Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

圧着断水機を使い 漏水修理

2019-11-11 20:09:31 | 設備 水道工事
給水配管にバルブや止水栓が無く水が止められない時に使う道具で 圧着断水機と言うものが有ります
実際の現場では写真を撮る事も出来ないので 仮想作業で多くの写真を使い断水機の使い方と漏水箇所の
修繕風景をご紹介させて頂きます





止水栓が無い給水管を傷め漏水したとの想定をし、倉庫内で圧着断水機を使い止水後に修繕を行う作業を
進めています 前回は断水機を使い給水管を潰して止水した所までその手順を詳しくご紹介しました
今回は破損箇所を修繕しましょう

前回の作業手順はこちらです是非ご覧下さい 【 圧着断水機の使い方 】





今回使用している手動式の圧着断水機です これには油圧式も有りますが効果は同じです
この道具をカウサーと呼ぶ事も有ります






この道具を使うにはネジを締める工具が必要です 前回は
ラチェットレンチを使いこの様に給水管を潰し水を止める
処まで作業を進めています






今回は 20mm の給水管 HIVP の×印の部分が破損し漏水し
パイプ内の水は矢印方向へ流れていると言う想定です
それをこの材料を使い修理を進めます



では・・



ここから前回の続きを始めます 圧着断水機でパイプ内の止水は
完了しています パイプカッターを使い破損箇所をカットします






予定していた所でパイプを切り 右側を新しい材料に交換します








給水管の切り口はパイプリーマーを使い 内外径の面取りを行います
これは絶対に必要な作業では有りませんが一手間掛けた方が良いと思います




給水管の切り口にリーマーを使います






これは面取り前と完了後です 20mm 程度のパイプなら面を取らなくても
継ぎ手に差し込めますが、管径が大きくなると面取りをしないと継ぎ手の
奥までパイプが入りません 特に外側は大切です



 
MCユニオンです これを切ったパイプに仮差しします




ナットは外さなくてもパイプに差せますが樹脂製の抜け止めが
変形する事も有るので余裕が有るなら 一旦分解した方が良いでしょう






この様にパイプに挿入し 断水機の方まで送っておきます




切り取った破損箇所に新しい継ぎ手とパイプを使い修繕します






パイプにソケットの入り代をマーキングします 20mm の給水管は
入り代は 35mm そこと 20mm 逃げた所に確認ラインを罫書きます






修理側の新しいパイプも面取りをし同様にマーキングをしました






いよいよ接着剤を使いパイプを接続して行きます
使っているのは HIVP 用で白く着色された白糊です
この色で接着剤の塗り忘れを目視で確認出来ます






接着剤を使う時、パイプと継ぎ手が濡れていてはいけません
必ず乾いたウエス等で水分と汚れは拭き取っておきます

接着剤の塗り方はマニュアルでは色々と書かれていますが
私は体験的に継ぎ手、パイプ共やや多めに塗ります






接着剤が塗り終わると時間を置かず継ぎ手にパイプを差込み
一気に奥まで押し込みます 接着剤は潤滑剤の役目も兼ねています

ここで直ぐに手を離すとパイプが抜けて来ます これは継ぎ手の内部が
テーパーになっておりパイプが押し出されます パイプを押し込んだまま
手に力を入れ 20秒程度保持します 接着剤が有る程度乾くと大丈夫です




修繕側の新しいパイプにソケットを差し込みました
先程マーキングした所までパイプが入っています OK です






続いて既設管側にも同様に接着剤を塗りソケットを差し込みます






パイプに継ぎ手を入れる時にパイプは回すなとマニュアルには書かれています
しかしこれも体験的にほんの少し捻りそれを戻す動きを加えた方が 継ぎ手の
接着は確実に行えると思います ほんの僅かな動作です






入り代をマーキングしておく事で目視と共にスケールで
間違いなく差し込まれているか確認する事が出来ます

この太さのパイプは、継ぎ手にパイプが奥まで差し込まれているかは
とても大切な事です パイプが太くなると奥まで入らない事が有りますが
それが許容範囲か判断する為にもマーキングは大切です




