いよいよ今日から6月。札幌ではライラックの花が咲く頃に「リラ冷え」という天候不順が来るものだが、今日は随分暑い。これでは「リラ燃え」じゃないかなあ。
ただいま「掛川奮闘記」から「北の心の開拓記」ブログへの移行推進運動中です。こちらへの移行をよろしくお願いします。
さて今日は、
■東京ではクールビズ の1本です。
【東京ではクールビズ】
霞ヶ関では環境省を中心に、6月からクールビズという名称で、夏の冷房設定温度を28℃にしても涼しく効率的に働ける夏の軽装を推進している。
テレビでは官房長官がノーネクタイで、○○円だとかいうシャツを着て記者会見に臨んだりして、宣伝広報に余念がない。
実はこのクールビズは、地球温暖化防止「国民運動」の一環で行われているものである。
環境省のホームページを見ると、「…そこで、京都議定書の発効を契機として、愛・地球博や地球温暖化問題をメインテーマにしたG8サミット、温暖化防止に関係する各府省によるイベント・キャンペーン等と効果的に連動し、経済界を始めとする各界と連携しながら、各種メディアを有機的に用いて、地球温暖化の危機的状況を伝えるとともに6つの具体的な温暖化防止の行動の実践を促して国民運動を推進する集中キャンペーンを実施します」とある。
ここでいう、6つの具体的な取り組みとは、
● 冷房は28度に設定しよう(温度調節で減らそう)
● 蛇口はこまめにしめよう(水道の使い方で減らそう)
● エコ製品を選んで買おう(商品の選び方で減らそう)
● アイドリングをなくそう(自動車の使い方で減らそう)
● 過剰包装を断ろう(買い物とゴミで減らそう)
● コンセントをこまめに抜こう(電気の使い方で減らそう)
…という6つなのだそうだ。
また、地球温暖化防止「国民運動」の愛称は「チーム・マイナス6%」としたのだそうだ。
その理由は、「京都議定書による我が国の温室効果ガス削減約束である“マイナス6%”の達成に向けて、個々人で行動するのではなく、みんなで一つの“チーム”のように力を合わせ」たいからだそうだ。
クールビズ、チーム・マイナス6%、統一ロゴマークの作成、官房長官や小泉首相自らの軽装による記者会見…。
これこそが「国民運動」の演出の仕方である。
どこの広告代理店がついているのかな、とその手の業界のことがつい気になったりするのだがそれはさておき、これくらいの政府を挙げてのキャンペーンを行わない限り、国民運動などは起きないのだ、という一つの良い例だと思うので紹介するのである。
要するに、本当に国民運動にしようと思うならば、トップに立つ小泉首相がどれくらい本気かを見るに限るのだ。
記者会見で苦笑いしながら着用していたクールビズを、様々な曲面で本当に貫くのかどうか、そこまで首相自らが本気になって意地になってこの推進期間中をそれで過ごすのか。
この軽装もスタッフに無理矢理着せられて苦笑いして、明日はもう忘れてしまうことはないのか。
たとえ外国から要人が訪れても、「我が国では現在地球温暖化対策に向けた国民運動を展開中なのでこういう出で立ちで失礼します」と言えるのかどうか。
そこまでやってなおかつ、首相官邸も28℃に冷房温度を設定しているのかどうか。
その姿勢を本当に国民に見せなくてはこの手の国民運動とは名ばかりに終わり、担当省庁も「やりましたが、本格的な国民運動にはなりませんでした」という弁明をするにとどまってしまうことだろう。
トップに立つものはそれだけつらいはず。その辛さを超えて国民市民に訴えない限り、事が成ることはない。
部下が一生懸命作ったシナリオどおりにトップが動いている程度の軽い思いでは国民の共感を得ることはできないし、それでは決して国民運動も、北海道における道民運動もできはしないのだと思う。
今進めようとしているガーデンアイランド北海道(GIH)なども、ポイントはそこにあるように思われる。
上手にやらないと、これまでこの手の運動は何度も繰り返し繰り返し行われてきて、結局多くの国民の支持を得られないままに終わっている。
そしてそれらは後年のテレビ番組でおもしろ可笑しく揶揄されるだけではないのだろうか。
