「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

自治体に求められる子どもの自殺防止対策。対策の重要な柱は、「ひとりではない。」というメッセージ。

2017-04-21 09:43:55 | 小児医療

 医療的ケア児の保育・教育、児童虐待などとともに、町医者小児科医としてなんとかせんばならないと考える重要問題のひとつが、こどもの自殺。

 なんといっても、子どもの死因の上位を占めています。

 自殺者全体の数は、03年の3万4427人をピークに減少傾向で、16年は2万1897人。06年施行の自殺対策基本法に基づく、相談窓口の整備などが背景にあるとされる。一方、小中高校生の自殺者はこの10年、年間300人前後で推移し、350人を超えた年も。厚生労働省によると15~19歳では自殺が死因の1位、10~14歳では2位。


 本日から、朝日新聞が特集を組んで下さっています。
 中央区の取り組みも見直していきたいと考えます。

 対策の重要な柱は、ひとりではないというメッセージだと、私は考えます。
 誰かに相談してほしいと願います。
 かかりつけ小児科医もそのひとりです。



******朝日新聞20170421******
http://www.asahi.com/shimen/20170421/



 子どもたちが自ら命を絶つ悲劇が繰り返されている。日本全体の自殺者数は減っている中で、小中高校生では減っていない。子どもの命をみつめる企画「小さないのち」の新シリーズ「大切な君」では、子どもの自殺を防ぐためにできることを考えたい。▼39面=SOS、どう受け止める


 警察庁の統計によると、2016年、320人の小中高校生が自殺で亡くなった。小学生12人、中学生93人、高校生215人。3分の2は男子だった。

 自殺者全体の数は、03年の3万4427人をピークに減少傾向で、16年は2万1897人。06年施行の自殺対策基本法に基づく、相談窓口の整備などが背景にあるとされる。一方、小中高校生の自殺者はこの10年、年間300人前後で推移し、350人を超えた年も。厚生労働省によると15~19歳では自殺が死因の1位、10~14歳では2位だ。

 16年の小中高生の自殺の原因(複数の場合あり)を警察庁の統計でみると、「学業不振」など学校問題が36・3%、「親子関係の不和」など家庭問題が23・4%、「うつ病」など健康問題が19・7%。いじめが原因とされたのは6件(全体の1・9%)だった。

 高橋祥友・筑波大教授(精神科医)は「子どもの自殺は、いじめや友人関係といった学校に関わる要因のほか、家庭や、精神疾患など複数の要因からリスクの高い状態となり、何らかのことが引き金になって起きる。いじめは深刻な問題だが、いじめ予防だけでは不十分だ」と話す。

 日本では子どもの自殺の実態把握や再発防止の取り組みが十分とはいえない。どんな要因が重なるとリスクが高まるのか、などは国内の統計ではわからない。

 いじめが疑われるケースでは、いじめ防止対策推進法に基づき、真相解明と再発防止のための調査が義務づけられている。だが、調査結果は十分共有されず、いじめを苦にした自殺は後を絶たない。いじめ以外のケースも文部科学省が学校や教育委員会に調査を求めているが、義務ではない。

 北日本の公立中学校の教師(60)によると、数年前に女子生徒が自殺未遂した際、教委が原因を問い合わせてきたが、いじめでないとわかると対応は学校と保護者任せになった。教師は「原因が何であろうと子どもの命が大切なことに違いはない。すべてを予防するべきだ」と感じたという。

 海外では、国の主導で自殺の背景を分析し、予防につなげる動きがある。英国では16年、研究チームが、心の問題があって自殺した10代のケースを分析。「54%に自傷行為の経験」などの分析を踏まえた予防策を5月に発表する。米国では事故や虐待、自殺などによる死亡事例の検証を予防につなげる制度が根付く。

 子どもの自殺について分析する東京都監察医務院の福永龍繁院長は「10代の自殺は実態がわからないことを出発点として、対策を考えていくべきだ」と話す。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする