CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】業界怪談 中の人だけ知っている

2025-01-29 21:05:09 | 読書感想文とか読み物レビウー
業界怪談 中の人だけ知っている  著:橘もも

どうやらNHKでやってた番組のノベライズというか、
本化したものらしく、こんな番組知らないと思いつつ
興味そそられ読んだのであります
タイトルからまっすぐに想像せず、業界ならではの怖い話しかと思ったら
本当に怪談で、オカルトめいたというか、
夏によろしい話しが揃っていて、なんか違うと思いつつも
楽しく読んだのである

令和の時代に、昭和オカルトのようなお話で
様々な業界の人たちが、その職業の人たちによく伝わっている怪談を集めていて、
清掃会社や、葬儀社、登山家、美容師と様々な人たちが
業界に伝わる怪談を語っているのだが、なかなか面白かった

個人的に、あんまりピンときてなかったけど
言われてみればというのが美容師業界で、
人の髪を切る、あるいは、髪というものに何かしら怖いものが秘められているというのは
なるほどなーと思いつつも、人の情念みたいなものに触れると
怖いことが起こるというのは理解できるところ
でも、山とかで出会うような、完全に埒外の出来事の方が
個人的にはオカルトとして信ぴょう性とは異なるが、畏怖畏敬という感じを覚えて
好きというと語弊があるけど、興味深いなと思うのである
このあたりは幽霊探偵の影響が強いせいかもしれない
化け物とは埒外であるというのを支持したいのである

が、それはそれとして、タクシー業界の誰もが知っている
後ろのシートが濡れていた話しなんてのは、やっぱりたくさんあるようで
あのあたりで拾った客だとか、様々なディテールがあるみたいで
これもまた興味深いと思うのである
古い家に取りついているというか、なんか怖いこととか、
建築現場での事故について、悪い場所というので起こるものは
みんなそういうものとして信じるというのとも異なる、
あるものとして扱うというスタイルが日本人らしくて好きだと思うのであった

超常というものはあるんだろうと思っているけども
説明できないからこそあるだろうし、
それっぽい理屈がつくと嘘臭いと思ってしまうわけで
それでも、なんとなし、その人たちだからこそわかる何かというのが
いいなと思えたのでありましたとさ

【ドラマ】コトコト〜おいしい心と出会う旅〜

2025-01-28 20:54:22 | ドラマ映画テレビ感想
夜ドラ枠でありました
富山編と新潟編、北陸を経めぐった感じだけど
うまくいけば47都道府県全部やれるのか
はたしてと思いつつも、まぁそれはそれとして
その土地の人情話を地元の食べ物を絡めつつというドラマで見せてくれた
なかなか楽しい一作でした

百貨店バイヤーってこういう仕事っぷりじゃないだろうなと
夢のないことも思ってしまったのだが
まぁそのあたりは面白いからいいとして、
あれやこれやと、おいしいものを探していくというのが
その土地の魅力に触れるという、いかにもNHK向きの内容だと
メタなことも考えたのだが
何もないと嘆く富山、雪深い新潟、
それぞれの良さというか、ドラマの良さというのが光っていて
見ていて気持ちよかったと思うのである

とはいえ、と、文句つけるのはよくないと思うのだけど
主役の「うまい」と心の中でごちるシーンの表情が
毎回怖いので、あんまりおいしそうに見えないのが残念と思ったんだが
それも繰り返されると、あまり気にならなくなったというか
さらっとでてくる地方の普通の料理の数々がいいなと
富山の漁師鍋がものすごく旨そうでいいなーとしみじみ見入ったのでありました

話は人情話と地方にありそうなといったところで
あまり深すぎず、暗すぎず、でも日本海側独特の感じといったら
失礼極まりないと思うのだけど、少しどんよりといったものだけど
食べ物で幸せにというほどでもないけど
少し明るく前向きになれるというのがいいところで
ほのぼのとみられるよいドラマだったと思うのでありました

しかし見ていて思ったんだが、ああいった地方の名もなき名物のような食べ物たちは
やがて滅びていくのかもしれんなとなんとなし、
地元の名品的に紹介されない数々のものはなくなっていくのか
そういうものがおいしいと思うけど、そうやって生きながらえるというか
食べに行くものとしてではなく、
生活者とともにある食べ物というのが、なんか琴線に触れるものがあると
思ったりしながら、次のシリーズを待ち望みそうである

