CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】将棋エッセイコレクション

2024-12-31 14:01:36 | 読書感想文とか読み物レビウー
将棋エッセイコレクション  編:後藤元気

タイトルの通り、様々な人の将棋に関する文章を集めたもので
なかなか味わい深い読み物でありました
今でこそ、結構古いといえるような時代の文章がいくつかあり
その頃、つまるところ、現在大御所として君臨する人たちが若手の頃の話もあったり、
もっと前の、大山升田といった頃の話もありというわけで
大変読み応えがあってよかった
特に、加藤一二三先生についての描写が、
当時の感覚、やはり天才として受け入れられていた様子が見られて
読んで大変楽しかったのである
まぁ、この頃の将棋指しって、おおよそ変な人ばっかりであったが
天才だから仕方ないで、全部済ませてたわけだな
そう思うと、現在の将棋界の状況は随分異なるものになったと
改めて思い知るのでありました

個人的によかったなと思ったのは、
河口先生と、桐谷先生の戦記に関する往復書簡めいた応酬の分で、
まぁ、この頃の観戦記、それも同業者内のそれというのは
なかなか辛辣であったのだろうとうかがい知れるところで、
これでもまだ、遠慮した文章だろうが、本当の控室風景だと
だいぶひどい言いざまであったろうことが透けて見えて
凄くよかった
やっぱり、こういう底意地の悪さがいっぱいであってこその将棋よなと
最近の、一見すると聖人君子っぽい集まりというのへの違和感というか
一種の安心があって、とてもよかった
いずれも天才の集まりであるということに端を発するわけで
誰もが自分は天才だと思っているから、観戦しているそれのミスであったり
指し手のあれこれについての野放図なやりとりというのが
物凄く面白くて、また、真剣に怒るというのもまたわかる感じがして
いい口喧嘩だなと思ったのでありました
こういうのをもっと読みたいなと思うのだが、最近ではもう見られないだろうと
コンプライアンスでもないが、炎上案件がどうしたという時勢
絶対世に出てこないんだろうと淋しいかぎりである
もしかすると、イベントなんかで、さらっと喋ったりとかもしていそうな気がするけども
それもまた、ファンの中身が変わって来た昨今、あり得ないのかもしれない

この頃に、すでに将棋界の未来を憂えての文章もいくつか収録されているのが興味深いところで
その通りの部分もあるし、まるで違うところもあるしと思うのだが
どうしたら将棋が興行として成り立つかについては、その通りの路線に
現在うまく着地しつつあるんじゃないかと思えて
なかなか興味深いのであった
極論して、現名人と元名人さえいれば、将棋という文化自体は続けられるというのも
ひとつ、考え方としてなるほどと思うところなわけだけども
普及においての難しさというのを改めて思うばかりであった

ともあれ、大変楽しい一冊で、あれこれ楽しめた本でありました

【ドラマ】雲霧仁左衛門6

2024-12-30 21:08:12 | ドラマ映画テレビ感想
NHKBS時代劇の地上波放送でありました
年明けからファイナルシーズンが始まるのだそうで
すごい見たいなと思いつつも、当然のように地上波卸を待つばかりの身分であるが
それはそれとして、第6シーズンを見たのである
今回はがっつり京都が舞台ということで、撮影所も近いからとか
諸々の事情もあろうと思うのだが、大変楽しく見たのである

今回はかなりわかりやすくというか、
もう、取れることが前提になってしまっているため
その過程を楽しむだけになってしまって
正直物足りないとも感じたりしたわけだが、
まぁ、それはそれとしてドラマとしては一本筋が通ってるので
時代劇として、こういう感じでいいんだよと
毎回の妙なからくりを楽しみながら見終えたのでありました

個人的に気に入ったというか、面白いと思ったのは
京都の茶文化をだいぶぶっこんできたところと、
茶道具であれこれというあたりだったわけだが
まぁ、雲霧っぽいかというとちょっと違うなと思ったりもするんだが
茶歌舞伎とか面白い要素で楽しめるなと
あのあたりは、詐欺というか、仕掛けがだいぶゆるいので
そんな簡単なやつかよと思ってしまうのだが
もう、そういう漫画みたいなもんだと思えば、逆に楽しいと
ある意味時代劇らしいそれだと大層気に入ってみてたのである

先日、新シリーズの番宣番組であれこれ聞いてたたら、
やっぱりというべきか、第2シーズンまでが原作のそれで、
あとは原案になってのテレビシリーズということで、まぁそりゃそうだよなという
だんだんとエンタメといったらいいか、作りが甘い娯楽シリーズになったと思いつつも
今回もその娯楽部分を大切にしながら、お約束を踏襲して楽しく
新メンバーばっかりだけど、さも前からだったみたいな感じも含めて
まぁ、そのあたり丁寧に描く暇がないのはわかるんだが
さすがに急ぎ働きの仕事すぎるだろうとか思ってしまうのは、仕掛け人とか鬼平で
鍛えられすぎてるかと思いつつも、まぁそこは目をつむってみるべきであろうと
偉そうなものいいで見ていたわけだけど
気づけば、がっつりと、中井貴一さんのかっこよさに吸い込まれていたのでありました
なんであんなにかっこいいんだ、ちょっと特撮すぎるだろうと
いろいろなシーンで疑問もあるんだけど、たたずまいだけでそういうものかと
思わされてしまう、すさまじい説得力が雰囲気に備わりすぎている

そんなわけで、今回も大変楽しく見て
人情話としてもよくできてて、とてもよかったなと思って見終えてしまったのである
一年くらいしたら、最終シーズンを地上波でもやってくれると祈りつつ
見終えたのでありました
しかしラーメンズを俳優としてみるようになるとはな

