北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

北大農学部で講義をする

2005-06-28 23:27:55 | Weblog
 今日は雨なし。自転車には格好の日和です。

  
 さて今日は、
■北大で講義をする の1本です。

【北大で講義をする】
 北大農学部の卒業した学科の先生からご依頼を受けて、3年生と院生のゼミの時間をお借りして、「まちづくりと緑の行政」と題して、造園学の行方について講義をしてきました。

 基本的な考えは、造園学の守備範囲をオープンスペース行政、都市公園、生態・環境保全、スポーツ・レクリエーション、アメニティ、文化などとしたうえで、これらを駆使して社会からの要請に対していかに応える事ができるのか、という視点である。

 その際に向かう対象はやはり「人」であるということ。人の感性や満足に働きかけて、人を相手に支持を取り付けて仕事をして行くということが大事なのである。

 懐かしい農学部の教室に向かうと、生徒たちは約40名ほど。一応造園設計という単位の中での講義なので、私が卒業した花卉・緑地研究室以外の講座からの学生も多く聴講している。

 「造園学の向かうべき方向」についてはパワーポイントのファイルを用いて説明。与えられた時間は1時間半と後半が1時間の合計2時間半で、用意した資料説明にどれくらい時間がかかるものかと思ったが、いざ話し始めると言いたい事が溢れて出てきて、前半のパワーポイント資料だけで1時間半を使ってしまった。

 休憩後に旧掛川市の総合計画からの抜粋資料を用いて、地方自治体の総合的な行政とそこにおける緑行政の位置づけについて説明をした。

 市行政ともなると、福祉から環境、建設、経済、行政改革など大変広範な行政課題を背負っているわけで、そこのなかで造園やオープンスペース行政がどういう形で市に対して求められている行政課題を解決する事につなげられると思うのか、が問題なのである。

 具体的に言えば、少子高齢化、人口減少、グローバルな環境の悪化、都市の防災、レクリエーションニーズ、観光・地域振興などの社会の風と、さらに言えば国と地方による財政悪化と健全化圧力、という条件の下で、どうやって市民の期待に応える行政ができるのだろうか、ということである。 

 造園学などというものがそれらすべてに対する答えを用意する事はできないのは当然だが、仮にも造園を学ぶのであれば、学問的な知識を詰め込むだけでなく、「それはどう社会に貢献するのか」というマインドを常に高めておいて欲しいと思うのである。

    *   *   *   * 

 講義の最後で質問を受けたときに、ある女子学生から「私は就職がコンサルタント会社に決まったのですが、コンサルタントとして働くときにどのようなことに気をつけたらよいですか?」という質問をされた。

 私の回答は「まず現場というものを徹底的に知り抜く事が一つ。そして、対象となる現場を愛するくらいに惚れ込んで、この土地や現場を心底何とかしてあげたい、と思うような熱意をこめる事が大事なのではないでしょうか。私も今まで何人か、共に苦労を分かち合って戦友と呼べるようなコンサルタントの方を知っていますが、やはりそう言う人たちは、苦労を共にできるだけ仕事を愛してくれた人だったように思いますよ」というものだった。

 いやな上司や気にくわない発注元もあるかもしれないけれど、そういうことにめげずに、高い志を貫いて欲しいものである。

    *   *   *   * 

 講義が終わった時間外で、後輩たちとビール片手に感想やさらに意見交換。こうして講座の後輩たちに社会経験のいくばくかを伝える事も先輩の務めだと思っていて、そういうことも実践して行かなくてはなるまい。

 最近はなかなか講座の先輩がこうして教室を訪ねてくる事も少ないようで、組織のつながりや人と人とのつながりというものが薄れている事を感じざるを得ない。

 つながりという関係性の資本は、放っておいたのでは目減りしてしまうので、心を尽くして維持管理とお手入れをしなくてはならないものだ。

 東京では最近ジンギスカンパーティが流行しているそうだが、本場のジンギスカンで盛り上がるとしましょうか。

 また誘ってくれる事を期待していますよ。 



コメント (2)
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