【読書】星の子

2025-01-27 21:01:26 | 読書感想文とか読み物レビウー
星の子  作:今村夏子

架空と思しき宗教というか、ネットワークビジネスめいたものに巻かれている家族の物語

面白おかしいとか、狂気が滲み出ているとか
そういう感じではなく、ちょっと変わってるけどまぁ普通みたいな生活と
やっぱり、そういう感じだから疎外されているような日々と、
それでも普通にある日常、友達とか
そういうものが描かれていて
凄くとらえどころのない日常風景が浮かぶのが凄いと思って読んだ
実際こういう感じなのかもしれないなという
共感ではないが、理解ができそうなといったらいいか、
嫌悪とは異なるが、忌避してしまいそうな境遇の人を
人として見ることができる物語で、とてもよかったという気分で終わった

結構投げっぱなしでもないんだが、
お姉ちゃんがその後どうなったのか、
家族は星を見てどうなったのか、
友達の彼氏はどうなったのか、
色々と余韻や余白のある物語で、かなり親切というか
気持ち穏やかに読める普通の小説になっててよかった
まぁ、それでいいのか?と思わなくもないのだが、
他の作品にあるような不気味さは控えめで、なんかいい話しだったという方が強くて
いい話しだなーと、そんなに気分落ち込まずに読めたのがよかったと思うところ

すっかり今村夏子作品にはまってしまってて、
求めるものが先鋭化してしまうなと反省しつつ
こういう話しもいいなと思ったのである
色々な人に、それぞれの普通があるという当たり前を読めたような
そういう気分である

べらぼう  『雛形若菜』の甘い罠

2025-01-26 20:50:35 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「べらぼう」
視聴完了しました
まぁ、そうそううまくいかないなと、わかっていたけど
しょんぼりする展開ながら、忘八どもの動静が個人的に
毎回気になるというか、あまりに日和見すぎるだろうというところが
それでいいような、実際はもうちょっと切れ者であってほしいようなと
色々思いつつ、まだ、その実力を見せてないだけではないかと
期待しながら見てしまうのである
まぁ、それはそれとして、にゃー祭だったのはなんでなんだ
番宣でも、「やらしてもらいにゃす」と聞こえて、
えらい活舌の悪い俳優だなとか思ってたら、本当にそう言ってるシーンだったとはと
衝撃だったんだが、猫可愛がりというやつが
あの頃の江戸で流行ってたというお話なのか、理屈がわからん
猫可愛いからいいけど

と、その猫がいたずらして、花瓶が倒れるという酷いありさまだったわけだが、
てっきり、そういう嫌がらせをラブリンがやってきたんじゃないかと
勝手に思っていたんだが、そんな女子高生みたいなお話ではなく、
しっかりと詰められた怪しい話しだったようで、
そう見ると、案外早いうちに蔦重のところのおやじは見抜いていたんじゃないかと
思ったりしなくもないのである
なんだかんだ、愛してやまないという展開になりそうで
いかにも朝ドラっぽいが、そういうの見たいと思ってしまうのである

花魁たちの金をどうにかしようなんて、
そっから、色々考えて、PRイベントをでっちあげてしまうという
あの企画力はすげぇなと思うばかりだけども
あんだけ働いて、最後自分だけ外されるとか、
現代でもよくあるそれじゃないかしらと思いながらみてしまうわけだが、
それにその場ではぶー垂れず、帰り際に捨てセリフでちきしょーめというのが、
やっぱり後味というか、暗くなりすぎなくていいなと
バランスをつくづく考えさせられるのである
堪えないというわけではないのだというのがまた、深みとして伝わっていいなぁ
このシーンも、落としどころをちゃんと親父さんが用意してくれているとも見えるのが
まぁ、なんというか、いいなぁと思いたいのである
違ったりしたら、ということはおそらくないだろうが
よいことだわ

徳川の方はとりあえずよろしくないことが
着々と進んでいるけど、吉原と離れすぎているせいか
もう一つピントきてないのだが、田沼という体制が今をどうしているか
そのあたりをもうちょっと見たい、いや、これから見られるのかと
そっちも大変楽しみなのである

しかし、公文書偽造とか、すげぇなと思ったんだが
アレ、史実じゃないよな流石に、どうなんだ

【読書】柳生兵庫助 迅風の刻

2025-01-25 21:12:42 | 読書感想文とか読み物レビウー
柳生兵庫助 迅風の刻  作:津本陽

津本陽先生の本であります
しかも、シリーズの真ん中くらいの一冊を唐突に読むという
読書人として正しいのかわからんチョイスをしてしまったんだが
久しぶりにどっぷり時代物、剣豪ものを読みたいと思って
巻数とか、一巻とか関係なく読んだのでありました