【読書】フーテンのマハ

2024-12-29 21:05:03 | 読書感想文とか読み物レビウー
フーテンのマハ  著:原田マハ

作家の原田マハさんのエッセー
作家になった時の話と、これまでの来し方、
その間、根っこにあったというフーテンとしての生きざまというのがメインで、
旅グルメ本のようなテイストではあるけど、そればかりではない
ある女性の日記めいた感じで、とても読みやすくてよいエッセーだった

興味深いエピソードも多くて、
前職で美術関係の仕事をしていたというのは、まぁ知っていたところだけど
40過ぎくらいで唐突に、それじゃねぇなと思って仕事をやめてしまって
どうしよっかなーと、なんとなく書き物しながら
旅をしていたら「カフー」に出会ったとか
まぁ出木杉だなと思うのだけども、本当にそうなんだろうとも思ったり
このあたりのてらいが、どちらともと、ならない絶妙なバランスがあって
すごくいいなと思って読んだのである

晴れ女の話やら、食べ物のあれこれやらも
普通のエピソードで、そこらにありそうな話なんだけど
それが、本当に等身大というか、生々しさとも異なる筆致で
とてもよかったのでありました
この絶妙な抜け方というか、抜いているという言い方は異なるな
楽しく、それだけではない、そのままだけど生々しくない
このたゆたいのある感じがいい文章だなと
しみじみ読んだのである

正直、最初のほうはエピソードが短すぎるのでもったいないと
さくさく読んでしまっていたのだが、だんだんと長いのになってきて
割と、エピソードがかぶっている話もあるんだけど
それぞれ違う魅力で読める文章になっていて
大したもんだと感心して読み終えたのでありました

食べて書いてと、そうやって生きている姿が
うらやましいなとも思うし、いいなと思うのである

台北弾丸旅行 07 南門市場と台北植物園

2024-12-28 21:05:35 | 台北弾丸旅行(2024)
腹ごしらえも終わったので、また観光に戻る
観光と言いつつも、知人が台湾素人だけど生鮮業界のプロのため
現地のそういうところに行きたいというオーダーのもと、とりあえず綺麗めで見ごたえもあろう南門市場へ



前回訪問時に、個人的に味をしめたという感じなので
手慣れた風で連れまわしてみたけど、思ったよりも楽しんでもらえてよかった
現地ならではの、超でかい饅頭とか、こういうのが異国情緒に溢れていてよいようだ




生鮮コーナーも、日本じゃ見ない魚も多いのだそうで、さっぱりわからなかったが
知人が大興奮していたのでいいものを見たのだろう、ただの魚にしか見えないのだが
日本じゃ食べられないとか、まぁ、色々あるんだろう(興味なし)
一方で、現地の野菜シリーズの方は個人的に興味もあり、
芽キャベツでもないのに小さい寒玉型のキャベツが売られていて衝撃だったのである
そういう品種か?と思ったのだが、どうやら、一度収穫した後にまた出てきた葉っぱが
こういう感じに結球するんだそうで、豆知識を手に入れられて満足であった

そんなこんなで現地の台所をのぞきながら、
しれっと、カラスミも格安で手に入れたりして大満足でありました
ここだとノンブランド品というか、カラスミが無地の真空パックになってるのがあって
こいつがとても安いのである、けど、偽物だったりとかそういうこともあるんだろうか
わからんが、安いのでよしとしておく



さて、市場をあとにして、地下鉄を小刻みに使いながら
今回初めて降りた小南門駅、気になってはいたけど、一度もいったことなかった
台北植物園へと伺うことに
地図の通り結構広くて見所も多い、このまま突き抜けると南機場夜市にまで繋がっていくというのが
ステキだと思っていたのだが、知人の一人がそっちに興味なさげだったので
今回はちょろっと見て回っただけで終わってしまうのであるが
ともかく、台北、いや、台湾でも随一の植物園に侵入である



ヤシ並木とでもいうようなところを歩いていき、途中にはコリウスの花壇があったわけだけども、
このコリウスの立派なこと、色鮮やかなことに度肝を抜かれる
日本で、安いポットで売られていて寄せ植え花材にちょっと使われるだけが関の山だが、
流石台湾、暖かいおかげなのか、もはや木立になってて、その旺盛さがまったく別の姿に見えるほど
実に素晴らしい





多肉植物園が有名とのことだったのだが、まさかの多肉露地植え園で、
どこの生産地だという見ごたえがすごくよかった
リュウゼツランの仲間が、あれこれといっぱい生息していたが
どれもこれも元気で、流石暖かい国は違うなと改めて嘆息見舞うばかり
そのほか、ホタルブクロっぽいけどサイカクだとか、路地で当たり前に咲いてるカカオなんかもあって
大変見ごたえがあってとても素晴らしかった
このあたり、大興奮で見てまわってしまい、あんまり写真撮らなかったのが残念なんだが
ここもまた、植物好きにとっては、かなり時間使って遊べるところだなと認識
知人を連れていないときにまた来ようと心に誓うのである




と、うろうろしていたら、突然人だかりに遭遇
なんだなんだとみていると、みんな凄い豪華なレンズつけたカメラをもって密集している
身振り手振りであれこれ聞いたら、撮影した写真を見せてもらったのがこれなのだけども、
どうやら、ムギマキなる渡り鳥がやってきていたそうである
3枚目の写真が私のカメラの限界だったのだが、一応オレンジっぽい鳥が写っているので
多分撮れたと思うのだが、その人気の凄さに慄いたのでありました
台湾といえば、バードウォッチャーにしても天国であった


温室の中にひっそり飾られていた、「超兜」の名札が渋い
いわゆる日本産スーパーカブトである、俺じゃなきゃ見逃しちゃうね(そんなことない)



というわけで、植物をかなり堪能できたので個人的に満足して
園としては半分も見てまわってないが退散したのである
帰り道に、ヤシの皮が剝げ落ちていたのを見たんだが、これが凄い固さで
こんなもん直撃したら大惨事だなと戦慄したのである
こういうところは気を付けないといけないなと、海外であることを思い出しつつ
大変楽しんで見終えたのでありました

