東洋経済ONLINEに、「松下幸之助はなぜ成功したのか」というシリーズがあり、先日は『幸之助は、部下にも「教えてほしい」と尋ねた』という記事がありました。
【東洋経済 『幸之助は、部下にも「教えてほしい」と尋ねた』】
http://toyokeizai.net/articles/-/81123
松下幸之助は「経営の神様」と崇め奉られる人でしたが、実に気さくで自分で他の人との間に壁を作らない人でした。
そんな彼の様子を紹介する記事の最後の部分をご紹介します。
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…松下は、たくさんの人にものを尋ねることを「衆知を集める」という言葉で表現していた。最後にそんな言葉を紹介しよう。
「衆知を集めるということをしない人は、絶対にあかんね。小僧さんの言うことでも耳を傾ける社長もいるけど、小僧さんだからと耳を傾けない人もいる。
けど、耳を傾けない社長はあかん。なんぼ会社が発展しておっても、きっと潰れる会社やね。衆知を集めないというのは、言ってみれば、自分の財産は自分が持っている財産だけしかないと思っている人と同じやね。
少しひらけた人なら良寛さんみたいなもので、全世界は自分のものだと思っている。しかし全部自分で持っているのはめんどうだから預けておこう、というようなもんやな。人間ひとりの知恵には限界があるんやから、その限度ある知恵だけでは、うまくいかんわけや」
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人生は「我以外皆師」。自分が知らないことを知っている人は皆、その分野では自分より上だと理解することです。
以前使えた掛川市の榛村市長さんもそんな方で、一緒に県外に出張して現場を見ていた時に、近くの女子高生をつかまえて「僕は掛川というところの市長なんだけど、掛川って知ってますか?」とかその地元のことをいろいろと訊ねていたことに驚いた記憶があります。
今思えばまさにこの松下幸之助の言う「周知を集める」ということだったのでしょう。
人の情報にはネットにはない周辺情報がたくさん盛り込まれています。とにかく人に話しかけてみること。その反応を見定めること。知らないことを教えてもらって感謝すること。
そんな小さなことをコツコツと続けられる人は周りとの関係も良くなって自分の周りのことを多面的にとらえられるようになります。
人間って「人の間」と書きますね。人の間に関係性があることと情報がやりとりされることこそ生きているってことなんだと思います。