都知事の5/16会見の発言のテキストを先日5/28のブログで載せました。
その後、土壌汚染の専門家会議は5/19に行われています。
その専門家会議での分析の結果を受けて、
5/23の会見で、どのように知事の意見に違いがでたのでしょうか。
見てみたいと思います。
なお、このインタビューに関する新聞社各誌の受け止め方は、
以前、5/24のブログで出しましたので、あわせてご覧下さい。
⇒は、小坂の解釈です。
***記者会見より***
(前略)
【記者】市場の豊洲移転の件でお伺いします。この間、19日、専門家会議もあって、対策では、これまで都が考えていたよりもかなり大幅な基本方針が決まりました。先日知事も、これまでよりもかなり膨大な対策費がかかるんじゃないかとおっしゃっていましたけれども、この対策費用に関しては、汚染源者である東京ガスにも協力を求めていく方針があるんでしょうか。
【知事】うーん。これはまあ、あそこの汚染の質がはっきりした段階でね、これから先、東京都と東京ガスの話し合いの問題だと思いますね。向こうにしてみてもね、とにかくびっくりしたような数値が出てきた訳だし、それは彼らの責任だと思うけども、それはこれからの問題でしょう。
⇒知事は、東京ガスに土壌改良費用の負担を求めていく考えをもっている。
【記者】かなりの費用がかかるということで、費用対効果なんかとの見合いもいろいろあると思うんですけれども、現在地での再整備という選択肢というのはあるんでしょうか。
【知事】それはさんざん論じられてきたことなんですよ。もう目一杯の仕事をしてる訳ですからね。一部どこへ移して、その間どういうふうに直していくかということは、専門家で検討してもとても無理だということで、豊洲への移転が決まったことだけれども。まあ、あるいはね、予算のことも含めて、これからそれが1つの検討の主題になるかもしれない。ならないかもしらない。これは、今ここでにわかに申せません。
⇒知事は、現在地での再整備という選択肢を、過去の経過をもとにしてしか語っていない。「(現在地での再整備が)1つの検討の主題になるかもしれない。ならないかもしれない。」と、述べているから、現在地再整備の可能性に含みをもっているととれる。
それから、やっぱりその汚染除去の工法にしてもね、今までの既存のものだけじゃなし、新しい、つまり技術があるのかもしらないから、そういうものもひとつリサーチしろということで言ってありますしね。それはやっぱりその関係者だけではなくてね、もっと技術界というんでしょうか、工業界というんですかね、そういうところに思い切って相談することで案外の活路があるかもしれない。日本の技術って大変なものですから。これからもまた新しい課題がいくつか出てくるでしょう。
(中略、調布市の都市道路計画の見直しを訴える住民の会による8000名の署名運動の件)
【記者】豊洲の質問なんですけれども、先日の専門家会議の中で、平田(健正)座長、専門家会議の座長の方が、今の土地に対して新しい技術、知事は先日の会見の中でも新しい技術、今のお話でも新しい発想とかいうことをすべきだ、そういう可能性もあるかもしれないとおっしゃったんですけれども、専門家会議のほうとしては、そういう新しい方法論をそこで試すにはあまりにもリスクが高いというのを、先日、私どもの会見の中で出てきているんですね。
【知事】だれが?
【記者】専門家会議の平田座長です。
【知事】ああ。
【記者】そういう発想については?
