まったく個人的な活動ですが、都市計画学会という学会の会員になっています。
都市計画とありますが、純粋な都市行政というよりはもっと幅広に、まちづくり全般から観光や地域振興まで幅広い視野で地域を見て、論文を発表したり成果を社会の役に立てようというものです。
私は在住している北海道支部に属していて、この春から副支部長を仰せつかっています。
というのもこの都市計画学会は、大学で言うと土木、建築、造園といった領域の先生たちが集まって意見を交わす場になっているのですが、最近は造園分野でこの学会に入会して活動する人たちが減っているのです。そのため造園がバックグラウンドである私に対して、「もう少し社会貢献しなさい」ということでお鉢が回ってきたというわけ。
まちづくり全般をより広い学問領域の人たちと意見交換できる場としては興味深い皆さんが集まっているのと、そろそろ後進の指導にもあたらないといけないかな、ということでお引き受けをしました。
今日はその北海道支部の幹事会が開催されて、様々な情報共有と、いくつかある部門ごとの活動の現状報告がされました。
こうした学会では基本的に新たな研究成果を発表する研究発表会と、様々な情報や知識を世間一般に提供し社会貢献する場としてのセミナーが行われます。
秋に予定する研究発表会は11月7~8日で開催する方向で準備が進められており、会場は大通り西6丁目にある札幌学院大学社会連携センターで開催予定とのこと。
札幌の大学ばかりではなく地方の大学や行政からも大いに論文参加して欲しいということなので、稚内からもなにか出せないものか考えてみたいものです。
◆
都市計画という行政手法は、人口や経済の拡大により市街地も拡大する局面では制限的なアプローチでまちづくりを誘導してきました。
ところが人口減少や経済も大きく拡大しない今日、抑制的なツールがほとんどで、数少ない攻めのツールである区画整理や再開発なども経済効果を発現させることが難しくなっている状況をどう打破し、より幸せな住民の暮らしということを実現できるでしょうか。
都市が拡大し経済が拡大する局面では土地や不動産の価値増進分が利益として再投資され、まちづくりに大きくつながりましたが、では地方都市など価値増進が大きく期待できないところでのまちづくりはいかにあるべきか。
答えはなかなかありませんが、日本中に適用される"制度"の中にはおそらく答えはないでしょう。ここから先は、自治体や地域ごとのマネジメント能力に負うところが大きくなるに違いありません。
そうしたマネジメントスキルは、多くの好事例を見て感じてそこから得られるエッセンスを共有し実践してゆくほかに道はありません。
興味のある自治体や企業の方もぜひ参加して、勉強の輪とネットワークを広げましょう。人生の究極の財産は経験と人のネットワークなのですから。