北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

ふるさと銀河線代替交通確保協議会~メルヘンの丘

2005-06-10 23:26:20 | Weblog
 今日から明日に掛けて北見へ出張。道東は約5年ぶりかなあ。
 
 さて今日は、

■ふるさと銀河線代替交通確保調整協議会
■道東四方山話 の2本です。

【ふるさと銀河線代替交通確保調整協議会】
 朝から特急オホーツクに乗って北見へと向かう。今日は午後二時から北見市内で、ふるさと銀河線の廃止方向に伴う代替交通について関係官庁や道、地元などとともに調整のための協議会が開かれるのである。

 特急なら北見まで三時間くらいかなあ、と思ったが実際には4時間半かかるのだ。

 本数もそう多くはないので乗り遅れては大変で、家から一番近いJR駅から6時53分発の電車に乗って札幌駅で7時24分発の特急に乗り換える。

 旭川までは比較的快調なのだが、石北峠を越す頃にはそうとう辛そうにうんうん言いながら坂道を登って行く感じだ。こういう鉄道の旅も久しぶりではある。

    *   *   *   * 

 さて、ふるさと銀河線は北見市と池田町を結ぶ全長140kmの第三セクター鉄道である。 歴史は古く、明治44年に国鉄網走本線として池田~野付牛(現北見)感が開通をしたもので、昭和36年に池北(ちほく)線と改称をした。

 長く国鉄で経営を続けてきたが、JRの発足を受けて平成元年から第三セクター北海道ちほく高原鉄道(株)として営業を継続してきたものである。

 しかし沿線の少子高齢化を受けて乗降客が年々減少し、ついに今年3月にふるさと銀河線関係者協議会を開催し、第3セクターの取締役会で鉄道事業の廃止を決議、同4月に株主総会でも廃止を決議したものである。

 地元では一部にまだ存続運動をしている方もいるが、北海道が今後の代替交通確保の調整を北海道運輸局にお願いして、北海道運輸局が仕切る会議となっているのである。

 会議は冒頭にマスコミ各社のカメラ・頭撮りが入って物々しい雰囲気。それだけ地元では注目されているということなのだろう。

 会議そのものは、規約の承認と、これまでの経緯紹介や運輸局として関係者から意見聴取をした結果、さらに地元関係者やバス会社からの意見を聴取して終わった。

 会議はマスコミにはオープンではなかったので、様子の説明記者会見は事務局である北海道運輸局に一任して終了。

 今後の細かい具体的な話は、明日を最初とする、月に一度程度の幹事会で議論される予定である。

    *   *   *   * 

 沿線の町からの声は「公共交通はこの鉄道一本で、これで通学も通院もしている現状。廃止はやむを得ないとしても代替交通手段をなんとしても便利な状態で確保して欲しい」という切実なものだ。

 榛村市長は「過疎は六つの『通』がなくなるのですよ」とよく言った。

 六つの通とは通勤・通学・通院・通商・通婚・通信で、これらが次第にはかばかしくなくなってゆき、過疎が進行するのだ。

 人間が移動できるということが保証されなくては、生まれ落ちた場所の運・不運が人生を左右すると言うことになってしまう。

 そのような地域にどうやって誇りを育てたらよいのだろうか。鉄道が廃止になっても、代替交通確保はきわめて重要な政治的・行政的課題である。


【道東四方山話】
 北見での会議後は、網走で別の打ち合わせをすることにしてにそこまでの道すがらを、現地の仲間に地域の現場などを案内していただく。

 女満別空港近くの美幌バイパスは全部の延長が7.9kmで、平成12年に供用済みのところが3.2kmで、今回新たに4.7kmが延長され、7月3日に開通式を行うのだがこれで全線開通ということになるのである。

 お願いをして未開通のところを案内していただいた。女満別空港近くの出入り口はまさに空港に直結という感じ。
 
 北見から女満別空港へのアクセスはこれでだいぶ改善されることだろう。   

    *   *   *   * 

 網走の途中で女満別町役場へ挨拶へ。先日シーニック・バイウェイのフォーラムに参加してくださった山本商工観光室長さんがいれば挨拶をしようと思ったのだ。

 残念ながら突然の訪問で山本さんは不在であった。また今度来ますね。

    *   *   *   * 

 続いて写真家でもある山本室長さんが紹介して有名になったという、メルヘンの丘を見学。

 ここは観光写真のスポットとしてすっかり有名になり、車が何台も路上駐車をして危ないと言うことで、今般開発局で停車帯を作ったということだったので、それも見学に来たのである。

 メルヘンの丘は稜線上に7本のカラマツが仲良く植えられていて、これが景観のポイントになっている。

 山本さんの写真では麦を刈ってロール状にしているところの写真が良く紹介されるが、このあたりの畑地では輪作をするので麦の次はビート、その次はジャガイモ…、という風に年々作る作物が違うのである。

 当然見える景観も毎年違うわけで、写真のシーンは4年に一度で、それも2日間くらいしか見ることのできない貴重なシーンというわけ。

 この景観は今日限りかも知れないのだ。

 もっとも、一期一会は世の常。今日の景色は今日しか見られないのは当然かもしれないな。

 一日一日を大切に生きろ、ということかな。

    *   *   *   * 

 ちょうど現場を見学しているところに、遠くから来たらしい女性4人組が写真を撮っているのを発見して、早速インタビュー。

 「どこから来たのですか?」
 「沖縄です。女満別空港で降りて二泊三日をレンタカーで旅行しました。北海道は二回目で、これから空港へ行って帰ります」

 「そうですか。ここの丘の風景が良いというのはどうして知ったのですか?」
 「じゃらんに載ってましたから…。でもカーナビには出ていなくて、来るのに苦労しました」   

 「カーナビがついているなら、電話番号みたいな地点コードを入力できるようになっているんですけど、知りませんでした?」
 「え~?知りませんでした。良く分かんないし…」

 なるほど、日本中を30mメッシュで切った地点コードで案内するという機能がカーナビにはついているし、じゃらんならばそこへの案内データも出ているのだろうけれど、若い女性にはそこまで分かってもらうことも難しいようだ。

 これはこれで一つ課題が明らかになったので、作戦も練りようがある。

 やはり現場の生の声にこそ真実があるようだ。少しでも多く現場に立って一人でも多くの声を聞くことにこそ、真実への近道があるというのは榛村市長の教えである。

 決してナンパなどという怪しげなものではございませんぞ、ゴホ。
コメント
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