朝から東京出張です。梅雨入りにもかかわらず東京は晴れて暑い。
この暑さを、来年北海道の氷で冷やそうという「雪氷輸送物流システム検討調査」プロジェクトを現在進めています。なんとか成功させなくては。
さて今日は、
■東京の地域冷暖房システムの視察 の1本です。
【東京の地域冷暖房システムの視察】
今日の午後に霞ヶ関で会議があり、その前の時間を利用して新橋駅東側の汐留地区にある地域冷暖房システムの会社を見学させてもらった。
お訪ねしたのは、汐留アーバンエネルギー株式会社。ここでは汐留北地区の再開発事業で建設されたビル群に対して熱供給を行っている会社なのである。
そもそも汐留地区は、徳川家康入場前までは小田原北条氏の出城があったくらいの寒村だったとか。それが江戸時代に入り江戸ウォーターフロント開発で埋め立てと運河建設が進められて、次第に重要な土地に変貌したのだそうだ。
やがて明治時代になると鉄道建設が進められ、我が国最初の鉄道が新橋~横浜間で営業を開始し、近代化の事始めとなったのだ。
やがて乗客は現在の新橋駅に移り、旧新橋駅は汐留駅として長く東の鉄道物流基地として称せられ、地域が大きく発展することとなった。しかし物流が車中心となり、やがて鉄道貨物輸送が物流の主役から降りるときが訪れ、昭和61年10月には地区114年の歴史に幕を下ろすこととなったのだ。
やがてこの地区は、都心に残された最大の用地として脚光を浴び、多機能都市空間を目指す整備として東京都による区画整理をはじめとしたまちづくりが展開し、現在に至っている。
* * * *
東京都の区画整理ではこの地区を9つのブロックに分けて計画されたが、この会社ではこのうち、A、B、Cの三つの街区についての地域冷暖房供給を行うこと都市計画が始まった。
この街区には電通本社ビル、電通四季劇場「海」、汐留アネックスビル、松下電工本社ビル、日本テレビタワーなどの超高漕ビルが建ち並び、なかなかの壮観である。
さて、この会社ではガスをエネルギー源にして蒸気ボイラーで熱と蒸気を発生させるのだが、これを熱として活用するほか電気でも取り出すコジェネレーションを原則としている。
そしてこの発生する蒸気から蒸気吸収冷凍機を介して冷却を行っているというのだが、素人にはなぜ蒸気から冷気が取り出せるのかがイメージとして理解できないのであった。とりあえず、そういうものらしい、として話を進めるしかあるまい。
さてそこでビルの冷熱源機器である。「エコアイス」という単語だけは私も知っていて、料金の安い深夜電力を利用して氷を作り、それで日中は電気を使わずにこの冷たさを利用して室内を冷房するのである。
そこでここのビル群の冷房もエコアイスなのだろうと思っていたら、実はそうではなかった。
エコアイスも使ってはいるのだが、わざわざ氷を作るよりは、冷たい水を作る方がまだ簡単だと言うことで、こちらでは巨大な水槽に冷水を貯める方式の冷蓄熱方式をつかっているのである。
エコアイスのできる水槽は、マルチ蓄熱槽として夏は氷のエコアイスに使い、冬は温かいお湯をやはり深夜電力で作り蓄える方式で暖房にも使っているのだそうだ。
その大きさの比較でいうと、エコアイスのマルチ蓄熱漕は1,120トン、で冷水専用の水蓄熱槽は6,830トンというから約6倍ほども大きさに差があるのである。なるほど、思いこみではなくて現場を見ることが大事である。
またここの建物では、地下3階と2階を貫いて水蓄熱槽があって、マルチ蓄熱槽がその上部の地下1階に位置している。
我々の雪氷輸送プロジェクトで氷をこれらに投入するとすれば、水槽に氷を投入しやすいかどうかが重要なポイントにもなるだろう。
ここではガスコジェネとエネルギーのベストミックスで、それぞれが単体のビルで冷暖房を行ったものとの比較で13.3%の省エネ率と謳っているそうだ。
これだけのビルで13%の節約とは大きなものがあるだろう。人間の知恵もたいしたものである。
さてさて、地域冷暖房システムには実はメーカーによってもまだまだいろいろなシステムがあるという。
やはり現場を多く見ることしか、課題の解決には繋がらないようである。
同じ現場でも何度でも行くこと。「現場百回!」これが師榛村市長の教えである。実践あるのみだ!