柳生兵介(兵庫助)の生涯をおっていくような流れなのか、
とりあえず読んだところでは、柳生の里で、祖父にあたる石舟斎のあとを継ぐように
鍛錬に励む毎日と、おつきの忍者が二人という中だが、
そこにある浪人がやってきてという始まりでありました

時代としては、大坂の陣の前というあたりのようで、
九度山に真田がいて、大阪城に浪人が集まりつつあるという
不穏な情勢下、さりとて、柳生は徳川に与しておりというあたりで
徳川と大坂方との間で軋轢が明確になりつつあるときのいざこざが
兵庫助にもふりかかってきてといった感じでもあるのだが、
伊賀忍者、服部党のその後というのがポイントのようで、
そこで離反した忍者との闘いであるとか、
幕府や、大坂やとは離れて、剣の道で生きたいと願う兵庫助の葛藤、
そして、叔父宗矩という徳川にがっちり組み込まれている親族との軋轢みたいなのが
あれこれまじりあいながら、しっかりと剣豪小説になってて
なんだかんだ楽しく読んだのでありました

今回は、秘剣「天狗抄」なる技が見どころとして出てくるのだが、
それ以上に、後半にて、ものすごい強い老忍者、体術の使い手、そして宮本武蔵と戦うという
実に剣豪小説たらんというシーンが楽しいのであるけども、
ここが始まるというところで巻が終わってしまうのが憎いところ
はたしてどうなるか、次のを読めるかわからない身分で、変なところを読んでしまったと
思ったりしているわけだけども、
まぁそれはおいといて、一本の小説として、しかと剣豪小説を堪能できて満足したのでありました

女忍者の側仕えと、いい仲なんだろうけどそういうシーンが出てくるわけでないというのが
山田風太郎とは違うなと思いつつ、剣のやりとりの描写、
そして剣への心構えという部分の重厚さが読んでいて大変楽しいと
満足の一冊でありましたとさ

また、隙を見て続きか、別巻を読もう

台北弾丸旅行 13 魯肉飯と飯糰食べて帰国

2025-01-24 21:12:41 | 台北弾丸旅行(2024)
さて、あっという間である
もうちょっとあっちこっち見ることできたようにも思うのだが、
だらっと歩いて、廸化街から台北駅までずるずる移動して終わったので
その道中のことを少々


バイクに詳しくないのだが、かなりいいビンテージではないかと
知人が興奮していた二輪、現役らしくシートは綺麗でありんした



台北駅へと歩いていく途中、お宮があってなんとなく拝拝
台北も、歩いてみるとあっちこっちにお宮があるようで、
こういう風情は楽しんでおきたいと思うばかりである
やがてこういったものも減っていってしまいそうな不安もある



街角でみかけた、檳榔のお店
年季の入ったお婆さんが手際よく仕訳けているのを見かけたのだが
それよりも、さりげなく飾ってあったビカクシダの方に目を奪われる
多分これは、知ってる、いや、マニアの人のそれだと
この写真の他にもいくつかあったんだが、ただのそれとは思えない品種で
実にマニアックな装いが見事であった
この檳榔屋、実は凄いお金持ちなんではなかろうか
ちなみに、店番していた猫が物凄く礼儀正しく鎮座していたので激写
猫は万国超えて可愛い



少し歩いて、先般夜市に立ち寄った寧夏のあたりに到着
うっかり店構えを撮るのを忘れてしまったが、
以前父親同伴時は休みで入れなかった、三元號に入店
初めて台湾入りした知人に魯肉飯を食べさせてないのは遺憾にすぎるとばかりに注文
さっきお粥食べたばっかりなので、小だけだったけどおいしくいただいたのである
ただ、ここはスープと一緒にというのが定番だったようで
そっちを食べてこなかったのは失態であった、魯肉飯は非常においしかった
なんだかんだ、ちゃんとした魯肉飯食べたの久しぶりな気がする


さて、楽しく歩いていよいよ台北駅に到着
台北入りしたのに、ちゃんと台北駅を見ていなかったというのも衝撃だが
まぁ、案外外には出ないものだよなと思うところ
せっかくだからと、飛行機乗る直前に食べるため、飯糰を仕入れておこうと
有名店へと移動




