北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

窮すれど何をしないか

2008-09-14 23:55:29 | Weblog
 前日の東京の天気予報は午後から雨だったにもかかわらず、雨はなし。中秋の名月もきれいに見えています。

 明日も晴れかな。

    ※    ※    ※    ※

 私淑する安岡正篤先生の「一日一言」に『人物をみる八観法』という項がありました。人の本質はこういうところに現れるという、安岡流人物評価眼の極意です。

 曰く、

一、通ずれば其の礼する所を観る
 すらすらうまく行き出したときに、どういうものを尊重するかを観る。

一、貴ければ其の進むる所を観る
 地位が上がるにつれ、その登用する人間を観て人物が分かる。

一、富めば其の養う所を観る
 金が出来るとなにを養い出すか。

一、聴けば其の行う所を観る
 善いことを聞いたら、それを実行するかどうかを観る。

一、習えば其の言う所を観る
 習熟すればその人間の言うところを観る。

一、止(いた)れば其の好む所を観る
 この「止」は板につくという意味。一人前に仕事が出来るようになると、何を好むか。

一、窮すれば其の受けざる所を観る
 貧乏したときに何を受けないかを観る

一、賤なれば其の為さざる所を観る
 人間落ちぶれると何をするかわからない。だから為さない所を観る
       
  (安岡正篤『一日一言』)

 とありました。名言です。

    ※    ※    ※    ※

 三笠フーズの社長が釈明文を出したそうです。 (→こちら


 その釈明文の中で、事の経緯については「取引先の宮崎商店が2002年に倒産した際、『のり加工原料買い付け資格』を買い取った。同商店側から『上手にやればもうかる』『私(当時の同商店経営者だった宮崎一雄氏)は10数年やって方法を熟知している』と教唆され『利益が上がりそう』と買い取りを決断した。買い取り後も(三笠の九州営業所長に転じた)宮崎氏が別会社で主に采配を振るい、私は『もうかるなら』と安易に任せきりにしていた」と書かれているのだとか。

 前述の八観法に照らせば、「窮すれば其の為さざる所を観る」です。名指しをされた宮崎氏の方は、この言を否定しているそうですが、いずれにしても、何をしてはいけないかという心のタガが『儲かるなら』という気持ちのために緩んでしまったということなのでしょうか。

 早急な事実関係の究明と、有効な再発防止策が求められます。

 信頼が前提にならない社会はコストと手間がかかります。社会が法律などに縛られて、信頼を醸成しなくてもよい方向に向かっているように思いますが、それには真っ向から反対を表明したいものです。 
コメント
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