天気の良い日曜日。うちの奥さんと一緒にフォーラムを聞きに行きました。外はYosakoiソーランで賑やかになっています。
そういえば今日でYosakoiソーランも最終日。参加者の皆さんご苦労様。
さて今日は、
■道州制フォーラムを聞きに行く の1本です。
【道州制フォーラムを聞きに行く】
午後に(社)日本青年会議所北海道地区協議会主催による道州制フォーラムをうちの奥さんと共に聴きに行く。
以前からなぜか大きな目玉をイラストした黄色いリーフレットが目についていて、おまけにそのタイトルが「目覚めよ!北海道人!」とあるので、一つ間違えるとなにやら宗教っぽくなりがちなのだが、とにかくなんだか気になっていたのである。
内容は講演と提言とパネルディスカッションという構成なのだが、冒頭の講演には道州制を推進する高橋はるみ北海道知事が登場し、パネルディスカッションにはテレビでおなじみ福岡政行さんにニセコの逢坂町長が出席するというので、どういうお話が聞けるものか、と少しだけ楽しみでもあったのである。
さて、会場は札幌市役所横の市民会館。市民会館と言えば、小学校高学年の頃に親に連れられて「東京ぼん太」のショーを観て以来かな。ちょっと懐かしい響きである。
一時半開始のところを20分くらい前に到着。会場周辺には青年会議所のメンバーとおぼしき青年達が同じようなブレザーを着て大勢たむろしていて、ちょっと怖い感じ。制服というのはどこか威圧感のあるものですな。
会場の市民会館は収容人員が約1500人くらいあるのだが、残念ながら今日の参加者は300~400人くらいかな。参加者も青年会議所の関係者とおぼしきメンバーが多くて、やはりこういう話題はなかなか関心を呼ばないのだろうか。寂しい限りである。
※ ※ ※ ※
さて冒頭の主催者挨拶に続いて早速高橋知事登場。今日は黒のスーツで、以前観光サミットでお見かけしたときよりは声に張りもあって笑顔で講演開始。なかなか感じは良いね。
知事発言から抜粋すると、「補助金でも直轄負担金でも、国が関与する分野が多く、それらが日本中同じ基準でやられているということがもう無理になっている。『地域特性を踏まえた』ことを実現するのが道州制というわけです」
「福祉も全国一律が無理になり、少子高齢化の中でどういう地域社会を作るかということを考えなくてはならない」、「自分で出来ることは自分で行って、困ったら役場、道、国に頼るという考え方を変えなくてはなりません」
「地域の可能性を探って、東京や地域間競争に勝たなくては行けない。多様な挑戦の多様な社会を作りましょう」
「身の回りのことを行う主人公は市町村。それを補うのが道で、さらにそれらで出来ない外交や国防を国がやればよい」、「税源も地方に渡して欲しいけれど、地域間のアンバランスは調整してもらわないと駄目。『そこは国に頼るのか?』と言われるかも知れないけれど、それも道州制という枠組みを変えて対応すれば良い」
「いずれにしても大事なことは、道州制も道民の生活レベルを活性化する手段に過ぎないということです。どういう北海道を実現するかがポイントです。道州制に関する私の考えは公約にも掲げたし、今回本も出しましたので、それをご覧になって下さい」
「Yosakoiソーラン祭が素晴らしいと思うのは、行政がほとんどお金を出さずに民間の力で行っていること。道民の力の源がここにあるようですよ!」というもの。なあるほどねえ。
* * * *
講演の時間が20分間という大変短い時間しかなかったのは主催者側の都合なのか知事側の理由なのか分からないけれど、たった20分の講演で道州制のポイントを訴えるのは難しかったように思われる。
「国が一様に基準を決めるのが無理」というのは実は道そのものが行わなければならないことでもあって、道自身がどれくらい地域の実情にあった行政が出来ているかも問われることだろう。
また現段階で道が予算の使い道も人件費の問題も、自治体として自分たちで決められる事柄を決めることができていないようにも見受けられて、そのあたりになんだかもう説得力を欠くところがあるようにも思える。
道財政も厳しいし、このままだと来年の今頃には財政再建自治体に転落するのではなかろうか、と厳しい見方もある。
財政再建団体に成り下がってから行われる改革があるとすれば、それは今まさに自立した一つの自治体として自ら決められる事柄なのではないのか?
