いよいよ、丸二年、13回にわたる公判の結果が出されます。
東京地方裁判所 610号法廷 期日:2011年12月22日(木) 13時10分~
ご都合がつく方は、ぜひ、足をお運び下さいますよう、よろしくお願い申し上げます。
【おしらせ】
<判決言い渡し>
12月22日(水)13時10分から、東京地方裁判所610号法廷で「コアサンプル廃棄差止請求裁判」の判決言い渡しが行われます。これは移転先予定地の汚染の証拠となるボーリング調査のサンプルの保存を求めているものであり、食の安全を守るための重要な裁判です。裁判所がどのような判断をするのか注目ですので、ぜひ傍聴にお越しください。
<街頭アピール>
同日17時00分から、築地四丁目交差点付近にて原告らによる街頭アピールを行います。
<勉強会:第15回築地市場を考える勉強会>
同日18時30分から、築地市場移転問題に関する勉強会を開催します。場所は中央区月島区民館です。
http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/76a9f23aa247b75e037fc3b19743a141
なぜ、コアサンプルを廃棄せず(汚染証拠隠滅せず)保存すべきか。
築地市場を現在地で再整備することに通じています。
同じ過ちを、この日本は、決して繰り返してはならないと考えています。
以下、裁判の訴状要旨陳述、裁判の中で証言に立たれた三人の陳述書、裁判の最終準備書面を振り返ります。
(築地市場移転問題原告団ホームページよりhttp://tsukiji-wo-mamoru.com/ )
お目通しいただけますと幸いに存じます。
***********訴状要旨陳述*****************
訴状要旨陳述 09,10,7
弁護団代表 梓澤和幸
本件は、築地市場の移転先とされる豊洲の土壌につきなされたボーリングコアサンプルの廃棄差し止めを求める訴訟である。
なぜ原告の請求は理由があるかにつき、代理人として訴状の要旨を陳述する。
1 築地市場は、東京ドームの5,9倍の広さがある。取引量は年間5千億円、都民の消費量の9割をになってきた世界最大の水産物市場であり業者の三代による努力によって維持されてきた。
2 移転先とされる豊洲は東京ガスの工場跡地であり都市ガスを生産する工程で、作られたタール等の廃棄物を敷地内にすてていたところから,ベン ゼン,ベンゾピレン,シアン化合物,ヒ素,鉛、水銀、六価クロームなど の毒物が検出されているところである。
象徴的な数字とすれば、東京都の専門家会議のレポートでも発がん性の 強いベンゼン、妊娠中の胎児の奇形をもたらすとされるベンゼンで環境基 準の4万3000倍が検出され、シアン化合物では930倍のシアン化合 物が検出されている。
なぜ世界で一番の食べ物の市場、文化の中心が土壌汚染のデパートに行 かねばならないか、積極的理由の提示は一度もされていない。なぜなのか。 石原都知事と執行部に今一度問う。
3 汚染対策のため、水を通さない不透水層の上を土壌入れ替えするとの構 想で調査をしたというが、ゆりかもめ、東京ガスの建築物は有楽町層のし たの江戸川層にまでたての建築物が貫通していることからも被告の構想は 破綻している。
またその地質調査のため行われたボーリングの中で採取されたコアサン プルとボーリング柱状図を対比しなければ、この構想の核心ある不透水層(有楽町層)の存在を客観的に検証する手段がない。
4 コアサンプル保存は,1)汚染物質の所在を確認し、安全対策が有効かを検証のため必要であるし、有毒性の程度を示す欠かすことのできない物的証拠であるからであり、2)専門家会議の立てた汚染対策は,水を通さない有 楽町層(不透水層)に切れ目がないか,有楽町層の深さと強さがどれだけ であるかということを検証する,これまた不可欠の物的証拠であるから必 要なのである。
5 認可権者である赤松農水大臣の「安全が確認できないかぎり移転を認可 しない」との言明、都知事を民主的にコントロールする東京都議会選挙に おける移転反対の野党議員多数当選,の状況の下で,科学的な再検証をし て民主的な議論を確保するためにもコアサンプルの保全は不可欠である。