つづく
08 西門町と中正紀念堂

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06 鼎泰豊台北101店

台北弾丸旅行 06 鼎泰豊台北101店

2024-12-25 21:05:38 | 台北弾丸旅行(2024)
さて、タイトルの通りである
昼飯に昨日は満員御礼で入ることすらかなわなかったが、
昼時ならなんとかなるだろうと改めて挑戦することに
昼ちょっと前についたが、90分待ちとのこと、しかしもはや待つしかあるまい
というわけで、少しばかり周りをうろうろとする



台北101である
今更だが商業施設なので、案外観光客がうろうろできるところは少なくて
なんだったら、ここの近くにある高級デパートに入ってる鼎泰豊の方が
空いてたんじゃないかと後から思ったのだが、仕方ないのである
ともあれ、観光客よろしくビルを眺めやる



そして、同行者が特に展望台には興味がないとのことだったので
登ることはなく、とりあえず展望台入口まではいってみるとこんな感じ
自分も登ったのは10年くらい前かと思うと、今一度登ってもよかった気がせんでもないが
600元(3000円)はなかなかお高いのではないかと尻込みしたのである
この時、大谷翔平選手の5050球も飾られていたようなので
見たらよかったかと思ったりもするが、さして野球に興味ない人からするとそんなもんである



101内にあるスーパーにて
まるで日本のような品揃えのところもあったりしたのが面白かったのだが
案外、現地スーパーをめぐるというのは、観光の楽しみ方としてありなのかもしれんと
今更ながらに思い至ったのであった
しかし、まるで日本じゃないかという品揃えが面白かった
無論、日本ぽいけど実際は台湾ナイズされている消費なのだが



そして時間どおり90分待って入店
予約システムではないけど、どうやって時間計ってるのかわからんけど
本当にぴったりで驚いたのである
中ではせわしなく小籠包が作られまくっている


まずは、蒸し鶏の紹興酒和え
これが凄い美味くて驚いた一品
台湾のガチョウだから絶対骨あるだろうと思ったんだが、流石鼎泰豊、
骨のかけらすらもなかった、凄い食べやすいしかつ美味い




そして、小籠包とへちま小籠包
どっちもうまいうまいと食べられたわけだが、
へちまの方は結構臭みというか、へちまの臭いが強めで
これだったら他店の方がいいかもななどと偉そうなことを思ったのである



青菜炒めとエビワンタン
エビワンタンがピリ辛なんだが、この辛さが絶妙で
辛いけど美味いから、どんどん進んでしまうという素晴らしいたべものだった
青菜炒めは相変わらず安定の美味しさである
今回は空心菜であった



そして、エビ炒飯に牛肉麺の紅の方
やいのやいのと3人で結構散財したけど2300元くらいだったか
同行者の一人のお祝いをかねていたので、そこはそれとして満足してもらえたのでよいのである

特にエビ炒飯の安定したうまさに感激したのだが
炒飯はそこまで高級という認識がないせいか、
同行者的にはうまいけども…みたいな感想なのが残念だったけど
美味いからいいじゃねぇかと思ったりするのである
きっと次も俺は食べるだろう


そして、ここにも進出している猫ちゃんなのか、そうでもないかわからないロボット
ちゃんと働いていてえらいなと思ったのである

大満喫して、いかにも台湾で食べ遊んだという気分をマックスにして過ごしたのでありました

つづく
07 南門市場と台北植物園

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05 建國假日玉市・花市

【ドラマ】藤子・F・不二雄SF短編ドラマ 第2シーズン

2024-12-24 21:05:17 | ドラマ映画テレビ感想
以前の第1シーズンに続いて、夜ドラ枠で
結構変則で放映されて、なんとか全部見ることができたのであります
前回も思ったけど、絵面の再現に苦心しすぎているというか、
あそこまでコスプレ感を出さなくていいのにと思うのだが
そろそろそのあたりも二週くらいまわって、いい感じかもと
思ったのが、魔女のお話で、
原作の方のことがわからないので、エスパー魔美とどっちが早いのか、
これが原作というか、原案としてあったんじゃないかと思ったりしつつ見ていたんだが
あの藤子不二雄っぽさの再現度が素晴らしかったので
ついつい見入ってしまったのである、が、これは藤子不二雄だからだよなとも思ってしまうところ
普通のSF短編ドラマとしては、なかなかひどいといっていいか、
いや、あの間の抜けた感じがよいとみるべきか、どうなんだ
ともかく、かわいいなと思わされたのは確かである

そのほかは、結構チョイスが重めだったように感じるのだが、
割とビターというか、シリアスな内容におっと思わされたりしていたのだが、
一番よかったのは、オチまで含めても、3万3千平米で、
このドタバタと、悪魔(?)の再現度というか、考えてみるとシーズン1の時も
エンケンさんがやった悪魔の出来栄えが見事だったことを考えると
こういう感じが、ドラマと一番親和性が高いのかしらと思いつつ、
劇団ひとりがいい味だすなと感心しながら、それでいて、
当時流行ったであろう惑星の土地という話しが実によかった
根本的に、宇宙とか、悪魔とかあれこれ出てくるけど、みんなちゃんと法律というか
ルールは守ろうとするのがいいところだな

いかにもSFという、宇宙の端までいって帰ってくる話しは、
これは役者に重たすぎるだろうという、ほぼ一人芝居じゃないかという中で、
宇宙とか、そういうことがあるけども、結局は人間の心を描いているなという感じで
凄くよかったと思うところ
ここで流石の森山未來をもってくるあたりが、流石にすぎるなと感心して見終えたのであるけども
あの短い中で、だんだんとうらぶれてきたという感じを見せるのは
相当大変だったろうなと思いつつ見て、その違和感のなさに驚いたわけだが
最後のカタルシスというか、あのあたり、あの絵はまさに漫画の通りだと
感激して見終えたのでありました