青島飯糰である
初めて、飯糰を食べた店でもあるなと、感慨深く立ち寄ったのだが
相変わらず手際のよいおばあさんが、次々と仕上げていっていて
行列絶えぬお店でありました
この大ボリュームで50元という破格さが見事である、もちろん全部入りの紫米を購入
もう少し後程食べたわけだが、都合上ここでメモっておくと
相変わらずの美味さながら、他の人の注文を見ているとツナだけを所望する人が多いようで
ひょっとすると、ゴテゴテ全部入ってるより、そっちの方が旨いのか?といぶかってしまった
でも、凄くおいしいしボリュームたっぷりで大満足でありました
ツナと油条がよいと思うのだけど、アクセントにはいってる謎の漬物が美味いと思う

さて、用事を済ませてから、飛行機までの時間潰しもかねて
台北駅をうろうろすることに



ホールで何やら、聞きなれた言葉と歌がと思ったら
群馬県の観光PRがきていたようで、風輪というユニットが
流暢な中国語バージョンのテレサテンを歌ったりしていたのである
台湾のお年寄りが喜んでみていたのが趣深い


あとは、MRT移動のため、鉄道博物館の近くまでいったのだが
なんかすごい人だかりができていて、果たして何があったのか全くわからんけど
若者向けのイベントか、有名人がきていたのかといった様子でありました
ちなみに、北門がすぐ目の前のわけだが、工事中で覆われていたので撮影せず
まぁ、もろもろ見たからよろしいかという感じで時間を過ごしたのであった




そして、MRTで桃園空港まで移動、空港でもちょっとぶらぶらしていたんだが、
そのあたりは前回の時と一緒なので割愛
空港内の自販機で、5000元の残り50元ぴったり商品としてINゼリーが売られていたので買ったのである
日本のとまったく同じ味であった(当たり前だ)
移動となんだかんだでぴったり使えてしまったのだけど、
バスに乗らないと端数が出ないから、案外使い切りやすいものだなと思ったのは余談

怪しげな広告を見ながら、台湾を後にしたのでありました

駆け足ながら、これにて、弾丸旅行終了であります

前の
12 廸化街で朝食を

【読書】証言 羽生世代

2025-01-22 21:05:38 | 読書感想文とか読み物レビウー
証言 羽生世代  著:大川慎太郎

将棋における羽生世代という存在について、
他の棋士、とりわけ関係が深いであろう棋士にインタビューをしたもので
大変面白い読み物だった

羽生世代として、羽生、森内、郷田、そして佐藤康光
おおよそこの四人を念頭におきながら、
それらと戦ってきた上と下、それぞれの世代の代表者ともいえる棋士の言葉が
いくつもあわさって立体的に彼らのことが見えるという
そんな本を目指して編まれていて面白かった

最終的にはあとがきのように、もはやそれは概念というか
一面的なものでしかないということに帰結してしまう
その当たり前とか、ありきたりとかで終わってしまいそうなものに近づくけど
確かに書かれていた内容から納得というか、その人たちを見てきて
その人たちがいる世界である将棋界というものが変化した
その強い原動力となったことは疑いようもないといった感じで
凄く面白いと思えたのである
惜しいといっても仕方ないのだけど、これだけ豪華にそろっているなら
いっそ、米長先生や、大山先生のお話も可能であれば聞きたかったとも思うのだが
それはまた別の話ともいえるのかもしれんと
ないものねだりをしたくなる、これまでの、あるいは
羽生先生を中心にした平成将棋界のそれを紐解いた内容になっていたのじゃないかと
感じたのでありました

興味深いところでは、当人たちは当然のように自分たちを特別と思っていないが
その嚆矢となったのは谷川先生であるということに一致しているのが良かったと思えて、
また、その谷川先生が、羽生先生をはじめ全員への羨ましさというのを口にしている
結局はそういうもので、特別にそろっていたように見える世代ではあるが
それは、たまたまでしかなく、そこに至るまでの
将棋界という大きな流れがそうであったという結果でしかないような
そういう気持ちにもなったわけだけど
なんといったらいいか、将棋をとても楽しく面白く見せてくれる
そういう魅力を深く掘って、広げてきたという仕事が
この世代によってなされたんだろうなと朧気に知れたという気持ちで
読み終えたのでありました

もっと、たくさん、もっといいことを書きたいのだが
おいそれと言葉にならない、書かれていることは
ある種の想い出話の結集でしかないともいえるのだけど
すごくよい話を読んだと思える一冊だったとメモっておく

べらぼう  千客万来『一目千本』

2025-01-21 21:03:31 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「べらぼう」
視聴完了していたんだが、gooが攻撃受けているせいで
ブログの更新ができなかったので、回線かえて日付も変わってメモっておく次第