これで漏水箇所の修繕が終わりました 最後の接着から
接着剤が乾くまで最低 15分放置します






時間を置き接着したパイプと継ぎ手が抜けなくなったら
断水機で押し潰したパイプを元に戻し水を通します




ラチェットレンチで圧着断水機のネジを緩めます ※ 正ネジです






断水機を開放しました これだけパイプが変形し強度も
落ちています、出来るだけ丁寧に作業は進めます








断水機を外しました 何時破損してもおかしくない形状をしています
これからこの変形した給水管を元の形に戻します






断水機の方向を変えセットします 潰れたパイプを横から挟みます






ラチェットレンチでネジをゆっくり締めて行きます






ネジを回し断水機で挟み込み パイプの形状が丸くなる様に
場所も変えながら何度か作業を繰り返します






給水管をほぼ円形に戻しました あまり突起が有るのは良く有りませんが
この次にここへ装着する MC ユニオンが通れば結構です




断水機の右側に仮入れしていたユニオンを 潰したパイプの所へ
移動します






ネジを分解し 各パーツを整形したパイプの左側まで移動させます
この時にパーツが移動出来なければもう一度整形の必要が有ります
移動出来れば OK です




MCユニオンの本体を整形した部分を中心にして被せます
これの目的は 潰した部分が、もし破損した時の為の補足管です
圧着断水機を使った時には必要です






MCユニオンのネジを締め込み固定します この作業でパッキンが
パイプを締め付け、パイプが破損した時でも漏水を抑えます






本体をレンチで保持しネジにはプライヤーを使います
道具の選択は何を使っても結構です






ネジは正ネジです 左右のネジを締め込めば完了です
これで一連の作業が終わりました




今回の圧着断水機は設備の本職でも使った事が無い人も
多くいらっしゃるかと思います 出来るだけ丁寧に作業手順を
紹介させて頂いたつもりです お役にたったでしょうか 





今回の作業は 2回に分けて紹介させて頂きました 本職で無い一般の方達にも
こんな方法が有るんだと面白く読んで頂ければ幸いです 長い記事にお付き合い頂き
有難うございました

前回の作業 【 圧着断水機の使い方 】


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (とら)
2019-11-12 13:00:02
kino様
いつも楽しく読ませていただいています。
水道のことや工事用道具の話なども、自転車の記事と同様に、ふんだんに写真を用いて解説をされていてとても興味深く拝見しました。

自転車については、いつもながら参考にさせて頂いていますが、この記事のような工事の様子は、素人にはなかなか目にすることが出来ませんし、また、プロに依頼する機会があったとしても何をしているのか理解しながら観察することも中々困難ですので、本当に面白いです。

これからも、ご専門の記事をアップされることを楽しみにしています。
(もちろん、自転車の記事や、折々の季節ネタも楽しみにしています)
返信する
とらさん (kino)
2019-11-13 07:26:12
コメントを頂き有難うございます

実際の工事現場での施工方法をご紹介出来れば良いと思いますが 仕事中では撮影班でも居ない限り、現場の保存写真を撮るのが精一杯です

それでこの様な仮想工事で記事にさせて頂きましたが 有り難いコメントを頂き嬉しく思います

私の自転車整備を主に始めたブログに 設備工事関系の記事が馴染むのかと言う思いも有りますが 邪魔にならない程度にまたご紹介させて頂きたいと思います

有難うございました
返信する
Unknown (にわ まこと)
2019-11-20 10:34:09
にわです。
じゃまどころか、すごく面白いです。こんな技があるとは、想像もしませんでした。パイプを接着する時にわずかに捩じる・・・、その感じすごくわかります。木工ボンドで接合する時も、絶対にわずかにずらして戻します。その方が接着剤が均一に伸びて、強度が出ると思っています。これからも色々な技を紹介してください。
返信する
にわまことさん (kino)
2019-11-20 19:38:34
有難うございます
私は配管だけが自分の仕事では有りませんが、職種を問われると 配管工 と記載しています それなりの事もして来たつもりです

この作業の中で パイプを接着する際の捻って戻すと言うごく僅かな動きはとても大切な一つで 建設業などで良く言われる見習いの、坊主(ボウズ)の間には解らない事かも分かりません

今回にわさんが 例として書いて頂いた、木工ボンドは分かり易くて的を得ています 流石ですね。

全ての方がご希望ではないかと思いますが 本職の設備工事の事も機会が有ればご紹介させて頂きます
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