結局座して危機を回避できなかったということは、当局も議会も労働組合も全てができることをしなかった結末ということになりはしないのだろうか。自分の役職や立場を超えて、一道民としてそのことを情けなく思い、憂いてみても個人としては無力なものだ。
結局物事を行うには「意志」と「能力」と「資格」があって、行うに足る資格を持ったものこそが自覚して事をなさない限り、物事は進みはしないのだ、ということである。
ただただ新しい制度をほしがる自治体は、持っている道具を使って腕を磨くことなしに、新しい道具ばかりほしがる職人のように、どこか端から見ていて共感を得ないのではなかろうか。
知事も知事で、20分で全てを伝えるのは大変だろうけれど、何かシンボリックな一言で道州制を訴える気持ちに共感させるせりふはなかったのだろうか。3分で聴衆の心に訴求できないような内容は、いくら時間を掛けて言葉を尽くしても人の心には浸みていかないものだ。
訴えかける力こそが、政治家なんだなあ、やっぱり。
* * * *
後半の提言やパネルディスカッションではやたら「道民の自立」が叫ばれていた。
「教育、経済、政治の各分野でもっと我々は自立をして、外に頼らない覚悟を持たなくてはならない」という主張である。聞こえはよいがなぜ共感しないのか。
共感をさせる力には、やはり主張にホンモノがきらめいていなくてはなるまい。
高橋氏、土井氏、逢坂氏の三人のパネリストの中ではやはり逢坂氏が群を抜いてまともな発言をしていた。
「最近の議論傾向として、『白か黒か』『是か非か』といった二交代率で語る論調が多く見受けられる。もっと広範な目線でものを見たい」
「税金なども人口をベースに考えるのはいかがなものか。(町の広さなども考慮されるべき)」は、まさに私の言う「一本の木や鳥も虫も動物たちもその町の中に生きているのだけれど、投票権を持っているのは人間でしかない。だから我々人間一人一人は、自分の周りの虫や鳥や動物たちに成り代わりその代表としてこの町の行く末を考えなくてはならない」という主張に相通じるものがある。
学生さんと川南さんはちょっと主張が弱すぎ。
福岡先生は相変わらず、と言った感じ。
今日の議論は今後青年会議所北海道地区協議会として提言をまとめるそうなのでそれにまた注目したい。
結局我々道民一人一人が自立しなくてはならないのは当然必要なことなのだけれど、それを道民から遠い道庁が言っていること自体が無理なのだ。
やはり一番地元に身近な市町村が行わなくてはならず、そう言う意味では札幌市というのがいけないのだ。札幌市は人口約187万人と、北海道の中で一番市民と市役所が離れている自治体なのだから。
道内の自治体も合併で209団体になったと聞くが、一つ一つの市町村に行脚して一つ一つ潰すように説得をして行かなくてはならない。今日のフォーラムの言葉は虚空に向かって叫ばれたのではダメで、目の前のあなたに語りかけなくてはならないのだ。
現実に説得してものを動かすということの難しさを知っているかどうかがカギのようにも思えるのである。よし、自分もがんばろう!
そういえば今日でYosakoiソーランも最終日。参加者の皆さんご苦労様。
さて今日は、
■道州制フォーラムを聞きに行く の1本です。
【道州制フォーラムを聞きに行く】
午後に(社)日本青年会議所北海道地区協議会主催による道州制フォーラムをうちの奥さんと共に聴きに行く。
以前からなぜか大きな目玉をイラストした黄色いリーフレットが目についていて、おまけにそのタイトルが「目覚めよ!北海道人!」とあるので、一つ間違えるとなにやら宗教っぽくなりがちなのだが、とにかくなんだか気になっていたのである。
内容は講演と提言とパネルディスカッションという構成なのだが、冒頭の講演には道州制を推進する高橋はるみ北海道知事が登場し、パネルディスカッションにはテレビでおなじみ福岡政行さんにニセコの逢坂町長が出席するというので、どういうお話が聞けるものか、と少しだけ楽しみでもあったのである。
さて、会場は札幌市役所横の市民会館。市民会館と言えば、小学校高学年の頃に親に連れられて「東京ぼん太」のショーを観て以来かな。ちょっと懐かしい響きである。
一時半開始のところを20分くらい前に到着。会場周辺には青年会議所のメンバーとおぼしき青年達が同じようなブレザーを着て大勢たむろしていて、ちょっと怖い感じ。制服というのはどこか威圧感のあるものですな。
会場の市民会館は収容人員が約1500人くらいあるのだが、残念ながら今日の参加者は300~400人くらいかな。参加者も青年会議所の関係者とおぼしきメンバーが多くて、やはりこういう話題はなかなか関心を呼ばないのだろうか。寂しい限りである。
※ ※ ※ ※
さて冒頭の主催者挨拶に続いて早速高橋知事登場。今日は黒のスーツで、以前観光サミットでお見かけしたときよりは声に張りもあって笑顔で講演開始。なかなか感じは良いね。
知事発言から抜粋すると、「補助金でも直轄負担金でも、国が関与する分野が多く、それらが日本中同じ基準でやられているということがもう無理になっている。『地域特性を踏まえた』ことを実現するのが道州制というわけです」