この暑さを、来年北海道の氷で冷やそうという「雪氷輸送物流システム検討調査」プロジェクトを現在進めています。なんとか成功させなくては。
さて今日は、
■東京の地域冷暖房システムの視察 の1本です。
【東京の地域冷暖房システムの視察】
今日の午後に霞ヶ関で会議があり、その前の時間を利用して新橋駅東側の汐留地区にある地域冷暖房システムの会社を見学させてもらった。
お訪ねしたのは、汐留アーバンエネルギー株式会社。ここでは汐留北地区の再開発事業で建設されたビル群に対して熱供給を行っている会社なのである。
そもそも汐留地区は、徳川家康入場前までは小田原北条氏の出城があったくらいの寒村だったとか。それが江戸時代に入り江戸ウォーターフロント開発で埋め立てと運河建設が進められて、次第に重要な土地に変貌したのだそうだ。
やがて明治時代になると鉄道建設が進められ、我が国最初の鉄道が新橋~横浜間で営業を開始し、近代化の事始めとなったのだ。
やがて乗客は現在の新橋駅に移り、旧新橋駅は汐留駅として長く東の鉄道物流基地として称せられ、地域が大きく発展することとなった。しかし物流が車中心となり、やがて鉄道貨物輸送が物流の主役から降りるときが訪れ、昭和61年10月には地区114年の歴史に幕を下ろすこととなったのだ。
やがてこの地区は、都心に残された最大の用地として脚光を浴び、多機能都市空間を目指す整備として東京都による区画整理をはじめとしたまちづくりが展開し、現在に至っている。
* * * *
東京都の区画整理ではこの地区を9つのブロックに分けて計画されたが、この会社ではこのうち、A、B、Cの三つの街区についての地域冷暖房供給を行うこと都市計画が始まった。
この街区には電通本社ビル、電通四季劇場「海」、汐留アネックスビル、松下電工本社ビル、日本テレビタワーなどの超高漕ビルが建ち並び、なかなかの壮観である。
さて、この会社ではガスをエネルギー源にして蒸気ボイラーで熱と蒸気を発生させるのだが、これを熱として活用するほか電気でも取り出すコジェネレーションを原則としている。
そしてこの発生する蒸気から蒸気吸収冷凍機を介して冷却を行っているというのだが、素人にはなぜ蒸気から冷気が取り出せるのかがイメージとして理解できないのであった。とりあえず、そういうものらしい、として話を進めるしかあるまい。
さてそこでビルの冷熱源機器である。「エコアイス」という単語だけは私も知っていて、料金の安い深夜電力を利用して氷を作り、それで日中は電気を使わずにこの冷たさを利用して室内を冷房するのである。
そこでここのビル群の冷房もエコアイスなのだろうと思っていたら、実はそうではなかった。
エコアイスも使ってはいるのだが、わざわざ氷を作るよりは、冷たい水を作る方がまだ簡単だと言うことで、こちらでは巨大な水槽に冷水を貯める方式の冷蓄熱方式をつかっているのである。
エコアイスのできる水槽は、マルチ蓄熱槽として夏は氷のエコアイスに使い、冬は温かいお湯をやはり深夜電力で作り蓄える方式で暖房にも使っているのだそうだ。
その大きさの比較でいうと、エコアイスのマルチ蓄熱漕は1,120トン、で冷水専用の水蓄熱槽は6,830トンというから約6倍ほども大きさに差があるのである。なるほど、思いこみではなくて現場を見ることが大事である。
またここの建物では、地下3階と2階を貫いて水蓄熱槽があって、マルチ蓄熱槽がその上部の地下1階に位置している。
我々の雪氷輸送プロジェクトで氷をこれらに投入するとすれば、水槽に氷を投入しやすいかどうかが重要なポイントにもなるだろう。
ここではガスコジェネとエネルギーのベストミックスで、それぞれが単体のビルで冷暖房を行ったものとの比較で13.3%の省エネ率と謳っているそうだ。
これだけのビルで13%の節約とは大きなものがあるだろう。人間の知恵もたいしたものである。
さてさて、地域冷暖房システムには実はメーカーによってもまだまだいろいろなシステムがあるという。
やはり現場を多く見ることしか、課題の解決には繋がらないようである。
同じ現場でも何度でも行くこと。「現場百回!」これが師榛村市長の教えである。実践あるのみだ!