北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

しなやかな組織とは

2009-12-03 23:55:30 | Weblog
 強い組織を作るにどうしたらよいか、というのは経営学でも重要なテーマ。

 しかし重要なだけに実に多くの学者や経営者がいろいろなことを言っています。

 ピーター・センゲの「最強組織の法則」、エドガー・シャインの「学習する文化」、「『高業績チーム』の知恵」の、ジョン・カッツエンバックとダグラス・スミス…、まだまだいます。でも、どれを読んでも、「ああ、そうだなあ!」と納得したり、目からウロコが落ちる思いがするものですが、これまたすぐに忘れちゃうのも悲しい事実。

 どうせ忘れるのは覚悟の上で、やっぱりそうか、と感動を覚えることを繰り返し、自分の中に自然に身に付いてくることを期待するしかないのかも知れません。

 今日は「強い組織とは?」というお話です。


---------- 【ここから引用】 ----------
【プレジデント・ロイター】いちばん強い組織のかたちとは プレジデント 2006年5.1号
 ~強靭で柔軟で機敏……「しなやかな常勝組織」10の特徴~
 
http://president.jp.reuters.com/article/2009/12/02/992FA142-D4D5-11DE-B61C-1EB03E99CD51.php





しっかりした基盤を持ちながら、変化に対応できる柔軟性を持つ、「しなやかな組織」は、おおむねここに挙げた10の特徴を備えている。あなたの会社は、この基準をどの程度満たしているだろうか。

昨今、経営管理の世界で注目されている概念の一つが「しなやかさ(resiliency)」だ。しなやかな組織の最大の特性は、組織とそのパフォーマンスを前進させるために、決定権、情報、動機づけ要因、組織構造が互いに密接につながっていることだ。そのつながりこそが次に記す10の勝利の行動を実践することを可能にしている。


(1) 想像できないようなことを思い描く

しなやかな企業は、同業他社ではなく人間の想像力の理論的限界に照らして自らを評価する。想像できることなら何であれ実行できるという見方をとる。手本を探す際には「ベスト・イン・クラス」を超えたところに目を向け、競争に備えるためには市場と向こう5年間の展望と現状の背後にあるものを見つめる。転換期には必ず途方もないことを思い描き、足元に火がついた緊急事態をいち早く認識する。

(2) コミットメントとアカウンタビリティの文化を築く
  (略)

(3) ゴールポストを3年ごとに動かす
  (略)

(4) 所信を断行する勇気を示す
 (略)

(5) 逆境からすばやく立ち直る
 このうえなくしなやかな組織でも逆境にぶつかることはある。健全なDNAを持っていても、それは外部のあらゆるリスク要因からシステムを守ってくれるわけではない。しかし、内部の迅速な対応を促す働きはしてくれる。技術革新であれ、景気後退であれ、競争相手からの挑戦などに直面したとき、しなやかな組織は早めにそれに気づいてすばやく対応策をとる。

 責任をなすりつけ合ったり、うわべを取り繕ったりして時間や資源を無駄にすることはない。しなやかな企業は、真正面から敵に立ち向かう。傷んだ箇所を切り離して、中核市場でのポジションを守り抜く。さらに重要な点として、攻勢のチャンスをとらえて積極的に成長を追い求める。しなやかさとは「強さや活力をすばやく取り戻す能力」なのだ。


(6) 水平的に思考する
 組織というものをイメージするとき、人はたいてい階層構造を思い浮かべる。しかし、しなやかな組織は、自らの世界観にもう一つの次元を持ち込むことができる。

 しなやかな組織は、組織の階層を減らして縦の境界を越えて活動し、サイロのような縦長構造を取り壊し、ベストプラクティスを広め、部署横断的に協働し、水平的に昇進させることで、価値を余すところなくつかみとる。しなやかな組織は水平的に思考し、より協調的かつ効率的で幅広い能力を持つ組織の利点を享受する。

 しなやかな組織を維持するためには、情報の上下の流れや組織の境界を越えた流れがきわめて重要だ。別の事業部や別の部署の誰かが、あなたの情報を手にすれば顧客によりよいサービスを提供できるという場合には、あなたはその情報をその人物に与える。それはあなたが、そのほうが会社のためになることを認識しているからだ。


(7) 自動修正する
 しなやかな組織は、問題が特別チームでの対応を要するほど、あるいは利益を脅かすほど拡大する前に、問題を見つけて修正する内部メカニズムを制度化している。情報はタイムリーかつ健全に流れ、必要とする人間が容易にアクセスすることができる。システムやプロセスには、外部からスイッチを入れる必要のない自動的なフィードバック・ループが備わっている。しなやかな企業は自動修正する有機体であり、成長とともに学習していく。

(8) 苦情に耳を傾ける
 (略)

(9) 同じ方向に進ませるように動機づけ要因を与える
 (略)

(10)過去の栄光にあぐらをかかない
 しなやかな組織は自己満足しない。それどころか、ちょっとした偏執的こだわりはよいことだという見方をとる。しなやかな企業は、異論の余地のない成功にもかかわらず、けっして勝利にほくそ笑んだり、満足したりはしない。

 すぐれた仕事に対してはまず見返りを与え、それから目標ラインを引き上げる。市場リーダーの地位を維持するためには、成功をひけらかすことより組織の微調整を行うことに時間を使う必要がある。現に、多くのしなやかな企業が、どれほどおもねった取り上げ方であってもメディアに取り上げられることはひどく嫌っている。重要なのは測定されるもの、すなわち結果なのだ。

※この記事は、『Results:Keep What's Good, Fix What's Wrong, and Unlock Great Performance』の要約です。

---------- 【引用ここまで】 ----------

 【(5)逆境から素早く立ち直る】、なんていいですね。必ず訪れる逆境の時に嘆いたり悲しんだりというのは自分の感情のこと。それを思いを振り払って、冷静に現実的に対処する。嘆いたり悲しんだりするのは一段落ついた後で良いのです。


 【(6)水平的に思考する】も良いです。組織が縦に強すぎると、多様な意見や考えが封殺されてしまいます。立場を超えた良い考えを皆が認め、それを共有する強さがあれば、そう言う組織は強いでしょう。

 【(7)自動修正する】は、組織の中の変革の気風に左右されるでしょう。トヨタの組み立てラインが強いのは、ひとたびミスがあったらラインを止めて、何が悪かったかを徹底チェックするカイゼンの精神があるからこそだとよく言われます。
 その小さなミスを見逃さずにカイゼンする精神がいいのです。

 cf. The term kaizen (改善, Japanese for "improvement") is a Japanese word adopted into English referring to a philosophy or practices focusing on continuous improvement in manufacturing activities, business activities in general, and even life in general, depending on interpretation and usage.(Wikipediaより)

 【(10)過去の栄光にあぐらをかかない】なんてなかなかできません。ついついいい気になってしまうものです。それを常にいましめるためにも良い言葉です。

 過去の栄光は思い出の中において、未来をみつめる…、簡単に言うけれどなかなかできませんよね。なにしろ、そもそも過去の栄光がないー(涙)

 さて、興味のある方は本文もご一読ください。
コメント
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