「福祉も全国一律が無理になり、少子高齢化の中でどういう地域社会を作るかということを考えなくてはならない」、「自分で出来ることは自分で行って、困ったら役場、道、国に頼るという考え方を変えなくてはなりません」
「地域の可能性を探って、東京や地域間競争に勝たなくては行けない。多様な挑戦の多様な社会を作りましょう」
「身の回りのことを行う主人公は市町村。それを補うのが道で、さらにそれらで出来ない外交や国防を国がやればよい」、「税源も地方に渡して欲しいけれど、地域間のアンバランスは調整してもらわないと駄目。『そこは国に頼るのか?』と言われるかも知れないけれど、それも道州制という枠組みを変えて対応すれば良い」
「いずれにしても大事なことは、道州制も道民の生活レベルを活性化する手段に過ぎないということです。どういう北海道を実現するかがポイントです。道州制に関する私の考えは公約にも掲げたし、今回本も出しましたので、それをご覧になって下さい」
「Yosakoiソーラン祭が素晴らしいと思うのは、行政がほとんどお金を出さずに民間の力で行っていること。道民の力の源がここにあるようですよ!」というもの。なあるほどねえ。
* * * *
講演の時間が20分間という大変短い時間しかなかったのは主催者側の都合なのか知事側の理由なのか分からないけれど、たった20分の講演で道州制のポイントを訴えるのは難しかったように思われる。
「国が一様に基準を決めるのが無理」というのは実は道そのものが行わなければならないことでもあって、道自身がどれくらい地域の実情にあった行政が出来ているかも問われることだろう。
また現段階で道が予算の使い道も人件費の問題も、自治体として自分たちで決められる事柄を決めることができていないようにも見受けられて、そのあたりになんだかもう説得力を欠くところがあるようにも思える。
道財政も厳しいし、このままだと来年の今頃には財政再建自治体に転落するのではなかろうか、と厳しい見方もある。
財政再建団体に成り下がってから行われる改革があるとすれば、それは今まさに自立した一つの自治体として自ら決められる事柄なのではないのか?
結局座して危機を回避できなかったということは、当局も議会も労働組合も全てができることをしなかった結末ということになりはしないのだろうか。自分の役職や立場を超えて、一道民としてそのことを情けなく思い、憂いてみても個人としては無力なものだ。
結局物事を行うには「意志」と「能力」と「資格」があって、行うに足る資格を持ったものこそが自覚して事をなさない限り、物事は進みはしないのだ、ということである。
ただただ新しい制度をほしがる自治体は、持っている道具を使って腕を磨くことなしに、新しい道具ばかりほしがる職人のように、どこか端から見ていて共感を得ないのではなかろうか。
知事も知事で、20分で全てを伝えるのは大変だろうけれど、何かシンボリックな一言で道州制を訴える気持ちに共感させるせりふはなかったのだろうか。3分で聴衆の心に訴求できないような内容は、いくら時間を掛けて言葉を尽くしても人の心には浸みていかないものだ。
訴えかける力こそが、政治家なんだなあ、やっぱり。

* * * *
後半の提言やパネルディスカッションではやたら「道民の自立」が叫ばれていた。
「教育、経済、政治の各分野でもっと我々は自立をして、外に頼らない覚悟を持たなくてはならない」という主張である。聞こえはよいがなぜ共感しないのか。
共感をさせる力には、やはり主張にホンモノがきらめいていなくてはなるまい。
高橋氏、土井氏、逢坂氏の三人のパネリストの中ではやはり逢坂氏が群を抜いてまともな発言をしていた。
「最近の議論傾向として、『白か黒か』『是か非か』といった二交代率で語る論調が多く見受けられる。もっと広範な目線でものを見たい」
「税金なども人口をベースに考えるのはいかがなものか。(町の広さなども考慮されるべき)」は、まさに私の言う「一本の木や鳥も虫も動物たちもその町の中に生きているのだけれど、投票権を持っているのは人間でしかない。だから我々人間一人一人は、自分の周りの虫や鳥や動物たちに成り代わりその代表としてこの町の行く末を考えなくてはならない」という主張に相通じるものがある。
学生さんと川南さんはちょっと主張が弱すぎ。
福岡先生は相変わらず、と言った感じ。
今日の議論は今後青年会議所北海道地区協議会として提言をまとめるそうなのでそれにまた注目したい。
結局我々道民一人一人が自立しなくてはならないのは当然必要なことなのだけれど、それを道民から遠い道庁が言っていること自体が無理なのだ。
やはり一番地元に身近な市町村が行わなくてはならず、そう言う意味では札幌市というのがいけないのだ。札幌市は人口約187万人と、北海道の中で一番市民と市役所が離れている自治体なのだから。
道内の自治体も合併で209団体になったと聞くが、一つ一つの市町村に行脚して一つ一つ潰すように説得をして行かなくてはならない。今日のフォーラムの言葉は虚空に向かって叫ばれたのではダメで、目の前のあなたに語りかけなくてはならないのだ。
現実に説得してものを動かすということの難しさを知っているかどうかがカギのようにも思えるのである。よし、自分もがんばろう!
