北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

サハリンの旅初日~日本のものは良いけれど高いです

2015-09-01 23:17:53 | Weblog

 いよいよサハリンへの初めての旅です。

 朝七時半に国際フェリーターミナルに集合して、同行のツアー客の皆さんと合流。今回は近畿日本同じ船にはツーリストの旅ですが、参加者は29名。今日のフェリー船「アインス宗谷」には101名が乗船するのだそうで、まあそこそこの利用者数と言ったところ。
 海は風も波もほとんどなくて穏やかな海を船はひた走ります。

「もうすぐ二畳岩が見えますよ」

 二畳岩というのは広さが畳二枚ほどの岩で、かつてサハリンが日本だったころにこの岩の上に灯台を立てているのが見えました。ネットで調べてもなかなか出てこないこの岩。かつての日本人はいろいろなことをしているんだなと改めて分かりました。

 
 コルサコフ港に着いたのは現地時間の午後3時50分(日本時間の2時50分:日本より一時間先行している)。稚内よりは大きな港のようですが施設はどこか古めかしい感じ。70年前にまだ日本だったころに整備された港湾施設がいまでも使われているとのことで、随分頑丈なものを作ったなあ、と言うべきか、ロシアももっとよい港湾施設を作る力がないというか、まあ旅はいろいろなことを考えさせてくれます。


         ◆ 


 ユジノサハリンスクには18時過ぎに到着。ツアーの皆さんは19時からホテルで食事でしたが、我々夫婦は現地の北海道事務所スタッフの方と合流して「黒猫」という別のレストランで会食をしました。

 対応してくださったのは北海道事務所の若きスタッフ二名。どちらもこの四月からサハリンへ赴任したとのことで、5カ月が経過していろいろと地域の事情がわかってきたとのことで、サハリン事情をより詳しく教えてもらいました。

 黒猫は住宅街のアパートの一階にあるちょっと変わったレストランですが、日本人の口にあうロシア料理を出すというので、現地邦人に人気のレストラン。

 バルチカビールで乾杯をして、サラダやビーフストロガノフ、ロシア風焼き鳥にロシア風ギョーザなどを美味しくいただきました。特にデザートの黒パンアイスはなかなかの美味でした。これはお薦めです。


 サハリンの事情を数字で教えてもらいましたが衝撃的だったのは男性の寿命です。なんと62.17歳。女性はずっと長生きで73.53歳とのことですが、男性の寿命の短さは
ちょっと異常です。酒好きだとかタバコだとか医療環境などがあるのかもしれません。

 ただ平均賃金も低くて約11万円とのこと。それでいて物価は日本とあまり変わらない感覚だというのですから、生活は決して豊かとはいえないようですが、それでもアウトドアや休日を明るく楽しむのが地元の人たちだとも。

「物価が日本と変わらないというのでは賃金が低いと大変ですね」
「はい、でもそれゆえあまり外食はせずに家で料理をするという生活があたりまえのようですね」

「日本の産物や商品をこちらへ売るためには何が障壁になっていますか?」
「やはり価格ですね。韓国のカップラーメンが200円するのに日本のカップラーメンは500円もします。食べてみれば美味しいというのはわかりますが、それにしてもこの価格差ではなかなか手にしようとは思えません。売る側がもうけを上乗せしているように思いますが…」

「やはり日本の産物は人気はあるのですか」
「日本に比べるとはるかに多くのものが中国から入ってきます。しかし中国産は『輸入品』としか表示されていないのに日本からのものには『日本産』と書かれていてさらに北海道のものはさらに『北海道』と書かれています。それゆえ売る方が強気で高い値付けをするということもあるでしょう。日本産や北海道産がブランドとして認知されているということを感じますが、それゆえ高価で人々の口に入らないというのはちょっと残念です」

「物流を果たそうにも冷凍庫の設備もないということで、いわゆるコールドチェーンがけいせいされていないとも聞きますね」
「そこはまさにサハリン側の努力も足りないと思いますが、ユジノサハリンスクの人口が20万人しかいないという点では商圏としても小さいのかもしれません」

「サハリン観光の可能性はいかがですか」
「ポテンシャルはあると思いますが、不親切というかぶっきらぼうというか、日本からの観光客を迎えようという意思が今のところあまり感じらません。日本だった時代の遺物や建物が現存しているの使われていないものは朽ち果てるばかりです。ちょっと残念ですね」

「日本人の仕事が今でも残っているのにそれに日の目があたらないのは確かに残念ですね。日本人観光客が訪ねてくることが双方にとってwin-winになる道筋を示してあげて努力を促したいところです」


 最後に「何か足りないものってありますか」と訊くと、「実は米も持ち込もうとしたら税関で取り上げられてしまうんです。美味しい米も食べてもらえれば日本食の味わい
ももっと伝わると思うのですか」


 まだまだビジネスとしても日露の文化交流としても様々な障壁があるようです。もっとがんばらなくてはいけないようです。

 

 

コメント
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