トップに立つものは自分自身が重要性を理解して実践あるのみだ。
「まあ小泉さんがやっているけど、僕はねえ…」では結局だあれもついてこない。まず隗より始めよ、である。
* * * *
もっとも自分の中にはもう一人の自分がいて、「暑けりゃぬぐし、寒ければ着るがそれは自分自身の意志だ」という思いも捨てきれない。
TPOによって、自分の服装くらい自分で決める、という思いである。
ここは一つ、考えに考えて自分の意志で参加するということにするのが良いのだろう。
* * * *
そしてもう一つ。上に掲げた環境省の文章で、「…そこで、京都議定書の発効を契機として、愛・地球博や地球温暖化問題をメインテーマにしたG8サミット、温暖化防止に関係する各府省によるイベント・キャンペーン等と効果的に連動し、経済界を始めとする各界と連携しながら、各種メディアを有機的に用いて、地球温暖化の危機的状況を伝えるとともに6つの具体的な温暖化防止の行動の実践を促して国民運動を推進する集中キャンペーンを実施します」というのは、典型的な役人の文章で、笑ってしまう。
私の文章で良いならばこう書くだろう。
「…そこで、京都議定書の発効を契機として愛・地球博や地球温暖化問題をメインテーマにした集中キャンペーンを行います。
それに関しては、G8サミット、温暖化防止に関係する各府省によるイベント・キャンペーンや経済界を始めとする各界と効果的に連動したいと思います。
そして具体的には、各種メディアを有機的に用いて、地球温暖化の危機的状況を伝えるとともに6つの具体的な温暖化防止の行動の実践を促して国民運動を推進したいと思います」
この三つに分けられる文章を一文で書き連ねたのが環境省の文章である。読みやすさと理解のしやすさに差があることが分かるだろう。
作家の阿刀田高さんがあるエッセイの中で「日本語には関係代名詞がないから、文章は短く切った方がわかりやすい」という趣旨のことを書かれていたがまさに賛成である。
役人の皆様。いかに普段長い文章を書いて平気でいたかということに気づかれましたかな?
ただいま「掛川奮闘記」から「北の心の開拓記」ブログへの移行推進運動中です。こちらへの移行をよろしくお願いします。
さて今日は、
■東京ではクールビズ の1本です。
【東京ではクールビズ】
霞ヶ関では環境省を中心に、6月からクールビズという名称で、夏の冷房設定温度を28℃にしても涼しく効率的に働ける夏の軽装を推進している。
テレビでは官房長官がノーネクタイで、○○円だとかいうシャツを着て記者会見に臨んだりして、宣伝広報に余念がない。
実はこのクールビズは、地球温暖化防止「国民運動」の一環で行われているものである。
環境省のホームページを見ると、「…そこで、京都議定書の発効を契機として、愛・地球博や地球温暖化問題をメインテーマにしたG8サミット、温暖化防止に関係する各府省によるイベント・キャンペーン等と効果的に連動し、経済界を始めとする各界と連携しながら、各種メディアを有機的に用いて、地球温暖化の危機的状況を伝えるとともに6つの具体的な温暖化防止の行動の実践を促して国民運動を推進する集中キャンペーンを実施します」とある。
ここでいう、6つの具体的な取り組みとは、
● 冷房は28度に設定しよう(温度調節で減らそう)
● 蛇口はこまめにしめよう(水道の使い方で減らそう)
● エコ製品を選んで買おう(商品の選び方で減らそう)
● アイドリングをなくそう(自動車の使い方で減らそう)
● 過剰包装を断ろう(買い物とゴミで減らそう)
● コンセントをこまめに抜こう(電気の使い方で減らそう)
…という6つなのだそうだ。
また、地球温暖化防止「国民運動」の愛称は「チーム・マイナス6%」としたのだそうだ。
その理由は、「京都議定書による我が国の温室効果ガス削減約束である“マイナス6%”の達成に向けて、個々人で行動するのではなく、みんなで一つの“チーム”のように力を合わせ」たいからだそうだ。