思ったよりもスピーディーに蔦重の仕事ができあがっていくようで
このあたりはつかみでしっかりと成功を重ねておくという
作劇上の都合かもと、いやな見方もしてしまうわけだが
見ていてテンポよく、いい塩梅で蔦重が仕事をしてて
気持ち良い内容で素晴らしかった
なんだかんだ、あれこれと考えてやっている人が
ちゃんと報われたという姿は見ていて心地よい
ドラマはこうあってほしいとか、最近年齢を重ねたせいで
つくづく思うところである

とはいえ、相変わらずおやじさんにはぶっ飛ばされるし
そのあたりの描写は、割とさっぱりしているように見せて、
結構どぎついというか、ひどいなというありさまだけど
肝心の蔦重が屁とも思っていないというので、なんとでもなるというのが
なかなかよいところだなと
見習うべきものを見ているようでもある

今回は花魁たち勢ぞろいで、キャラ立ち凄いなと笑ってしまったんだが
それ相応にあれこれ準備して、実際にそういう本があったようなので
そこからの起草だとしても、120人は大変だよなと
改めてその生産力というか、逞しさに感心したのでありました

鬼平がかわいそうなまま、とりあえずは破産するところまでいったようなので
しばらく出てこなくなって、次に現れたらすっかり鬼平になってんだろうと
楽しみにしたいところだけども、どうしても、大富豪に見えてしまいそうなので
不安は残るんだが、こういう鬼平がこのドラマの鬼平かと思いつつ
帰りを待つばかりである
最後も、なんだかんだ、大通として上がった感じなので
江戸っこ的にはOKなのか、花魁と蔦重が言ってるだけなのか
わからんが、気風良く進んでほしいと願うのであった

幕府のほうも不気味というか、かなりよろしくない状況だと
絵面から伝わってくる作りになってるのはいいなと思うのだが
はたして蔦重とどう絡むかも含めて、大変楽しみにしていくのでありました

あとは、ラブリンがどれくらい悪いやつになっていくか
今回のもわざとだったのかわからんのだが
いろいろ楽しみが多いと思うのである

【読書】負ける技術

2025-01-20 21:05:34 | 読書感想文とか読み物レビウー
負ける技術  著:カレー沢薫

漫画家だと思ってたらコラムニストでもあったのか
そう思いながらついつい読んだのだけども
嗜虐でもない、毒舌でもない、
タイトルの通りというほどでもないが
実際に戦わずに負けるを体現する内容で、
ある種の安心をふりまいている、そんな文章を堪能できる一冊だった

結構な分量が担当への怨嗟なのか、偏愛なのか、
いや、やっぱり純粋な殺意なのか
そういうので埋められていて、楽しそうにオブラートに包んでんだろうなと
思ったりもしつつ、本当にこんな感じで漫画家と編集者というのは
対立とも異なる繋がりを続けているんだろうかなと
思ったり考えたりしたのでありました
別に何ということもないのだが、この担当がおそらくはデキるのだろうけど
ただただ、その端っこしか描写されないので
はたしてという感じだが、それが上手いとも思えるところである
全てが虚構という可能性までふまえて
面白い読み物だと思ったのだった

基本的に、弱弱しく去勢をはりつつ、世の中を小規模に恨んでいる
そういうスタイルの文章を読むのが、なんとも楽しいと
卑しい娯楽を提供しているというテキストなんだが、
その割に思いのほかちゃんとしているというか、
結構アイデンティティに揺らぎをもたらすような
一般的な平穏というか、イベントをこなしてしまっていて
大丈夫かと思ってしまったんだが
これは読み手の私が男だからかと感じたりもするのだけど
とりあえず、テイストは変わらないまま
さりとて、結婚してしまったことで、何かが毀損されてしまっているのではと
心配になりつつも、まぁ、この感じで
これからもずっとという暗い楽しさを振りまいて欲しいと思ったのである

【読書】赤絵そうめん

2025-01-17 21:09:49 | 読書感想文とか読み物レビウー
赤絵そうめん  作:山本兼一

このシリーズ、一本だけで絶筆になったと思っていたんだが
そうではなく、この間たまたまた読んだのが絶筆の巻だったようで、
もうちょっと読みたいなという気分を埋めてくれる
ステキな読書となったのでありました