【読書】街とその不確かな壁

2024-12-23 21:08:26 | 読書感想文とか読み物レビウー
街とその不確かな壁  作:村上春樹

久しぶりの村上春樹
多分、またわからないまま、手ごたえを得ずに読み終えてしまうだろうなと
思ったり考えたりしながら読んだのだが
今回は、より一層わけわからんというか、結局なんだったか
さっぱりわからんまま終わったんだが、
あとがき読んで衝撃的だったんだが、旧作のリファインだったそうで、
はたしてもともとはどういう物語だったのだろうか
それすらもわからんし、まぁ、これはこれでいいかと
とりあえず読み終えたというメモだけおいておくのである

ありていに、簡単な話しとしては、
ある種の失恋話しで、それをずっと引きずってる男の話しのようにも思えたんだが
それにしては、入り組んでいるし、もしかしたら
最初はそういう話しのつもりだったけど、それがそんな単純なことではなく
ただただ深く何かがあるために、男子たるもの失恋すると
ああいう感じになるのだという、そんな話しだったりしたんだろうか
それはそれで面白いというか、
ようやく、村上春樹と会話できそうとか思ってしまったけど
多分そんな感じじゃないな
そんなわかりやすく軟弱ではないだろうと思えば、やはりわからんと
思いつつ終えたのである

想像上の街、高い壁に囲われた街という抽象的なお話で、
そこから来た少女と、そこへ行った男と
そんな行き来の話しのようでもあったが、
人間の影とか、本当のとか、そういうともかく実態のない話しばかりで
だけど、それが厳然とあって、そこに囚われるでもなく、
その内にある語られることのない因果みたいなのに縛られているような
そういうお話であって、色々設定は面白いので、
もしかするとそれぞれが何かのメタファーでとか、そういうことかとも思ったけど
それすらも、もはや放棄したんじゃないかと
そういうしゃらくさいことはしないという感じですらあるのか、ないのか、
よくわからんまま、でも、なんかありそうな風だけで話しは進んで
街に入り、街から戻り、また街へ行き本当に帰る
そんな物語になっていたのであった

最初の街から戻るくだりくらいまでだったら、
やっぱり壮大な失恋話しだったで辻褄があいそうというか
そうであってほしいとか思いつつ読んだわけだが
そんなはずもなく、もはやそういうことではないと突き付けられたようでもありながら
さりとて、強く愛した人をもつとそこで燃え尽きる話しとかがあったりして
なんというか、もやっとして読み終えたのであった

結局なんだったか、わかることもなく
また、村上春樹を読んだという事実だけ手に入れた読書であった

台北弾丸旅行 05 建國假日玉市・花市

2024-12-19 21:07:10 | 台北弾丸旅行(2024)

雙連朝市からぼちぼち歩いて北上していく
街並みがいかにも台湾といった感じで実に気持ちがいい
こういう野放図にベランダ園芸ともいえぬ樹木がわしゃわしゃしているのがいい



九府仙師廟
通り道に、雰囲気のある、いかにも街中の廟というやつがあって
ちろっとだけ見ていく、知人はさほど興味がない人たちなので
もう少し見ておきたかったが、道教のそれであろうとあたりをつけつつ
拝拝しておくのであった
後から調べたら、この隣に四面佛があったらしく、それを見たかったとほぞをかんだのであるが余談


さて、MRTに乗ってまた移動して忠孝新生まで
そこから少し歩いて、なんとカバランの台北支社的なものがあって
是非中を見たいとか思ったものだが、朝早すぎてまだやっておらず
予定地も近いためそのままスルー


そしてたどり着いたのが、懐かしの建國假日玉市
この看板はまったく変わってないことになんとも感激



中は見事なまでに閑散としていて、これはまぁ、朝早いから仕方ない
今回は玉市ではなく花市の方メインのため、まぁ、雰囲気だけ紹介といった具合で
さりとて、初心者には大変珍しいと映るようで、興味深く見入っていたので満足であった


そしてメインの花市へ




こちらは流石の大盛況といったところで、
ブーゲンビレアの見事な鉢揃えにはじまり、台湾ならではの果樹花木、
なによりも多肉植物等のふんだんなこと、そして驚くほど安いこと
この時、すっかり為替が悪く5倍計算でと思ってもなお安い、
これだけの植物を週末に持ち込んで、そして、結構な頻度で売買がなされているというのが
台湾の凄いところだなと感心するのであった
みんな、植物好きなんだろうな、あるいは、そういう気持ちでなくても
植物を育てる、あるいはそばにあるというのが当たり前なのかもしらん


いくつかの土産物というでもないが、植物以外の販売もあり
こちらは、実際の蜂を見せながらの蜂蜜販売
これがまた、龍眼蜂蜜なので、無茶苦茶ほしかったんだが機内持ち込みできないので断念
代わりに龍眼のドライでも買おうかと迷ったが、試食だけして買わなかったのである
凄い美味かったんだが、本当、なんで買わなかったんだろうか
龍眼のドライは、燻を使っていたと思われ、噛むほどにコーヒーみたいな香りも感じられて
大変よかったのである、思い出すと食べたくなるな





そして、植物の数々、個人的に持って帰りたいと思ったやつばっかりだが
植物検疫を通すことが極めて難しいのも含まれているわけで
安いけど、見ているだけが関の山である
日本でも見るが、ハオルチアの糸毛のやつとか実にいいなとしみじみ思うし、
蘭はやっぱりパフィオだなと思うばかりである
そのほか、昨今日本で人気のビカクシダも、それこそ品種シリーズが出そろっていると見えて
大変見ごたえがあったのでありました




