「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

システムの大切さ

2008-05-02 22:49:21 | シチズンシップ教育
*私は、(ローマ)興隆の因は当事者たちがつくりあげたシステムにあると考える。なぜなら、人間の気分ほど動揺しやすいものはなく、気分を一新して下さいなどと説いても、なかなか全員で一新できるものではない。一新するには、一新せざるをえないようにする、つまりシステム化してしまうしかないと思うからである。

(『ローマ人の物語』2 ローマは一日にして成らず「下」 塩野七生 著  新潮文庫 203ページ)

 小坂は考えるが、「システム」は、目標達成の「必要条件」であるが、「十分条件」ではないのであろう。「システム」の中でがんばる“思いをもった人”がいて、はじめて「システム」は、目標達成を可能にするのだと思う。
 ブログ:「人」の意識の活性化(2008-04-29 14:46:10 )では、「システム」の効用について、欠落していたため、ここに補います。
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古代ローマが教えてくれること

2008-05-02 22:31:29 | シチズンシップ教育
*古代のローマ人が後世の人々に遺した真の遺産とは、広大な帝国でもなく、二千年経ってもまだ立っている遺跡でもなく、宗教が異なろうと人種や肌の色が違おうと同化してしまった、彼らの解放性ではなかったか。
 それなのにわれわれ現代人は、あれから二千年が経っていながら、宗教的には非寛容であり、統治能力よりも統治理念に拘泥し、他民族や他人種を排斥し続けるのもやめようとしない。「ローマは遥かなり」といわれるのも、時間的な問題だけではないのである。

(『ローマ人の物語』2 ローマは一日にして成らず「下」 塩野七生 著  新潮文庫 209ページ)

 小坂も、古代ローマの興隆の原点は、開放的な性向であったと感じた。この性向を今の日本に求めるのは、難しい面があるかもしれないが、グローバリゼーションの世の中を渡る若者たちに、心の開放性が芽生えるような異文化交流の教育を施していく必要性を感じている。
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百年の計

2008-05-02 22:23:44 | シチズンシップ教育
*人間世界では、はじめから遠い将来まで見透し、それにもとづいていわゆる百年の計を立て、その計を実行に移せる人間は多くはない。少ないから、天才なのだ。天才以外の人間は、眼前の課題の解決だけを考えて方策を立てる。だが、ここから進路は二つに分かれる。眼前の課題の解決のみを立てた方策を実行したら、結果としてはそれが百年の計になっていたという人と、眼前の課題は解決できたが、それは一時的な問題解決にすぎなかった、という人の二種類だ。

(『ローマ人の物語』2 ローマは一日にして成らず「下」 塩野七生 著  新潮文庫 122ページ)

 小坂自身も、眼前の課題の解決に目が奪われている自分を、客観的に見るもうひとりの自分をもたなければならないと感じています。
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おしゃぶりについて

2008-05-02 11:33:49 | 小児医療
 おしゃぶりをよく見かけます。

 私は、「しないでよい。しない方がいい。」と日常診療外来で指導させていただいております。
 おしゃぶりについての分かりやすい解説がありましたので、著者の許可を得て、掲載いたします。

****以下、転載*****
●おしゃぶりについて
国立成育医療センター 第二専門診療部 歯科  金田一 純子 先生

 最近、街中では、バギーに乗りホルダー付きのおしゃぶりをしている赤ちゃんを目にすることが多くなりました。ベビー用品を売るお店には、おしゃれなデザインのおしゃぶりが沢山色とりどりに店頭に並んでおります。そして、日常の外来ではおしゃぶりの是非をお母さんから問われることも多くなりました。その質問も「舌や顎の成長、鼻呼吸を促すと言うので使った方が良いのか?」というようなものです。
 “舌や顎の発育をたすけて鼻呼吸を促す”などのちまたの情報に流されてはいませんか?決して学術的根拠のある事ではありません。                     
 おしゃぶりを使用する本来の目的は、おっぱいの吸いつきの弱い乳児の吸綴機能を上げるための訓練に使われるものと思います。
“泣いてぐずる赤ちゃんに、おしゃぶりを口に放り込むとすぐ泣きやみおとなしくなる”など子育ての便利さから安易に使用していないでしょうか。
 結論から言うと日本小児科学会、日本小児歯科学会は「できるだけおしゃぶりは使用しない方が良い」との見解です。
 健康な乳幼児にとっては、おしゃぶりの効用よりも弊害のほうが大きいと考えられるからです。おしゃぶりは習慣性となりやすく、あやしたり、声がけなどが少なくなり、母親との触れあいが減り、ミルクの飲む量、時間が減少するなどの報告があります。また、中耳炎の発症頻度が高くなるという報告も数多くあります。発語が遅くなる等あげられます。長期間使用すると歯並びへの影響も深刻になってきます。
 乳児の発達への影響も気になるところで、5・6ヵ月過ぎると、何でも口へ持って行ってしゃぶる。これは目と口の協調運動の学習とともに、いろいろなものをしゃぶってかたちや味・性状を学習するのですが、おしゃぶりが口の中に入っていると、このような学習の機会が失われる心配があり、親の声がけに対する、声だしや、自分からの声だしもできないので発達への影響も心配されます。
 おしゃぶりは2才までにはずせれば、かみ合わせへの影響も改善されると言いますが、一度ついた習慣を止めさせるのは、またかなりの努力が必要となります。
 おっぱいの吸いつきの弱い赤ちゃん以外は、やはりはじめからおしゃぶりは使用しない方が賢明です。 
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