と、書きながらも前回どんな話しだったか、おぼろげにしか覚えていないので
事実関係の前後がいまいちよくわかっていないままだったのだが
今回は、がらくた屋に毛が生えたくらいでしかなかったとびきり屋が、
一念発起して大店へと変貌するかしないか、そういう
商売の岐路にたったといってもいいお話で、
なかなかドラマチックだけど、凄く静かに進むという
往年の寅さんを見ているような、楽しさと鷹揚さみたいなのを楽しめる
よい一冊でありました

取り扱われたのは、赤絵陶磁器で、これもまた
個人的に好きな題材だったので、唐子うんぬんの話しもいいなと思ったのだけど
そこにそうめんを入れて食べるという絵が、いかにも浮かびそうな
いい塩梅のお話になっててよかった
物語としても、その赤絵の品をめぐって、二転三転というほどでもないが、
悶着があった末にという大きな結果に繋がってよろしいのだが、
夫婦仲の良さもさることながら、ゆずさんの機転の良さというので
さくさく物事が解決して、これはNHK時代劇枠候補だったんじゃないかなと
思ったりするのである
いや、でも、骨とう品扱うのは映像的に難しいからなかったか
ともあれ、安心の江戸末期を楽しめる面白い物語である

幕末の不穏な空気もあり、
それぞれの陣営の主要人物も出てくるのだが、
歴史的な物語は、七卿落ち直前くらいなのか、
このあたりもう一度勉強しなおした方がいいかもしれんと思いつつ
少しばかり不穏な情勢が京都に忍び寄りつつあるといった感じで
次をまた読みたくなる終わりでよかったのである

しかし骨董道の不思議もよく描かれていて、
げてもの好きという道楽についての情熱とか、偏執ともいえるそれが
いかにもよろしく描かれるのが楽しくて、
これくらいの気概がないと、生きるのもつまらんというのは
一つ真理ではないかなどと、そちら側につきたいと思わされたりするのでありました

しかし、あんなにピタリと当てられるほど
目利きというのはできるものなのか
自身に眼がないのでまったくわからない、不可思議な世界である

【読書】レトロな街で食べ歩き!古都台南へ

2025-01-15 21:05:09 | 読書感想文とか読み物レビウー
レトロな街で食べ歩き!古都台南へ  著:岩田優子

2017年発刊なので、色々情報が古いかもと思いつつも
雰囲気を楽しみたいので読んだ次第
2017年なら比較的新しいなとか思ってたけど、
びっくりもう8年前になるのか、編集考えたら10年前の情報かもしれんな
色々と時間の流れは恐ろしい

さて、本と関係ないことはさておいて、
台南の様々な要所を抑えたガイドブック的なもので、
コンパクトにまとめつつ、主要街と、安平、新化といった郊外もあたりをつけていて
満遍なく楽しめる内容になっててよかった
お店については、今もまだあるかわからないのだが、
そのあたりが繁華街である、そして、そういう名物があるというこの情報は
ずっと生き続けていくだろうと思えば、特に気にならないもので
改めてインプットしていくのにほどよくて楽しいのでありました

とはいえ、ちょっと気になって調べてみたところ
阿喬師水粄粥という店は未だ人気のようで、
碗粿をまだ食べてない身分としては、大変気になっていて、なんとか食べようかと
メモる次第でありました
というか、ここに載ってて、今も残っているところは間違いがないということでもあろうし
やっぱりガイドブックというのは大切よなと、ネット上の更新されてしまう弊害を逃れるという意味で
紙媒体のよさをかみしめるのでありました

観光情報はよくある内容なので、
要点をまとめているだけであるのだが、
紹介している店舗が、いわゆる超有名店以外というところに苦心しているように感じられて、
もっとも、今となってはすっかり老舗になってるとも考えられるけど、
肉粽、牛肉湯、担子麺の店が、あえて一級のそれではないところにしてるのが
個人的にいいなと思えたので、それぞれ調べて使いたいと
まぁ、いついけるかもわからないけど楽しむのでありました

押しつけがましくなく、純粋に情報紙として特化しているので
コース設定とかの押しつけもなく、気になったところをメモっておきたい、
いや、これ一冊もっておいたら、とりあえず台南ぶらぶらできるかと
思えるくらいでよかったと感じたのでありました

台北弾丸旅行 12 廸化街で朝食を

2025-01-14 21:05:04 | 台北弾丸旅行(2024)
さて、弾丸旅行なのであっという間に帰る日である
前日までにあらかた遊んだので、あとは流すだけといった感じで
ゆったりと、廸化街方面を案内してしまいにしようと、朝からもちもち歩いたのである