そのほか、金魚というか、メダカも売られているところもあったり
水生植物も豊富だなと、なんだかんだ2時間以上うろうろしたのであった
大変楽しい時間を過ごしたのである
最後のは、思いっきりジブリのそれっぽいが、確実にバッタもんだろうと思いつつも
こういうのがまだあるのもまた、いいななどとノー天気なことを思ってしまうのであった
昼飯の時間もあるので、そろそろと名残惜しくも移動することになったが
ともかく、玉市含めたら本当に丸一日過ごせるのではないかと改めて思い知ったのであったが
初心者向けの観光地だったかというと疑問ではある

つづく
06 鼎泰豊台北101店

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04 雙連朝市と燕山湯圓

【ドラマ】宙わたる教室

2024-12-18 20:54:52 | ドラマ映画テレビ感想
今年一番だったな…
思わず呟きたくなるほど素晴らしいドラマだった
原作未読なんだが、ドラマとしてとても楽しめたので
これがいいのだと思ってえしまうくらいなわけだが、
出てる俳優もみんないい感じでがっちりはまってたし、
物語が、定時制で年齢様々だけど学校者として、青春ものとして完璧な出来栄えで
もう見終わって思わず泣いてしまったくらいよかったのでメモっておく

大きな軸といっていいのか、先生がとても優れた研究者なんだが、
訳ありで定時制の先生をやっているというあたりだったけど、
それはそれとしてといってもいいほど、科学の面白さが伝わってくる、実にいい内容で、
実験とはこういうもので、そこで楽しむという姿が見られてと
ああもう、凄くよい話しだなと、それだけで感激してしまうくらいだったのである

序盤から、ちょっとずつ科学実験を見せて、
それが割と単純なそれでも、拡大というか、実験の真意というものが見えると
本当に青空が見えたりするんだなという淡い関心の芽生えを向けておいて、
登場人物たちが、そこに少しずつ引き寄せられていく、
様々な問題も抱えているし、人間ドラマとしても見所たっぷりだけど
そういうのを背景にしながら、それと軸を変えて、科学が面白い、実験が楽しいということに
一種救われるというのが、なんというか、もう見ているだけで感動してしまういい話しだった

馬鹿にするというわけでもないけど、荒唐無稽のように思えた「火星を作る」ということが、
実験装置としてどういったものになるか、そこを考えることも科学だというのが、
実験やらない自分みたいなのにすると、なるほどなとすごく腑に落ちるところが多くて、
もっと若いうちにこの概念に触れておければななどと思ってしまうくらいでありました
もっとも、実際のところ実験は何かしら触れていたから
こういう感受性をもって触れてなかった自身を悔やむべきであるわけだが
まぁ、それはそれとして、まさにその楽しさに触れているという状態
その生徒たちの想いや生き方が、少しずつ変わるというのもまた
科学をすごく肯定していて、科学だけでなく、学ぶということに肉薄するといったらいいのか
ともかく、とても前向きになれるし、なんていい話しだと
感動感激だったのである

最終話の発表シーンにいたっては、まるで親になっのようにどきどきしながら見てしまったし、
言葉に詰まってしまったシーンで、こっちまで苦しくなるほどだったけど
その場で、あの感動を覚えたという、その体験のまばゆさみたいなのが
ドラマなんだが、凄く伝わってきてよかったなぁと、
ただただ拍手喝采で見入ってしまったのでありました

イッセー尾形さんがまた、いい演技と役どころでよかったなと思うのだけど
田中哲司さんも要所要所で清涼剤のようになっててとても好きだった
みんな何かしらあるのだけど、それはさておきといった感じの
実にポイントをおさえている起伏が見事で
全部大好きだったなと思えるドラマで、今年一番だと思えたのである

台北弾丸旅行 04 雙連朝市と燕山湯圓

2024-12-17 21:05:49 | 台北弾丸旅行(2024)
さて、二日目というか、翌日には帰ってしまうから
実質この日のみという旅程である
冒頭書いたかすでに忘れたが、今回は知人との台湾旅行で、
知人が台湾初めてだからと、比較的メジャーな観光地を渡ろうという
大変優しい企画発案で行ったので、弾丸詰め込みすぎになるのだが、
とりあえずベタなところを回っていくのである


というわけで、台湾の朝といって一番ベタな雙連朝市に到着
土曜日の朝だが、なかなか人も出ていてよい感じである


まだまだこれから出店という感じのお店もありつつ



活気のある朝の風景をふんだんに楽しむのである
知人が生鮮品関係の仕事をしているため、市場やら、地元のなんとかに
いたく感心してくれるので、案内し甲斐があったわけだが、
実際、日本でこういうの見たことないというか、日本だと朝市行かないなと
今更ながらにお上りさんである自分に気づかされるのであった



まぁそんなこんなで、まずは朝飯をと燕山湯圓に到着
以前にも入ったが、ものすごく旨かったので、知人にも喜んでもらえようと
案内したのである、簡単な日本語もしゃべってもらえるので
凄く楽に入店できるし、そこそこ地元っぽい雰囲気なのでよいと思う
少し待って湯圓をいただく(65元)
相変わらず大変美味い、何出汁とかそういうのはおいといて、
ただ美味い、この湯圓(白玉)の中の餡の美味さたるやと、
薄味のスープと相まって大変美味いのでありました
また、浮き身にスープセルリが使われているのもいかにも中華風で実によい
朝からいい感じでおなかにものを入れるのであった



朝食後に簡単に参拝をと文昌宮へ
まぁ、お店の目の前だから無視するはずもないわけだが、
輝かしいばかりの宮内をぐるぐるまわりつつ、独特の世界観を堪能するのであった
相変わらずお参りの作法は覚えることもないのだが、
ただぐるぐる回って、神像を見るだけで、何かしらご利益がありそうな
不可思議な魅力にあふれているとつくづく思う



