北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

離島の話を聞こう~宝の海の島から

2015-09-10 23:14:25 | Weblog

 今日から明日にかけて利尻礼文の離島を巡る出張行程。現在策定中の第八期北海道総合開発計画の中間とりまとめ案について説明をして意見交換をするのが目的です。

 計画案を説明したうえで、それぞれの町長さんと意見交換をして地域の課題や話題をいろいろと教えてもらいました。

 利尻町では、「利尻地域漁業就業者対策協議会」で漁師になりたいという人に対して新規漁業就業者支援制度として『漁師道』と名付けた取り組みを行っています。そしてこの制度により若い人が漁師として研修を受けて地元に根付いており、漁業振興と人口減少対策として一定の効果を上げているとのこと。

 また地元の名産である利尻昆布も養殖の技術を習得してもらうことで安定的なコンブ漁の収入に繋げているとも。

 しかし漁業という仕事がありながらそれでも若者が町から出て行ってしまう現実があります。

「若いうちは外に出てみたいという思いが強いし、やっぱり都会は魅力的ですからね」

 仕事の上には暮らしや遊びなどの要素も必要で、特に若者はそうしたものを求めます。


       ◆ 


 つづいて利尻富士町長さんとお会いしました。

 利尻富士町ではウニ、特にエゾバフンウニの収量が年々落ちていることが心配だと顔を曇らせます。

「親ウニが取れても、それより若くて小さいウニの数がだんだん減っているというんです。どうも海水温が平年より一度上がっているらしくて、海での海水温の一度の変化って生き物にとっては大変なことなんだそうです」

 収量が少ない分単価が上がって、漁師さんの収入は変わらないと言いますが加工場や食堂などでは卸値が上がるとお客さんに売りにくいとやはり苦しいそう。値段が上がりすぎてなかなか口に入らないというのも困ったものです。


        ◆ 

 午後のフェリーで利尻から礼文島へ渡り次は礼文町長さんとの意見交換。礼文町の小野町長さんとはフェイスブック仲間なのであまりご無沙汰している感覚がありません。ネットの力はすごいものです。

 礼文町ではフェリーの時刻表の関係で礼文島に宿泊する便利が悪く、宿泊客が年々減少しているのが悩みでした。飛行機の路線もかつてはありましたが今では路線がなくなり事実上空港も使っていない状況。

「札幌との路線が無理なら稚内空港との間でもいいから飛行機の路線があれば利便がだいぶ変わるんですが」と小野町長さん。飛行場などのインフラもそれを使う路線があるかどうか、路線をどう貼るかは特に離島のように交通の難しいところには影響が大きい問題です。

「礼文は漁業で言うと宝の海ですよ。やりようによってはちゃんとした稼ぎになりますからね」とは小野町長の弁。

 漁業者の数でいうと、年に20人が引退して5人くらいが新規に就業するという感じだそう。
「だから年に15人くらいずつ漁業者が減っています。でも漁業者の平均年齢はここのところずっと65歳で変わらないんですよ。高齢で引退する人と若くて就業する人とのバランスがあっているんですかね(笑)」

 人口が一貫して減っていると言いながら、礼文出身で他の地域で活躍している方の中には故郷礼文町への思いが強い方が多いのだそう。

「食品関係で成功した方からは温泉建設のために億単位の寄付が寄せられたり、とにかく礼文島が好きで好きでたまらない都会の人たちが何かにつけて礼文島へ来てくれる集団がいたりして、不思議な魅力を感じてくれる人がそれなりにはいるんですがね」

 
 離島に対する不思議な魅力は私も感じます。もう少し頻繁に通って通り一遍ではない離島の魅力を掘り下げてみたいものです。

 

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