休日なのでずいぶん迫力のないバイクの滝であるが、
それでもなかなかの感動であります


相変わらず繁盛していると思しき床屋
いつか、山本頭を所望する日がこようかこまいか




さて、朝の廸化街は静かなもので、まだお店もほとんどやってないため
静謐な感じがむしろフォトジェニックと感激しつつ歩いたのである
時折猫が歩いているけども、彼らもまた、人がいないと数が少ないように思われる
店の中に飼われているということなんだろうかしら



そして、お決まりの金ぴか神像を有難く拝拝してきたわけだが、
なにやら法事めいたことをしていたようで、
タンキーかどうかわからんけども、なにやらお経めいたものをあげていた
こういうのを見ていると、南部の方が恋しくなってくるなと思うのであった




さて、久しぶりに永楽市場に入ってみようと、物見遊山にふらっと中へ
できれば朝食食べられるところでもあればと、うろうろしたのである
とりあえず、入口にあるお宮にお参りをしてから入ることに
もっとも、ここは布地の市場だから、あんまり食べ物屋っぽいものがないかもと
うろうろするが、朝からやってるのが寿司屋だけのようで、
朝から寿司は違うなーと思いつつ歩く
果物屋では、結構安価に青果が取り扱われていて、釈迦頭とか屋台で買ったのより
かなり安い値段なんだが、屋台のは完璧な食べごろだったし、どっちがどうなのか
わからんままなのである



結局市場の中ではお店を見つけられなかったので、いったん外に出たところ
なんかいい感じのお店を発見、いかにも地元の朝食屋という感じで
さっそく入ってみると、まぁ好きなの選べという感じで
わからんまま、お粥とあれこれを注文
朝から大層食べたという感じになったが、サバヒーの頭やら、変わったものが食べられてよかった
もろもろあわせて290元になったんだが、まずまず安かったと思うところ
というか、食べすぎだと思う、何品頼んでんだ


さて、食事を終えた頃、そろそろお店の方が開きだして、
なんというか、廸化街の眼ざめといったものを見たように感激しつつ道を戻る





まだ、消費金が残っていたので使い切ってしまおうと
お店をうろうろ、案外使える店が多くて驚いたのだが
いかにもという高級品を扱う老舗では使えないことが多く
痛しかゆしであった、文創的なところはおおむね使えて
若い人のためにはよいと思うのであるが、土産としてはたしてとも考えたりしつつも
とりあえず散財したのである
果たして使うことがあるかわからないポシェット的なものを買ったりして
なんだかんだ大変楽しかったのであった

よい天気もあって、気持ちよく朝を過ごして、ぼちぼち歩いて移動していく

つづく
13 魯肉飯と飯糰食べて帰国

前の
11 饒河街夜市で鳳梨釈迦を

【読書】シャーリー・ホームズとジョー・ワトソンの醜聞

2025-01-13 21:05:02 | 読書感想文とか読み物レビウー
シャーリー・ホームズとジョー・ワトソンの醜聞  作:高殿円

のっけから展開が粗っぽくて、物語に乗っていくのに難儀した
ワトソンが、唐突な記憶喪失みたいな状態でスタートして
その顛末が、だんだんとわかってくるようになるんだが
いかんせん、その始末が理解を超える内容のため、
なかなか感情移入できず、苦戦して読んでしまった

最終的にはなるほどというオチになるんだが
そうなるまでが長いので、なんか、妙な感じをかかえたまま
物語がずんずん進むので、しっかりと楽しみきれなかった印象で読み終えてしまった
面白かったようにも思うんだが、なんというか、
あれこれ難しいことも織り込み過ぎていて、ちょっと渋滞してよくわかんなかった

壮大な医学実験の話しのようでもあったし、
そのあたりはかなり面白く読めたのだけども、
実際にそんなことが、そういう可能性がまだ存在するだろうかと
ちょっと考えさせられるところでもあった
マイノリティを扱うわけだが、それがいかにも童話的というか
まさに幻想世界のそれのようで、だからこその小説だと思うのだが
あまりにもできすぎた壮大さが見事で、
その憐憫の部分がかなり楽しめたと思うのである
とはいえ、根幹にある人間のありようというのが
結構重めだったこともあってか、また、ワトソンがかなり振り回されていたというのに、
読む側としても同じくらいか、それ以上に振り回されて
安心して読めないというか、なんか、はらはらとは違う、おろおろして読むみたいな
そんな読書となったように思うのである

もっとコメディに振った話しで読みたいと
勝手な感想を添えつつも
なんだかんだ、楽しく読んで、なるほどなーと感心して終えたのである
本歌がわからないので、どうなのか気になるところだが
この近未来と現代と、そしてSFめいた世界観は本当によいなと
感心してしまうのである