ついでに、朝飯代わりにもう少し物を入れようと潤餅を食べることに
前回の旅行で私が味をしめたからというものであるが、
ここのお店のは、あるいは、朝だからなのか、
わからんけども、砂糖がふんだんに使われていて、これはこれでという衝撃であった
結構甘い、いや、甘じょっぱいから美味い
そしてとんでもなく大きい
野菜でヘルシーな感じと、中華ハムの絶妙な香りと味を堪能していると
突如あらわれるじゃりじゃりの砂糖ゾーンが、噛むほどに甘いとしょっぱいを混然とさせて
なかなかに楽しかったのである、ただ、個人的には前回寧夏夜市で食べたほうの甘くない方が好きかな
このあたりは好みであろう



その後も、北へ向かって歩いていき、市場を散策する
改めて見てみると、日本じゃみたことない魚とか野菜とかも売られているし
卵だけごろごろ売ってる屋台とか、考えてみたら凄いなと感心したのであった
魚については、すでに調理された姿しか知らなかったサバヒーも売られていて
サバなんて名前で、味も似てるけど全然違う姿してんだなと驚いたのである



ご当地の野菜のあれこれも興味深かったが、朝市らしく練り物屋台で
山ほど可愛らしい、そして美味そうといったものが売られていて
台湾の朝だなと感じたのだが、実際、台湾人はこれを買って家で調理してるんだろうか
いや、そうじゃなきゃこんなに人がいるわけないよなと思うのだけども
不思議な光景だと思うばかりである
昼飯は家でという文化ということなんだろうかしらね

つづく
05 建國假日玉市・花市

前の
03 行天宮と寧夏夜市

【読書】蘇える変態

2024-12-16 21:33:09 | 読書感想文とか読み物レビウー
蘇える変態  著:星野源

正直なところ、星野源という人物は急に出てきた人という感じで
歌手としても俳優としてもまったく知らなかったのだが、
ある時から急に出てくるようになって、どうやら、死の淵から帰ってきた人らしいと
そんな噂しか知らないでいたのだけども
まさに、その渦中を描いたエッセーというか、自身の記録、日記とも異なる読み物として
この本があったようだ

序盤は雑誌で連載していた内容の再録といった感じで、
実に気の抜けたというか、これ女性誌でやってて大丈夫なのかという
かなり下ネタに振った内容で、面白いけど、ノリが完全に深夜ラジオのそれだなと
苦笑い寄りの笑いを携えながら読んでいたわけだけども、
真ん中くらいで突然の暗転、まさに、本の体裁としても暗転して、
その事件とでもいうべきであろう、脳内出血になった前後の日々、
その後の苦しい復活までの日々、そして、復活してきたよといったところまで
その間の様々な葛藤というか、心情の吐露というか、吐瀉といった方がよさそうなものが
なぐりつけるように書かれていて、非常に読み応えあって面白かった
いや、面白かったというのは御幣があるな、
凄く興味深く、かたずをのんで読んだのである

基本的には根暗というか、絵にかいたようなヲタク趣味で、
そのまま生きてきていたけど、運よく音楽をやろうと思って、実際やってみてと
そういう人生だったのだけども、そこに至るルサンチマンといったらいいのか、
まぁ、やっぱりサブカルっぽい何か、ため込んでいるものというのをうまいこと昇華して
ミュージシャンとして活動してたんだなーと思わせる記述が山ほどでてきて
大層共感というか、男子高校生の会話然とした内容に
安心して読み進められていたわけだが、
病気といっていいのか、それを境に死にそうな瞬間が少々と
あとは、それを乗り越えて、当然ひどい裏側があろうけど
そこではなく、より前を向いた内容をなんとしても書こうという気概のもとに書かれているのが
大変よろしくて、読んでいて感動を催したのでありました

まぁ、そんな男も、復活して何かが変わったのであろうか
とても綺麗な嫁さんもらってる現状からすると、違和感というではないが
なんちゃって根暗かよ!と突っ込みたくなるわけだけども、
そんなことより、やっぱり、蘇って良かったな本当にと
そちらの気持ちが熱く湧き上がってくる、そういう気持ちになる本でありました

光る君へ  物語の先に

2024-12-15 21:14:06 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「光る君へ」
最終回視聴完了しました
まさにエピローグといった感じで、余韻、あるいは「であったとか」の部分であったと
思ったりしたのである
話しとしては、先週の衝撃的な引き際よりも少し前、
北の方に呼ばれる前、久しぶりに道長と出会った、あの瞬間に終わってたんじゃないか
そう思える感じだったのだが、これはこれで、
それぞれのその後というのをはっきり書いてくれるのは、これはまた楽しいと
見られて大変満足である
このあたりは、セリフの上で、光る君の最期が描かれなかったというところを尊重しながら
このドラマとしては、蛇足であろうかもだが描くという矛盾でもないけど
何か思うところがあったのかなと感じさせるほど
いい感じだと思ったんだが、考えすぎだろうかね
でも、大河ドラマという一種歴史再現の劇であるとすれば、必要だよな

実際の話し、ここまでの盛り上がりから
まったく反対というでもないけど、本当に、その後のシーンを切り抜いて並べたといった
ある意味平坦で、静かな回だったし、
なんだったら、最後の千夜一夜的なそれこれは、穴を埋めていただけではないかと
そんな感じすらもある展開で、
個人的には、道長には、仏の糸を手繰っていてほしかったと思ったりするのだけど
このドラマとしては、まひろと一緒であるということが
とても重要かとも納得できるし、
倫子様のすばらしさというか、その心中はと思ってしまうのだが
その後の物語は、まひろと出会うところで仕舞となり
始まりにたどり着いたところで、円環が満ちたみたいな感じで
綺麗に終わったと感じたりでもあった