6 他方、コアサンプルが廃棄され,安全が客観的に検証される手段を失っ たまま移転が強行されれば,原告らの健康,生命,営業,安全な食物を食 する利益が侵害されることは火を見るより明らかである。コアサンプルの 廃棄すなわち汚染場所への移転の反人権的強行である。
それは人格的生存にかかわる権利(芦部憲法117ページ)と定義される 人格権の侵害である。
よって、コアサンプルの廃棄は差し止められなければならない。
築地市場でなにより心を打たれるのは,人々がまだ寝入っている早朝か ら働く人々の言葉少なで引き締まった荘厳ともいえる表情です。
その人間としての尊厳をかけて市場の人々、消費者は立ち上がりました。
裁判所におかれては,この裁判が担う役割にふさわしい帰趨をたどるよ う、その公共的使命を果たされるよう心から要望する。
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平成21年10月7日
意見陳述要旨
NPO 法人市場を考える会理事長山崎治雄といいます。
本日は、コアサンプル廃棄差止請求訴訟の期日ということで、私たちがなぜコアサンプ ルの廃棄の差止めを請求するのかということについて裁判所に知ってほしいと考えており ます。
私たちは市場を考える会を3年前に立ち上げました。
それ以前から、私たちは、築地の豊洲移転問題に取り組んでまいりました。大勢の方々 のご支援を得て、今日まで続けてくることができました。
しかし、これまで行政の行っている豊洲問題への対応について、私たちが、なるほどと 思ったことは一度とありません。土壌汚染対策に関しては欺瞞と隠蔽に満ちています。
そのため、何が何でもコアサンプルを保護して頂きたい。 その必死の思いで、裁判を起こしたのです。 コアサンプルが捨てられてしまっては東京都の土壌汚染対策が適切かどうか検証することも全くできずどうにもなりません。 裁判所におかれては、是非、その辺りの事情を十分に汲み取っていただきたいと思っております。
私は一魚屋として多くの方々とともにやってきました。 食の安心安全は国民全体の大きな問題です。我々の行動なくしては、築地移転問題はこれほど大きくなりませんでした。 我々が行動を起こさなければ臭いものに蓋をしただけで終わっていたでしょう。
行政が大きな過ちを犯さないよう、真剣に取り組んでいきたいし、後々、多くの人が、無駄な税 金を使わないで止めて良かったと思えるようにしていきたいと考えております。
市場を移転させたら、不安の中で市場が運営されます。 消費者は、食の安全に対する不安の中で生活せねばなりません。 市場の者は、暮らしの安全に対する不安の中で生活せねばなりません。 築地は世界のブランドです。世界中から人々が訪れる大きな観光名所であり、世界70数か国から品物がやってきます。築地市場に存在意義があるということを改めてご理解下 さい。土壌汚染厳しい豊洲新市場予定地には絶対に移転させてはなりません。
一魚屋の社長風情で色々申し上げてきましたが、必ずしも詳しくないところもございま すので、言葉の足らないところは弁護士の方からお伝えしていただきたいと思います。
どうぞ真摯なご判断いただきますようよろしくお願いいたします。
以上
******裁判の中で証言に立たれた三人の陳述書*******
「陳述書」(山崎治雄・東京魚市場卸組合理事長/市場を考える会理事長)
http://tsukiji-wo-mamoru.com/_src/sc280/110907yamazaki_chinjutusho.pdf
「陳述書」(野末誠・NPO法人市場を考える会)
http://tsukiji-wo-mamoru.com/_src/sc281/110907nozue_chinjutusho.pdf
「陳述書」(水谷和子・一級建築士)
http://tsukiji-wo-mamoru.com/_src/sc282/110907mizunoya_chinjutusho.pdf
******最終準備書面******
http://tsukiji-wo-mamoru.com/_src/sc287/111026saishujunbisho.pdf