精神科医V.E.フランクルの『夜と霧』、アウシュビッツ等強制収容所での過酷な日々が描かれた書。
フランクルは、ニーチェの言を引用している。
「なぜ生きるかを知っている者は、どのように生きることにも耐える」
すなわち、
「まさに、自分が「なぜ」存在するかを知っているので、ほとんどあらゆる「どのように」にも耐えられるのだ」と述べる。
「なぜ」は、ひとそれぞれ。
いつ、ガス室や焼却炉へと連れていかれるかわからない、この状況がいつ終わるかもわからない、「生きていることにもうなんにも期待がもてない」と自殺をさえ考えてしまう状況下でも、生きることを選べた二人のひとは、
●外国で父親の帰りを待つ、目に入れても痛くないほど愛している子どもが待っていた
●研究者として、あるテーマの本を数巻上梓したが、まだ完結しておらず、この仕事が自分を待っていた
なぜwhyがあるから、いかに生きるかのhowが生まれる。『夜と霧』が問う重くて重要なテーマ。