まぁ、そこに至るまでに、ききょうさんと話ししてるシーンがあっただけで
凄くよかったなと思ったのだが、ききょうさんのメイクが気合入りすぎだったので
せっかくなら、紫式部もそれくらい盛ってくれてもよかったかなと
思わなくもなかったが、本当のラストシーンでそれを見せるためだったかとも感じたり
これからの世を予感しつつというあたりは
この物語とは、本当にまるで違うものになってしまうのだなと思わされたりで
案外、ここで断絶してしまうものだなと
思わされるばかりであった
歴史は地続きだから、これでいいはずなのに、あまりに違う
これまでの夢とも異なる世界とは、まるで違うものが始まるという予感で終わるというのが
ラストとして破調だなと感じるばかりであった

乙丸長生きだなと感心したけど、いとさんの姿がなんとも悲しいが
父上がまだ生きているというあたりとか、色々と物語の中で
ある意味変わらなかったものとして存在した彼らがいてというのが
とてもよかったと感じたのであった

総集編にあわせて、全体の感想書くかわからんが
かなり楽しめた大河ドラマだったので、
今年一年、なんだかんだすごくよい年だった気すらしてしまう
それくらい、平安時代に親しみ、楽しんだドラマで
大変よかったとメモっておくのでありましたとか、なんとか

【読書】恋愛未満

2024-12-14 21:05:09 | 読書感想文とか読み物レビウー
恋愛未満  作:篠田節子

なんともいえない気持ちになる小説だった
けっこういい年齢になってしまった独身男性を扱っているので
まるで自分のようでもあるし、まるで違うしというのが
なんとももやもやとするといえばいいか、いやはや

町の楽団内でちょっとした恋愛のようなことが発生したと
まぁそんなお話なんだが、それの対象がよろしくなくて、
いい年齢になったおっさんが、若い子に懸想したと
まぁ平たくいえばそういう話しで、それはまずかろうと、やや若くない女性陣が心配したり
憤慨したり、それはそれとしておっさんも悪気がなさそうなのが気持ち悪いとか
まぁそんなことで、おっしゃる通りだなとも思うのだが、
そのおっさんが、本当に悪気なく、でも、もしかしたらとでも思っているという態度で
あれこれしているという様を可哀そうといっていいのか、
女性陣なりに気を使って、そういうことじゃないと遠回しから直接からと
ともかく伝えては、なんだかんだというお話だったのだが
そのおっさんも、そんな事件がなければ、
独身でちょっとかわいそうだな、わりといい感じなのになと思わせていたから
また、そのギャップでもないが、若い子にどうのこうのというのが
酷いありさまでというのが、いたたまれない

そういう空気を描きつつ、そして、結局それはそれとして
まさにそういう男にこそといったらいいのか、
よくわからんが、最終的にはそれとなりの出来事と出会いが用意されていて
まぁ、それでおさまるならいいんじゃないと女性陣がわいわいしていると
いかにも、そこらにありそうなお話がまとまっていて
大変読みやすく、まるで近所のよもやま話しで聞いたみたいな感触で読めて
面白かったのでありました

また、それとは異なるのだが、年の差と性差を扱ったといってしまっていいか、
何かしら、そういうせいにしたくなるような、ある種のコミュニティの違いみたいなのも扱っていたり、
そうかと思えば、年老いた母との別れを描いたりという
まるで違う短編も編まれていたのだが
いずれも、やはり身近にありそうな、そこらにいそうな人の物語というのが
とてもさらっと描かれていて、それでいて読まされるという
いつもながらに凄い文章力だよなと感心しつつ
気づいたら読み終えてしまっていたのであった

面白かったと余韻は残っているが
結構なこってり感があったようなのに、終わってみるとさらっと済んでいる
こういう読書になりがちな作者だと
驚いていつも読み終えるのである

台北弾丸旅行 03 行天宮と寧夏夜市

2024-12-12 21:08:34 | 台北弾丸旅行(2024)

さて、エビ釣りも十分に楽しんだので、腹ごなしがてら
近所をぶらつくことに、知らなかったんだがこのあたりに市場があって
夜市というほどでもないが、屋台も出ててなかなかの賑わいであった


釣り道具屋もあるが、素人にはちょっと入りにくい感じ
エビ釣り専門というでもないが、そういうグッズもいっぱい扱っているようだった


謎の生け簀に猫と鯉




そして、近所にあった行天宮をお参り
夜にきたのは初めてだったが、割と静かで
昼間ほど人がいないんだなと、静かにその姿を見てきたのである
台湾の夜のお寺はどこ見ても、荘厳さが照明によって増幅されていて
大変眼福である


お決まりの回廊写真も撮ってしまいたくなる



そして、ついでに地下の占い横町も歩いてくる
熱心な客引きが、すぐに日本人と勘づいて声をかけてきたけど
柔らかくお断りして、流してみてきた
半分以上が閉まってたようだが、これからなのか、
あるいは昼しかやらないのか、休日だけなのか
わからんが、日本語OKの店ばっかりだなと衝撃を受けるのである
その内これも、韓国語OKとかに変わってしまうんだろうかな
もしくは、韓国の人は英語OKだからそうならないのか



そして、旅の流れで、5000元の無駄遣いにと101へと移動
夜の101はひときわ美しいと思いつつ、鼎泰豊へ入ろうと思ったが
整理券発見終了ということで、大人気すぎて入ることすらできず
仕方なく土産物を買いあさることにしたのである
土産物はさして面白いわけでもないので割愛するが、
サニーヒルズのパイナップルケーキと、なんかおしゃれなお茶を買ったのである
5000元カードが使える店がこういうところじゃないとなと思うので
いつもだったら、軒先で売られている怪しげなお茶屋から買うんだが
茶葉よりも包装にお金かかってそうなそれらを買ったのである
まぁ、味も悪いことはないだろう


