北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

「分」はなんて読むでしょう?

2009-12-20 23:21:06 | Weblog
 友人から「『分』という漢字の読みをいくつ言える?」と訊かれました。

 ぶん、ふん、ぶ、わ(ける)…などと答えましたが、「多分絶対に思いつかないのが一つあるよ」と意味深な謎をかけられました。

 家に帰ってきてからネットで調べてみると…、あった、ありました。「いた」…?うーん。


---------- 【ここから引用】 ----------
【日経ネットプラス ことばオンライン】「分」 「いた」と読めますか? 2009-01-30
 http://netplus.nikkei.co.jp/nikkei/original/word/word/wor090127.html


 文化審議会は1月29日の総会で、常用漢字について現在の1945字から5字削除する一方、191字を追加する試案を了承しました。この中でいくつかの漢字に新たな読みを追加。「分」という漢字に「いた」という読みも入れました。


 常用漢字表には「分」に(1)ブン(2)フン(3)ブ(4)わける(5)わかれる(6)わかる(7)わかつ——の7種の読みが掲げられていますが、今回の試案で「いた」という訓読みを追加しました。「分」だけ見ても、なぜ「いた」と読むのかわかりにくいのですが、「大分県」といえば納得していただけるのではないでしょうか。

 新常用漢字表(仮称)には、都道府県名に使う漢字(阪・鹿・熊・茨・栃・埼・梨・阜・奈・岡・媛)を優先的に加えたほか、既存の漢字には都道府県に関連する読みを入れることになりました。
 
 この「いた」については、ある日の審議会小委員会でちょっとした論争がありました。大分は「おお+いた」なのか「おおい+た」なのかと。

 大分は「豊後風土記」(732-739年ごろ)に見られる古い語ですが、語源には「大きな+田んぼ」「おお+きだむ(きざむ=分)」など諸説があるため、どちらが正しいのか断定はできません。ならば「大分」をひとまとまりの熟語で「おおいた」と読ませたほうがいいのではないかとの意見も出ました。

 語源はさておき、「大」に「おお」の読みがあり、一般には「おお+いた」と分析するのが現実的だということで議論は落ち着き、「分」の読みは「いた」となりました。常用漢字の改定では追加する文字や字体のことがとかく話題になりがちですが、既存の漢字の読み方についても深く議論がなされています。文化庁国語課の氏原基余司・主任国語調査官によると「漢字表の『いた』の訓は大分に限定した読み方」ということになっています。(函)

---------- 【引用ここまで】 ----------

 なるほど、「大分(おおいた)」の「いた」ですか、それも大分限定のレアな使い方です。

 こうなると確かに中国の「漢」から借りた漢字ではありますが、もはや完全に日本化した漢字文化というわけですね。「大分」なんてまかり間違うと「だいぶ」と読んでしまいそうですし。

 もっとも、これが認められるんだったら、北海道難読地名はどうなるのでしょう?

 「長万部(おしゃまんべ)」の「長」は「おしゃ」と読むのか?とか、「稚内(わっかない)」の「稚」は「わっか」と読むのか?などとちょっと心配になってしまいます。

 私の両親の住む石狩市だけでもこんなに難読地名があるのですから。

 生振(おやふる) 、濃昼(ごきびる)、聚富(しっぷ)、発足(はったり) 、花畔(ばんなぐろ) 

 最後の花畔なんて語源はアイヌ語の「パナ・ウン・クル・ヤソッケ(川下人の漁場)」ですからね。漢字の読みとはちょっとかけ離れた世界かも知れません。 
コメント
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