を抱いてしまったので
そもそも本作は、寅子ではなく、それを含めた6人の女性の物語でもあったわけでと
色々思うところはいっぱいあったという話しになってしまうのだが
ヨネさんの尖りっぷりとかも好きだったし、
あれが寅子と対になっているという展開をずっと期待していたんだが
その対立軸がちょっとあやふやといってはなんだが、
寅子が寄り添いすぎているようで、ヨネさんの方が気を使って離れたりとか
なんか、そうじゃないなと思いつつも、熱い友情を見たとも思えて
なかなか楽しかったのでありました

まぁ、なんだかんだ序盤のコメディ調が抜群によくて、
お父ちゃんの懺悔のあたりとか、花江ちゃんのかわいらしさとか、
お兄さんの「俺にはわかる」が歴代するあたりとか、
ああいうのがすごく楽しかったなと思うのだけども
それらをなんもかんも持っていってしまった戦争の悲惨さというか
猪爪家を襲った悲劇と戦争というのは、
凄くドラマとして印象的だったなと思うのである

そのあと、あと沿いとして出てきたのが、岡田将生で
これがまた、男前すぎるだろうと
前々から思っていたのが、いよいよ、完成されてしまったと言っても過言ではない
凄まじい男前っぷりに驚いてしまったわけだが、
そのなれそめというか、なんか、別姓にしてどうのと言い出してから
なんかおかしくなったようにも思ったりして、
あのあたり、桂場が諫めたりしているところがいいラインだったなと思うのだけど
なんだかんだ、ちょっと当時にしてもファンタジーすぎる思い切りが目立ってしまっていたと
感じたのでありました

とはいえ、半年みっちり楽しんで見られたので
よいドラマだったとも思えるし、話題になって、現在入ることもままならないほどの
名古屋の裁判所後も見に行って、あの法服見たりして感動したりと
しっかり堪能できたので、とてもよいドラマを楽しめたと
メモっておきたいところである
俳優さんはみんなよかったのだが、余貴美子さんが上手すぎて、
なんか妙なポジションやってるなと思ってたら、
あの認知症演技が、まぁ、朝から見るには辛すぎるレベルだったのもよい思い出である
すげぇ女優さんだと改めて思い知ったのであった