【知事】その専門家会議の座長ったって、その人の専門性というのは相対的にどんなものかわかりませんからね。もっとほかの、つまり可能性もですね、技術的なことをリサーチするのは私たちの責任だと思いますよ。いたずらに金かけることで済むものじゃないからね。
⇒自分が座長に選んだ方に対して、ちょっと失礼な発言かと思われる。確実な方法をとるべきという科学者としての意見を、自分が気に入らなければ、相手は専門家でないからと決め付け、その意見を退けようとしている。
(中略、羽田空港国際化の件)
【記者】築地の件なんですけれども、新しい技術を取り込んでということをおっしゃっているのは、ある意味、今後当初の予定計画よりも遅れるということを見越してだと思うんですけれども、知事の中で、例えば何年までという、何か具体的な締め切りの時期とかというのはあるんでしょうか。
【知事】いやそれはね、そう簡単に言い切れるものじゃないじゃないでしょう、あなた、物事考えたって。物事は複合的、重層的にできているんだからね。思いがけない突破口が、新しいベンチャーテクノロジー技術で保証されるかもしれない、されないかもしれない。あなただって、私だって知っていることに限りがある訳だから。だから、そういう状況の中で、こういう技術がありますよというある啓示があれば、私たちその可否について検討しますよ。お金できるだけ少なくするため。
今から年限仕切ってどうこうなるものじゃないよ、それは。何もオリンピックだけタイムリミットじゃない。
⇒知事には、移転とオリンピックは切り離して考える覚悟はあるかもしれない。
【記者】すみません、築地の関連で、仮にの話になってしまうんですが。
【知事】仮にの話だめ。仮にの議論は全く意味ない。
【記者】すみません、聞いていただければと思うんです。2016年までに、築地市場の移転と、築地でのプレスセンターの完成が間に合わなかった場合は、ほかに、豊洲のスペースにつくるとか、そういった案もあるそうなんですが、そういった案も含めて、オリンピックへの影響は、今の状況でどうお考えでしょうか。
【知事】これがもしオリンピックに間に合わないようだったらね、再工事が必要であったら、かなり厄介な問題ですからね、予定してたのに、プレスクラブの、何というんですかな、施設はほかへつくらざるを得ないでしょう、そりゃ。
選手が一番近いところにいなくちゃいけないけども、かなり離れたところでプレスセンターを設けてもね、それは選手の問題じゃないんだから、報道陣の問題だから。何も報道陣のためにオリンピックやってる訳じゃないんだからね。それは仕方がないかもしらない。しかし、まあ当初の計画どおり進行させたいと思いますけども。
⇒プレスセンターを築地市場の地に作る案は、遠のいたと受け止められる。
(インタビュー終了)
⇒全体的に見て、知事は、新しい技術が生まれることを非常に待ちわびているらしい。
私は、土壌汚染の専門家ではないので、そのような技術があるかどうか知らない。安易に「そんな技術はない」ともいえない立場ではある。ただ、平田座長は専門家であり、その専門家が、新しい技術より確かな今の技術を用いるべきと述べているところからすると、画期的な新しい技術は“ない”ととれるのではないだろうか。
知事は、ドラえもんが現われて、なんとかしてくれるとでも、考えているのだろうか?
いずれにしろ、5/31の第7回専門家会議で出される提案を待ちたい。
“真の”科学者としての提案をどうか、よろしくお願いいたします。
その後、土壌汚染の専門家会議は5/19に行われています。
その専門家会議での分析の結果を受けて、
5/23の会見で、どのように知事の意見に違いがでたのでしょうか。
見てみたいと思います。
なお、このインタビューに関する新聞社各誌の受け止め方は、
以前、5/24のブログで出しましたので、あわせてご覧下さい。
⇒は、小坂の解釈です。
***記者会見より***
(前略)
【記者】市場の豊洲移転の件でお伺いします。この間、19日、専門家会議もあって、対策では、これまで都が考えていたよりもかなり大幅な基本方針が決まりました。先日知事も、これまでよりもかなり膨大な対策費がかかるんじゃないかとおっしゃっていましたけれども、この対策費用に関しては、汚染源者である東京ガスにも協力を求めていく方針があるんでしょうか。
【知事】うーん。これはまあ、あそこの汚染の質がはっきりした段階でね、これから先、東京都と東京ガスの話し合いの問題だと思いますね。向こうにしてみてもね、とにかくびっくりしたような数値が出てきた訳だし、それは彼らの責任だと思うけども、それはこれからの問題でしょう。
⇒知事は、東京ガスに土壌改良費用の負担を求めていく考えをもっている。
【記者】かなりの費用がかかるということで、費用対効果なんかとの見合いもいろいろあると思うんですけれども、現在地での再整備という選択肢というのはあるんでしょうか。
【知事】それはさんざん論じられてきたことなんですよ。もう目一杯の仕事をしてる訳ですからね。一部どこへ移して、その間どういうふうに直していくかということは、専門家で検討してもとても無理だということで、豊洲への移転が決まったことだけれども。まあ、あるいはね、予算のことも含めて、これからそれが1つの検討の主題になるかもしれない。ならないかもしらない。これは、今ここでにわかに申せません。
⇒知事は、現在地での再整備という選択肢を、過去の経過をもとにしてしか語っていない。「(現在地での再整備が)1つの検討の主題になるかもしれない。ならないかもしれない。」と、述べているから、現在地再整備の可能性に含みをもっているととれる。
それから、やっぱりその汚染除去の工法にしてもね、今までの既存のものだけじゃなし、新しい、つまり技術があるのかもしらないから、そういうものもひとつリサーチしろということで言ってありますしね。それはやっぱりその関係者だけではなくてね、もっと技術界というんでしょうか、工業界というんですかね、そういうところに思い切って相談することで案外の活路があるかもしれない。日本の技術って大変なものですから。これからもまた新しい課題がいくつか出てくるでしょう。
(中略、調布市の都市道路計画の見直しを訴える住民の会による8000名の署名運動の件)
【記者】豊洲の質問なんですけれども、先日の専門家会議の中で、平田(健正)座長、専門家会議の座長の方が、今の土地に対して新しい技術、知事は先日の会見の中でも新しい技術、今のお話でも新しい発想とかいうことをすべきだ、そういう可能性もあるかもしれないとおっしゃったんですけれども、専門家会議のほうとしては、そういう新しい方法論をそこで試すにはあまりにもリスクが高いというのを、先日、私どもの会見の中で出てきているんですね。
【知事】だれが?