クールビズ、チーム・マイナス6%、統一ロゴマークの作成、官房長官や小泉首相自らの軽装による記者会見…。
これこそが「国民運動」の演出の仕方である。
どこの広告代理店がついているのかな、とその手の業界のことがつい気になったりするのだがそれはさておき、これくらいの政府を挙げてのキャンペーンを行わない限り、国民運動などは起きないのだ、という一つの良い例だと思うので紹介するのである。
要するに、本当に国民運動にしようと思うならば、トップに立つ小泉首相がどれくらい本気かを見るに限るのだ。
記者会見で苦笑いしながら着用していたクールビズを、様々な曲面で本当に貫くのかどうか、そこまで首相自らが本気になって意地になってこの推進期間中をそれで過ごすのか。
この軽装もスタッフに無理矢理着せられて苦笑いして、明日はもう忘れてしまうことはないのか。
たとえ外国から要人が訪れても、「我が国では現在地球温暖化対策に向けた国民運動を展開中なのでこういう出で立ちで失礼します」と言えるのかどうか。
そこまでやってなおかつ、首相官邸も28℃に冷房温度を設定しているのかどうか。
その姿勢を本当に国民に見せなくてはこの手の国民運動とは名ばかりに終わり、担当省庁も「やりましたが、本格的な国民運動にはなりませんでした」という弁明をするにとどまってしまうことだろう。
トップに立つものはそれだけつらいはず。その辛さを超えて国民市民に訴えない限り、事が成ることはない。
部下が一生懸命作ったシナリオどおりにトップが動いている程度の軽い思いでは国民の共感を得ることはできないし、それでは決して国民運動も、北海道における道民運動もできはしないのだと思う。
今進めようとしているガーデンアイランド北海道(GIH)なども、ポイントはそこにあるように思われる。
上手にやらないと、これまでこの手の運動は何度も繰り返し繰り返し行われてきて、結局多くの国民の支持を得られないままに終わっている。
そしてそれらは後年のテレビ番組でおもしろ可笑しく揶揄されるだけではないのだろうか。
トップに立つものは自分自身が重要性を理解して実践あるのみだ。
「まあ小泉さんがやっているけど、僕はねえ…」では結局だあれもついてこない。まず隗より始めよ、である。
* * * *
もっとも自分の中にはもう一人の自分がいて、「暑けりゃぬぐし、寒ければ着るがそれは自分自身の意志だ」という思いも捨てきれない。
TPOによって、自分の服装くらい自分で決める、という思いである。
ここは一つ、考えに考えて自分の意志で参加するということにするのが良いのだろう。
* * * *
そしてもう一つ。上に掲げた環境省の文章で、「…そこで、京都議定書の発効を契機として、愛・地球博や地球温暖化問題をメインテーマにしたG8サミット、温暖化防止に関係する各府省によるイベント・キャンペーン等と効果的に連動し、経済界を始めとする各界と連携しながら、各種メディアを有機的に用いて、地球温暖化の危機的状況を伝えるとともに6つの具体的な温暖化防止の行動の実践を促して国民運動を推進する集中キャンペーンを実施します」というのは、典型的な役人の文章で、笑ってしまう。
私の文章で良いならばこう書くだろう。
「…そこで、京都議定書の発効を契機として愛・地球博や地球温暖化問題をメインテーマにした集中キャンペーンを行います。
それに関しては、G8サミット、温暖化防止に関係する各府省によるイベント・キャンペーンや経済界を始めとする各界と効果的に連動したいと思います。
そして具体的には、各種メディアを有機的に用いて、地球温暖化の危機的状況を伝えるとともに6つの具体的な温暖化防止の行動の実践を促して国民運動を推進したいと思います」
この三つに分けられる文章を一文で書き連ねたのが環境省の文章である。読みやすさと理解のしやすさに差があることが分かるだろう。
作家の阿刀田高さんがあるエッセイの中で「日本語には関係代名詞がないから、文章は短く切った方がわかりやすい」という趣旨のことを書かれていたがまさに賛成である。
役人の皆様。いかに普段長い文章を書いて平気でいたかということに気づかれましたかな?