と、101で飯も食えなかったというわけなので
仕方なく寧夏夜市へと移動
当日金曜日の夜だったんだが、まぁ金曜日ならまだ空いてるんじゃないかと思ったのである



が、これが大間違いで、とんでもない大混雑で前に進むことすらままならないほど
とりあえず南から北へと向かって歩いたんだが、両サイドのお店がなんかぎゅうぎゅうに詰まってて
人がすれ違うのも大変な感じ、どうも路面工事をしているらしくて、
その分屋台スペースが圧迫されて、ただでさえ人が多いのに面積が減ってて
事故でも起きるんじゃないかというほどの渋滞でありました


工事しているスペースが、こんな感じで空いてて、
面積が3分の2くらいになっていたのである
混雑するわけだわ




だが、その混雑っぷりのおかげで、前回長蛇の列すぎて
並ぶ気にもなれなかった、オアチェンのお店が、割と短い列になってると気づき
頑張ってそこに並ぶことに、まぁ、食べ物で並ぶの好きじゃないので
今回のようにツレがいないと並ぶことなかったなと思うところだが
それでも30分くらいはじっと耐え忍び無事入店
1枚90元だが、この円環の主は流石に美味い、そして鬼気迫る様子で店頭でオムレツを焼き続ける店主というか
職人の気迫に慄いたのである、ひたすら焼き続けて、一晩でどんだけ焼くんだろうか
精神的に大丈夫なんだろうか(余計なお世話)

味は流石といっていい上手さで、カキもかなり大きめで、
タピオカ餅と思われる生地のほどよさと、甘辛いタレが絶妙で
美味い美味いと待った甲斐あったと完食したのである




そして、続いてもう一店、こちらも結構並んでいたんだが
日本でもちょっと話題になっていた、イカにキュウリ詰めて揚げた食べ物
こちらも大人気店になっているようで、長蛇の列だったんだが
オアチェン食べてる間に少し列が解消されていたので買い食い
160元と、そこそこのお値段だなと思うが、かなりボリューミーなのでそんなもんか

食べてみると、確かに想像通りの味なんだが美味い
イカそのものが美味くて、これは揚げたイカだけでいいんじゃないか(確か20元くらい安い)と
思わしめるほど、非常に食いでというか、美味さあふれるイカ焼きである
だけど、中身に半割にしたキュウリと、この店オリジナルなのか大根も詰め込まれていて
それらの野菜でほどよくあっさりさが増して、ばくばく食べられるようになってて感心したのである
凄い上手い食い物ではないが、B級グルメの王道をいく旨さといった感じが
なかなか素敵と感心したのでありました



さらに地瓜球Qだったか、サツマイモのような芋の練り物を挙げたやつも食べて
これが味付けに胡椒ついてたんだが、それが辛い辛いといいながらも、
絶妙に生地の甘さもあって、止まらない感じでばくばく食べてしまうのである50元くらいだったと思う
いかにも台湾夜市を楽しんだというラインアップを買い食いし尽くして
まぁ、初日はこんなもんでよいでしょうと、いったん引き上げることに


帰り、知り合いがどうしても食べたいといっていた釈迦頭を150元で購入
調べてみたらボられたんじゃないかという高さだが、まさに完熟食べごろで
無茶苦茶美味かったのでよしという感じである
結構大粒だったし、それくらいするもんだったんだろう
夜市の屋台の果物なんて、そんなもんかと思いつつ、初日からずいぶん食べたなと
満足して、ホテルで眠ったのであった

つづく
04 雙連朝市と燕山湯圓

前の
02 四平街とエビ釣り

【テレビ】海獣のいる海 あるトド撃ちの生涯

2024-12-11 21:05:11 | ドラマ映画テレビ感想
久しぶりにNHKスペシャルで息をのむようなのを見た

最近NHKが凝ってるのか、
いわゆるノーナレ方式で、淡々と進むドキュメンタリなんだが、
雰囲気からして、これはナレーション田中泯さんだろうと番宣の時思ってたら
本当にそうで驚いたというか、よくわかってるなと思ったわけだが
それすらも最小限で、もはや、詩といっても差し支えないようなわずかなコメントのみで
あとは、若干の本人の声や、周辺の声も拾われているが
本当に説明がほぼ入らず、
映像と雰囲気だけで見せていて、凄くよかった

礼文島で、トドの害獣被害が出ているなんて知らないし、
そこでの営みについて、何かということがあるはずもない
この番組でとらえたわずかな情報で何かを判断するというものではないから
そう、言い切ってしまうのもおこがましいけども、
まさにトドを撃ってきた男の最期を見届けたような内容で、
ここ最近のNHKが、ある種の終わり、人の死を丁寧に扱いつつ
無言で迫ってくるかのような感じが
嫌いではないなと、今回のもまた、見ていて深く考えさせられたのである

どれも言葉を尽くしてしまったら、陳腐化するなと思うほど
得も言われぬものを覚える内容だったのだが、
トドを撃つこと、その行為について、どうであったか正否を問うとかではなく
また、本人もそうではない、もっと崇高とかではない純粋さをもって
疑問や、ある種の罪を心に引き受けていたのだろうかと
これもまた、邪推となってしまうなと難しいかぎりだが
その生きざまに息をのんだというのが、正直な感想でありました

きっと、もっと原初的なもので、
トドを撃っていたのだな
多分詩歌や、そういったものでしか表せないもので
語るべき事柄で、そういう時空の出来事であり、物語なのだろうなと
勝手に感動を覚えてばかりいたのであった
鉄砲撃ちが上手いとかの話しではないが、それもまた一部分で、
そこに至るところに覚悟や精神性がという、勝手な結びつきなどなく
もしかしたらあるのかもしれないが、
そうではない、人が生きた姿、おそらくは哲学というものの世界が
一瞬形として見えた気がする
そういうものを教えてもらったというか、気づけるかという程度に
風のように知らせられたといえばいいのか

ともかく、凄くいいドキュメンタリだったと感動したのでメモっておく