べらぼう  吉原細見『嗚呼御江戸』

2025-01-12 20:59:54 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「べらぼう」
視聴完了しました
今日は落ち着いてがっちり見入ることができて、
改めて面白いと感心して見終えた気持ちでありました
結局、なかなかのひどい目にあってるけど、あっけらかんとしたもんで、
テケトーにぱぱっとやっちまおうみたいな生き方が
見ていて気持ちがいいなと、これは日曜の夜にいい感じじゃねぇかなんて
思ったりしているわけだが、まぁ、今は景気がいいけど
その内ひどい目にもあうんだろうな、あの気性じゃぁなと
考えたりしつつも、まずは大変楽しんでいるのでありました

内容がどうしたというのも野暮な感じで、
当たり前のように源内先生とつてができて、その仕事が見られてと
時代劇として満点のそれよなと観ていて感激したわけだけど
出てる全員の演技がなんというか、仰仰しいとは違うんだが、
ある意味時代がかったそれなんだけど、そこがいいなと今のところ
大変演出というか、雰囲気を気に入っているのでありました

特にやりすぎなくらいの江戸っ子感がよくて、
蔦重もいいが、それ以上に、花ノ井花魁がすばらしいなと、
小芝風花という女優をちゃんと認識できてなかったといってはなんだが、
声がすごくいいんだなと感動して見てしまうのである
無論、その雰囲気、目で殺すそれも出ているんだが
セリフ回しに独特の色が出てて、凄いなと、声色の出し方引き方が
引き込まれるようですげぇと思うばかりでありました

まぁ、そこに、源内先生も、さらっとあのテンションのままで
また気風がいい感じというのも残ってて、
多用される仕方のない洒落駄洒落の数々が、全然嫌味じゃないというか
耳に障らない、気持ちよく口上として抜けていくのがいいと
自分じゃ絶対できねぇなと恐れ入りやのなんとやらだと
とりあえず、伝染されつつメモに書いておくのである

まずまず、蔦重が無料働きというか、もはや持ち出しさえさせられてるという状況だが
本人気づいていないのか、それでいいのか、
そのあたりあっけらかんとして、ひやひやしながら見るものだろうと
楽しみに視聴続ける所存

【読書】ケチる貴方

2025-01-11 20:51:04 | 読書感想文とか読み物レビウー
ケチる貴方  作:石田夏穂

表題作と「その周囲、五十八センチ」の二編の短編を収録
どちらも面白かったのだが、独特の感覚、基本的には女性の独り言だけで話しが進むのだけど
その独白がずれているような、そうでもないような
普通の合間に、何かしらの不穏を塗りたくったみたいな
独特の感じがよいなと思いつつ、なんの物語だったか
わからないまま終わるといったのを味わったのである

表題作の生き方については、いくらか共感めいたものを覚えて、
ケチって生きてきたツケが、冷え性という形で呪ってきたみたいな
そんなお話なのだが、そこに因果関係があるのかないのか、
結局オチの部分で解決したというか、
そこに因果関係があるんだろうと思ったら、なんてことない話しであるのだけど
一見関係なさそうなことが、自分の困っていることに良い方向で作用すると
なんか信じてしまう、まぁ、やっぱりよくあることを書いたそれだったのだが
その分、理解しやすいと思ったのだが、
突き放すように、突然冷静というか、醒めてしまう姿が
独特の印象を残して終わるわけだが、色々と表層的なことはあるけど
根幹に怒りがあるんだろうなと、これもある意味であけすけに書いてあるようで
よかったと思うのである

もう一方が、これまた、同じような何かを抱えているんだが
こっちの方がより孤独というか、自分愛が強い感じがあって
一種の整形依存症めいた話しなんだが、個人的にはこっちの話しの方が好みだった
やはり、説明文的表層では、脂肪吸引という施術について、
その後にキツい揺り戻しめいたものがあるというところに
一種依存しているみたいな不気味さというか、これもまた不穏さがあって
魅入られるではないが、そこに捕まえられてしまう人というのが
身近でもなくリアルのように思えてよかったと感じたのであった
こっちの方が不健全なんだが、まだ救いがあるような感じもしてよかった
これは、どっちが好きかで、自分の病み具合みたいなのが
はかれてしまうんじゃないかとちょっと思ったんだが
そういうものでもないか

なんとなし、面白く読んだ、それでいいかと書いておく