【記者】専門家会議の平田座長です。
【知事】ああ。
【記者】そういう発想については?
【知事】その専門家会議の座長ったって、その人の専門性というのは相対的にどんなものかわかりませんからね。もっとほかの、つまり可能性もですね、技術的なことをリサーチするのは私たちの責任だと思いますよ。いたずらに金かけることで済むものじゃないからね。
⇒自分が座長に選んだ方に対して、ちょっと失礼な発言かと思われる。確実な方法をとるべきという科学者としての意見を、自分が気に入らなければ、相手は専門家でないからと決め付け、その意見を退けようとしている。
(中略、羽田空港国際化の件)
【記者】築地の件なんですけれども、新しい技術を取り込んでということをおっしゃっているのは、ある意味、今後当初の予定計画よりも遅れるということを見越してだと思うんですけれども、知事の中で、例えば何年までという、何か具体的な締め切りの時期とかというのはあるんでしょうか。
【知事】いやそれはね、そう簡単に言い切れるものじゃないじゃないでしょう、あなた、物事考えたって。物事は複合的、重層的にできているんだからね。思いがけない突破口が、新しいベンチャーテクノロジー技術で保証されるかもしれない、されないかもしれない。あなただって、私だって知っていることに限りがある訳だから。だから、そういう状況の中で、こういう技術がありますよというある啓示があれば、私たちその可否について検討しますよ。お金できるだけ少なくするため。
今から年限仕切ってどうこうなるものじゃないよ、それは。何もオリンピックだけタイムリミットじゃない。
⇒知事には、移転とオリンピックは切り離して考える覚悟はあるかもしれない。
【記者】すみません、築地の関連で、仮にの話になってしまうんですが。
【知事】仮にの話だめ。仮にの議論は全く意味ない。
【記者】すみません、聞いていただければと思うんです。2016年までに、築地市場の移転と、築地でのプレスセンターの完成が間に合わなかった場合は、ほかに、豊洲のスペースにつくるとか、そういった案もあるそうなんですが、そういった案も含めて、オリンピックへの影響は、今の状況でどうお考えでしょうか。
【知事】これがもしオリンピックに間に合わないようだったらね、再工事が必要であったら、かなり厄介な問題ですからね、予定してたのに、プレスクラブの、何というんですかな、施設はほかへつくらざるを得ないでしょう、そりゃ。
選手が一番近いところにいなくちゃいけないけども、かなり離れたところでプレスセンターを設けてもね、それは選手の問題じゃないんだから、報道陣の問題だから。何も報道陣のためにオリンピックやってる訳じゃないんだからね。それは仕方がないかもしらない。しかし、まあ当初の計画どおり進行させたいと思いますけども。
⇒プレスセンターを築地市場の地に作る案は、遠のいたと受け止められる。
(インタビュー終了)
⇒全体的に見て、知事は、新しい技術が生まれることを非常に待ちわびているらしい。
私は、土壌汚染の専門家ではないので、そのような技術があるかどうか知らない。安易に「そんな技術はない」ともいえない立場ではある。ただ、平田座長は専門家であり、その専門家が、新しい技術より確かな今の技術を用いるべきと述べているところからすると、画期的な新しい技術は“ない”ととれるのではないだろうか。
知事は、ドラえもんが現われて、なんとかしてくれるとでも、考えているのだろうか?
いずれにしろ、5/31の第7回専門家会議で出される提案を待ちたい。
“真の”科学者としての提案をどうか、よろしくお願いいたします。