「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

子宮頸がん予防ワクチンの重要性

2010-06-03 02:05:38 | 医療
 医師会主催の子宮頸がん予防ワクチンの講演会に参加してきました。
 講師は、東京慈恵会医科大学産婦人科講師、こころとからだの元気プラザ診療部長 小田瑞恵先生でした。

 一般の方の知識として、お伝えすべきポイントを書きます。

①「子宮頸がん」とは、子宮の入り口付近にできるがんです。「子宮がん」には、二種類あるうちのひとつで、もうひとつが「子宮体がん」です。

②その「子宮頸がん」の原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因です。HPVは、皮膚や粘膜に存在するごくありふれたウイルスです。100種類以上ありますが、そのうちの15種類が、「発がん性」をもっています。

③「発がん性HPV」は性交渉により感染します。ただし、HPVは、STDには、ふくまれません。

④「発がん性HPV」に感染しても、多くは、自然に排除されます。ごく一部ががん化します。

⑤子宮頸がん予防ワクチン(商品名サーバリックス グラクソスミスクライン株式会社製)で、予防できる「発がん性HPV」は、16型と18型の二種類です。この二種類が、「子宮頸がん」の六割の原因をしめています。(全部の「発がん性HPV」を予防できるわけではありません。)

⑥ワクチンとともに、子宮頸がん検診を受けることが、「子宮頸がん」予防には大切です。

⑦性交渉が、すでにある場合でも、発がん性HPVを自然排除している場合もあります。何度も感染しますので、次のウイルス感染をふせぐ意味で、ワクチンは大切です。ただし、ワクチンでは、感染している「発がん性HPV」を排除したり、子宮頸がんや前がん病変の進行を遅らせることはできません。

⑧接種は、半年間に3回接種します。妊婦には、接種することなく、出産後をまちます。
 (初回、初回から一ヵ月後に二回目、初回から六ヶ月後に三回目)
 上腕三角筋に、筋肉注射。

⑨ワクチン接種にともなう重篤な副作用はありません。

以上

 本区でも、子宮頸がん予防ワクチンの公費負担を早期に実現することが大切です。
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