北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

稚内の本格バー「馬里邑(まりむら)」さん

2015-08-28 23:55:12 | Weblog

 来週からのサハリン旅行のために、今日から妻が稚内へやってきました。

 釧路で仲良くなったバー「笑いの館」のマスター森野さんから、「稚内へ行かれるのだったら「馬里邑(まりむら)さんがありますよ」と教えられていたので、妻を連れて早速その馬里邑さんへ行ってきました。

 バーテンダーの世界は、研修などで皆さん結構繋がっているので、行く先々にある素敵なバーを教えてもらえるのです。

「馬里邑」さんは十人ほどのカウンターとテーブル席が三つ。

「オリジナルのカクテルはありますか」と訊くと、「ありますよ」と言って、『宗谷岬の夕日』というオレンジのカクテルと『稚内サワー』を作ってもらいました。

「稚内は初めてですか?」と言うので「幼い時に住んでいましたが、務めはこの4月からです」というやりとり。こちらのお店はいつからやられているのですか?」「昭和四十年代後半です、当時はまだ米軍さんもいましたし、なにより魚がたくさん獲れましたからねえ。稼ぐ船頭さんは月給百万円以上でしたよ」

「百万円!当時でですか!そりゃすごい。昔はさぞ賑やかだったのでしょうね」
「それはもう。料亭もキャバレーもありましたし、前の通りなんかは船が上がった時には酔客が多いというので車を入れない歩行者天国になったりね。お酒のお相手をする和服の芸子さんなんか、帰ってきて着物を脱いだら千円札がばらばらっと落ちてくる、なんて話も良く聞きましたよ(笑)」

「今はちょっと寂しくなりましたね」
「そうですね、底引き船が減船になり二百海里が設定されてからはいよいよ魚が獲れなくなりました。船があるとその関連で網屋さんがあったり無線屋さんがあったりと何かと仕事があるものでしたがね。」

 
       ◆ 


「思い切り癖のあるウィスキーはありますか?」
「いいんですか?じゃあこれはいかがでしょう?」

 出されたウィスキーを一口飲んで、「うゎっ」とその癖のある香りと味わいにびっくり。

「はは、今治水(こんじすい)って薬をご存知ですか?言われないとそれだと思いますよ」

 すると妻が「コンジスイってなに?」と訊きます。「昔歯痛を直す液体の薬なんだけど、ぼくは新今治水ってコマーシャルを聞いたことがあっただけだね」

 そう、まさに歯の痛みどめの薬臭さを思わせるようなウィスキーでした。

「これはなんですか?」
「ラフロイグの十年です」

「すごい香りですね」
「まさに"マッサン"のモデルになった竹鶴政孝が好んだスモーキーフレーバーというやつですね」
「好きか嫌いかの好みがはっきり分かれるお酒ですね」


 稚内の本格バー馬里邑さん。楽しい時間がゆったりと過ぎてゆきます。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする